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「いのち」を問う

 まもなく映画で公開される『Dr.コトー診療所』は2003年に放送されていたドラマの劇場版。このドラマをBSで久しぶりに観た。当時一度見たときの感覚とは全く違う。様々な経験を経て19年前の私とは異なるのは勿論だが、妻、そして娘がいることが一番だ。守る人がいて、そして家族がある。これらの想いがドラマを観ていると錯綜する。最近ドラマを鑑賞していると、同じ状況に至ったらどう思うだろうかという問いがたくさん湧き上がってくる。
 今年1月に「いのち」をテーマとした対話型読書会を主催して1年が経つ。ドラマ『PICU小児集中治療室』もそうだが、これほどまで「いのち」について深く考えさせられるドラマはあるだろうか。大概のドラマは『ドクターX』さながらに最終的に手術が成功して生きられるものが多い。けれども、この2つのドラマは手術すら容易でない場面が出てくる。ここでは、「生きるとは何か」「いのちとは何か」「家族とは何か」という問いが突きつけられる。勿論、問いに対する答えが出るわけではない。でも、考えることが何よりも大切だと感じる。
 いのちを分け与えられ、我々一人ひとりはこの世に存在する。生きている(生かされている)ことには、必ず意味がある。ただ、その意味を生きている(いのちがある)間に理解できないかもしれない。でも、それでいい。そんな簡単に答えが導き出されるはずがないのだから。すぐに答えを手に入れようとしなくていい。例えば、ロールプレイングゲームが簡単にクリアできてしまったら、すぐに飽きるに違いない。人生は一人ひとりが主人公である。誰もが生きているだけで途轍もない価値がある。では、そのいのちをどう使っていくのか。それが“使命”と言われるものだ。あなたの人生はあなたしか生きられない。無論、攻略本や参考書は存在しない。日々本番の連続であり、すべてが一発勝負である。
 ヘルメス・J・シャンブ著『“それ”は在る』に、「自分は幸せではないと考えている人間が幸せになれるだろうか。なれるはずがない。幸せではない、と言っているのだから。」という一節がある。幸せは誰かに何かを与えられてなるものではない。あなたの中にもうすでに存在していることに気づくことである。勉強が嫌いで○○が苦手と言い切ってしまう人は、実はそういう自分でいることを自ら選択しているに過ぎない。未来がこの先にあって、自分に向かってくるならば、今ここでの選択があなたの未来を決定づける。さて、あなたはどんな人生を望むのだろう。
 どうしてこの世に生まれたかは分からないけれども、生きていることだけは間違いなさそうだ。そうであるならば、今の自分でしか生きられないし、代わりはいない。周りの人を見て羨んでも何も変わりはしない。あなたはたくさんの素晴らしいものを内なるところに持っている。それらに気づくことで、今の自分を慈しんであげたらどうだろうか。たった一度の人生なのだから。

나를 부르는 노래  먼 곳에 있어도 느낄 수 있어
 僕を呼ぶ歌 遠くにいても感じられる
창민(チャンミン;東方神起)『여정(旅程)(In A Different Life)』


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【Q125】自己肯定感を上げるにはどうしたらよいですか。
【A】自己肯定感が良くて、自己否定感が悪いということはありません。どちらにしても、自分がどういう状況であるかを把握できているわけですから素晴らしいですね。失敗を恐れたり、他人の評価が気になったりして、ダメな部分を気にしてネガティブな気持ちになるのかもしれません。でも、記事に書いたように、あなたはどんな状態であっても<あなた>なのです。どんなに頑張っても他人にはなれません。一生<あなた>を生きるのです。それならば、是が非でも自己肯定感を上げることに目を向けるよりも、まずはありのままの<あなた>を素直に受け入れてあげたらどうでしょうか。

【Q126】大学生活で印象に残っているエピソードはありますか。
【A】自転車をキャンパスで盗まれました。急いでいたせいか鍵をかけ忘れたかもしれません…。そして、風邪で寝込んでいたときにお水を入れていないやかんを火にかけてしまいました…。

【Q127】ストレスはどうして溜まるのだと思いますか。
【A】勉強会で知り合った人にストレスを感じない人がいました。なかなか驚きです。実際には、脳内物質は発生しているでしょうが、どんなこともおおらかに捉えている性格なのかもしれません。おそらく自分にとって気持ちのいいことをたくさんやっているのでしょう。食事を楽しむなど、さまざまなルーティンを設けて無意識の行動でストレスを発散して、溜めていかないことが大切ですね。

【Q128】相対性理論について簡単に説明してください。
【A】物理学者アルベルト・アインシュタイン(憧れる人物の一人)が提唱した理論です。どこから測っても光の速さは一定だとする「光速度不変の原理」があります。時間は人によって流れ方が違う、相対的なものです。だから、あなた自身が速く動けば動くほど、周りの人に対する時間の流れが遅くなります。また、物体が速く動けば動くほど質量は大きくなり、エネルギーも膨大になります。E=mc²という式は有名ですが、こんなに簡単に真理を説明できるなんて凄いですよね。

【Q129】親の愛情を受けずに育った子どももいつか親になれるでしょうか。
【A】勿論、なれますよ。ただ、原点に戻って考えておかないと、そういう育て方しか知らないので、あなたも親と同じことをしてしまいかねません。そもそも、あなたは親の愛情を受けていないのでしょうか。愛情が全くなかったら、生まれてこなかったはずです。出産のとき、親だけでなく、赤ちゃんも相当なリスクを背負っています。その中であなたは生まれてきました。6分の1のお母さんは流産を経験しています。あなたがこの世に生命を受けただけで誰もが幸せなのです。
 永松茂久著『喜ばれる人になりなさい』にある言葉で、永松さんの母親が意識していたことです。
①子どもに対する心配をする時間があるなら、それを自分の好きなことをやる時間に変えること。その姿を子どもに見せれば、子どもは将来そうやって楽しく生きることができる人間になると信じている。
②子どもがどんな状態であっても、お母さん自身が自分の機嫌は自分で取りながら明るく生きること。
③何があっても子どもの味方で居続けること。何があっても子どもの未来を信じること。
 どうですか。あなたが親になったらできそうですか。親として、これはすごく共感できます。ただ、実践するのは難しいところがあります。でも、記事に書いたように、娘をより大事にしたいと感じています。いつも娘の味方ですし、娘の将来を信じています。

2022.12.8

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