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画家のスペイン旅日記 後半(マドリード)

いろいろ思うところがあり、4年ぶりの海外旅行でした。
2023年11月初旬の芸術の秋の旅日記。8泊10日間の旅でした。
自分の思い出の記録のために、5日前半のバルセロナ、5日後半マドリードに分けて書きます。
前半(バルセロナ)の記事はこちらからご覧いただけます。

ではマドリード編へ~


6日目 マドリードに向かう

新幹線renfaを使う。日本にいる間に友達とLINEでやりとりをし、友達のCintaが新幹線のチケットを取ってくれて、私がAIR BNBで宿泊先の予約をした。宿泊先は家電、食器などすべてそろっている素敵そうなお家で楽しみだった。

バルセロナ最後の日、朝起きたらCintaがバルセロナで食べれる朝ごはんの場所を教えてくれた。出発まで1時間あったけれど、アパートにもご飯があったし、出かけるよりゆっくりしたいなとアパートで朝ごはんを食べた。私は満足だったけれど、私はバルセロナであまり外食しなかったから、Cintaはせっかくなのにという気持ちで色々おすすめしてくれたなぁと思った。
外食のことや人に会うことや、やり残したこともあるから、とてもいい街だと思ったので、またバルセロナに来れたらいいな。

朝ごはん 抹茶 バナナとナッツヨーグルト
バルセロナの水は硬水でミネラルの味があるので抹茶にはあまり合わず

アパートで朝ご飯を食べてからは、タクシーで駅まで向かう。駅前にはスケーターがつくったジャンプ台があった。Cintaの友達がいくつか作ったそう。古い建物や文化の中にところどころストリートアートカルチャーが入り乱れるのもスペインらしい気がした。新幹線にも時々スプレーの落書きがあった。
新幹線は日本のとシステムが少し違った。まず、荷物検査をし改札へ、ホームへ降りるエスカレーターの前で列を作り、ホームへ行く前にチケットを切られる。列車の用意ができたらホームに降りれる。なので、ホームに常に人がいるという状況がなかった。道中Cintaが朝に作ってくれたお弁当を車内で食べた。

ハンバーグとチキン底にあるのは私が焼いたのを入れた
小さい桃。皮ごと食べた。
味は甘くてしっかり桃味。美味。
うっすら虹がかかっていた
私は旅のとき毎回虹に遭遇する
去年の北海道旅でも虹を見たけれど
まさかスペインでも見れるとは思わなかった

新幹線は何度も停車し到着時刻を大幅に遅刻した。マドリードは寒くて大雨だった。タクシーを使って宿泊のアパートに向かう。AIR BNBのホストはとてもいいひとだったし、連絡したらすぐに返事もくれた。部屋もとてもきれいで安心した。Cintaはそうそうに街の散策にでかけていった。私は少しゆっくりして、お弁当の残りを食べて、お風呂に入った。湯船につかることができたが、なぜか水が黄色だった。

なぜか黄色のお湯

夕方から私も外に出てみたらかなり寒かった。
慌てて近所のリサイクルショップでみつけた店でセーターを買った。
stradibariusというスペインのZARAの姉妹店のようなブランドのUSEDだった。

Sofia museumの近くの本屋さんに行った。
欲しい図録ばかり置いている。荷物の重さと金額さえ気にしなければ、、、持って帰りたいのが何冊かあった。

ソローリャ、サージェント、ロートレックetc...好物

ソフィア美術館には無料の時間帯にいった。ピカソのゲルニカを見てきた。写真でしか見たことがなかったが、実物は筆跡、筆圧や質感がしっかりとあった。

ピカソのゲルニカに集まる人々

帰りにスーパーで大きなじゃがいもと水を買って帰った。Cintaも買い物をしてくれていたので食べ物はあって分け合った。夜ごはんはおかゆに卵スープをまぜたものと、Cintaが買ってきてくれたチキンのハンバーグを温めて食べた。

7日目 プラド美術館

朝は例のごとく、おかゆをつくって食べる。
Cintaは友達に会いに、プリントスタジオに行くと言っていた。
私はプラド美術館でまる一日潰すことにした。広くて大きい美術館だと知っていたので、館内の作品を見るのにゆっくり1日使うのが賢明だと思った。
アパートを出て近くのカフェでサンドイッチとブラックティーを頼んだ。一人で行動していると感じるが、英語があまり通じないことが多くアプリや片言のスペイン語を駆使する。
サンドイッチが冷たかったので、温めてほしいと頼んだ。半分は紙袋をもらってお持ち帰りにした。

初めて一人でスペイン語しか通じないお店でごはん食べたかもしれない
王室の噂話は万国共通
農林水産省のたてものの彫刻が厳つい立派なクオリティ

プラド美術館の入り口へ行く道中にあったベラスケスの銅像がめちゃくちゃかっこよくて気分が上がった。スペインの彫刻や銅像はほんとにどれも立派でクオリティも高くて感動する。

ベラスケスの銅像
インコもいた 

あとでCintaにインコを見たと話したらよくあることらしく鳴き声がうるさかったり環境問題になっているとか、あるスタジオの近所の人はインコがたくさんとまる街路樹を燃やしたらしい。燃やすという選択肢が激しいなとおもった。

プラド美術館では、私はなかでもティツィアーノの作品にひかれた。
描かれている人物はともかく存在感があった。

プラド美術館の鑑賞後は残りのサンドイッチを座りながら食べた。
そういえばスペインの街中は座れるところがたくさんある。

帰りにスーパーで食材を買う。
サーモンの寿司をつい試しに買ってみた。日本のスーパーのお寿司のクオリティよりいい気がした。サーモンがフレッシュで美味しかった。

bento

アパートに帰ってお風呂につかる。マドリードでお風呂につかれるのはほんとに贅沢な気分だった。日本にいる友達とLINE通話をして夕方ゆっくり過ごした。ホットミルクティーを入れて、、、自分のペースをつかめてきたのと旅も終盤に近付いてきてほっとしてきたのかもしれない。

帰宅してきたCinta
インターフォンのモニターがレトロでかわいかった

夜はCintaとそれぞれ、どんな日だったか話したり、恋愛の話、仕事の話などをしながら夜ご飯をたべた。

8日目 ソローリャ美術館 チュロス タパス

今日は朝から小雨が降ったり止んだりだった。1日Cintaと一緒にマドリードの街を散策した。
知らない町の移動はなかなかストレスなので、バスの乗り換えなど一緒に行動できたのは助かった。この旅でCintaは視野や私の行動範囲を広げてくれたのでほんとにありがたかった。
私もCintaも朝型だったので、美術館にも空いた時間に行くことができたのがよかった。昼間に見終わって入り口を見ると長い列になっていた。 

お揃いコーデ

ずっと2人で行きたいなと話していたソローリャ美術館に訪れた。画力とデッサン力が高い。
生で絵の具の厚みが見れたのが良かった。

ソローリャ美術館のお庭
ソローリャ美術館の館内

美術館の後はバスで中心地まで移動して老舗らしいチュロス屋さんでチュロスを食べた。思っているよりおいしかった。

温かくて軽くてサクサク
ホットチョコレートにつけて食べる

最後にようやくタパスも試すことができた。こじんまりしていて忙しい場所だった。周りの会話の声が大きくて私はあまり場の雰囲気になじめなかったけど、食べ物はとてもおいしかった。コロッケも外はカリカリで中はシンプルであっさりしているけれど濃厚なもったりとしたクリームソースがつまっていた。

ムール貝、コロッケ、アーティチョークを頼んだ
忙しい店内、絵がたくさんあった

あとは帽子屋さんで帽子を思い出に購入した。緑色のベレー帽を試着していたら、お店に入ってきた人たちが続々と私もその緑が欲しいと買っていった。Cintaが「ノーノーこれは私たちのです」と他の店にいたお客さんに言って、緑のベレー帽を死守してくれた笑
後から調べたら、帽子はスペイン・バスク地方発、ベレー帽の老舗ブランドのエロセギという帽子みたいです。
帽子屋さん自体も創業の古いSOMBRERERÍA MEDRANOというお店です。

写真はお店のFacebookページから借りました
裏側も素敵なベレー帽

アパートに帰って少し休憩。私はまた湯舟へ。今日もお湯が黄色かった。マドリードの水自体はバルセロナより美味しかったんだけど、、、
お風呂の後は帰りの支度もした。
夜ご飯はCintaと一緒に作ったもの、フレッシュチーズとトマトのサラダ、じゃがいものガレット、パンを作って食べた。

台所はこんな感じ
マドリード最後の晩餐 (友達に写真を送ったら生活の素顔みたいな写真だねと言ってくれた)

次の日は朝早いのでUberでタクシーの予約をして、11時くらいに就寝。
翌日の早朝Cintaとのお別れはさみしかったけれど、Cintaはまた日本に遊びに来てくれそうな気もするし、私もまたバルセロナやスペインに行きたいと思ったからまた会えそうな気がした。

9日目 地獄のフライト

空港 地獄の13時間のフライトのはじまり。

席の希望を伝えたら良かったという教訓を得ました。日本ではチェックインで好きな席を聞いてくれたけれど、今回はおまかせした。
席の両隣海外の体格のいい方で、私は真ん中の席で肘を置くところもなく狭い思いをした。後ろの席は女子高校生3人組だったけれど、声はすごく大きいわ、座席は蹴ってくるわでかなり不快だった。日本のアニメをイヤフォンなしで見ていて、アニメ声も甲高いタイプのアニメでほんとに迷惑だった。
降機するときに後ろの席をみたら、鳥小屋みたいに床が食い散らかされたお菓子や食べ物でぐちゃぐちゃだった。

映画を2本くらい見た。
『ジャンヌ・デュ・バリー(原題)』ジョニーデップが13世で出てくる。
『アステロイドシティ』
ウエスアンダーソンの映画 スカーレットヨハンソンが出てくる。
ちらっと『ラーゲリより愛を込めて』戦時中の映画も見たが疲れていて途中で見るのをやめた。CNNニュースを見たり寝たり、ガザのことで持ちきりだった。トルコの上あたりを飛んでいたときにはウクライナとパレスチナの平和を心の中で祈った。
両隣は狭く過酷な席だったので30分くらいトイレの前を歩いたり立ったりもした。
事前にキャセイの機内食を調べていたが茄子のラザニアはおいしかった。

今までで1番美味しい機内食

カマンベールチーズもさすがスペインのものなだけあってはずれではなかった。キャセイパシフィックはハーゲンダッツがついてくるのもうれしい。また機内食のみの記事もあげようと思います。

10日目 天国のフライト

香港について3時間くらいあったので、ゆっくり座って友達にLINEしたり、朝マックのソーセージマフィンを食べながら飛行機を眺めて過ごした。香港は一度訪れた場所でもあるし、空港のスタッフの雰囲気など安心感しかなかった。日本に近づいてだいぶ気持ちに余裕が出てきた。

香港の空港から見える山の地形が日本と全然違う
香港着

また前回のフライトとは打って変わって、香港から大阪のフライトはかなり快適だった。両隣と後ろの席には誰もおらず、ゆっくり寝ることができた。本当に良かった。ハーゲンダッツに温かいお茶がありがたい。食べ物はほとんど食べずに寝た気がする。インド人が前の座席に座っていて、おすすめの映画を教えてもらって少しだけ見た。クールな映画だったけど踊っていた。

空港に着いたのは夕方3時ごろ、検閲ではラブラドール犬が走り回っていた。駅で寿司を夜ご飯に買って帰った。ほんとに帰れて良かった。
日本に着いたら駅も乗り換えも覚えているから何もかも簡単に感じた。香港から日本のフライトは計3時間40分で1時間は寝れたので、トータル17時間以上移動してるけれど、電車の中で思ったより元気なことに気づいた。
アパートの最寄り駅は地元の友達が迎えに来てくれた。

番外編 帰国後

帰宅してご飯を食べて寝たらなぜか寝汗がすごくてシーツもパジャマもびしょ濡れになった。調べたら自律神経の乱れでそういうことが起きるらしいが熱もないし普段汗をかかないので汗の量にびっくりした。
しばらく日本の街中の人の声が言語として頭の中に入ってこなくなってたのもいい変化だった。

Milaの作品を帰国後飾る 

そして翌日から大量の洗濯物をして出勤した。職場には何も伝えずに旅行に行ったので何食わぬ顔で仕事をこなし、その日から普通に5連勤をやってのけた自分を本当にほめ讃えたい。旅を心配してお守りをくれた地元の友達、滅多にお土産くれない妹からも出発前に有名な神社に行ってきたらしく、お守りをもらった。心配ありがとう。
スペインにいる間LINEに付き合ってくれた友達や、旅行中留守の間、植物と魚の世話をしてくれたルームメイト(旅行前に急遽決まった)にも助けてもらいました。
両親も何かあったら迎えに行けるようにとかでパスポート取っちゃってたり、いろいろ気にかけてくれていて心強かったですw。
旅行の前から連絡のやり取りや、日常のいろいろな世間話なども込みで、前向きに事を運ぶエネルギーをたくさんくれたCintaにはbig love and gratitudeです。いろんな人が旅に関わってくれたので、ご縁に感謝します。

Thank you all!


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