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さよなら芸大。もっともっと、この場所に居たかったよ。

こんにちは。
現役芸大生でなくなった、瑞野蒼人です。

昨日、大阪芸術大学の卒業式が執り行われ、私も無事に卒業証書(学位)を受け取ってまいりました。コロナ禍での2回目の卒業式になりましたが、今年は感染対策を万全にしつつ、収容制限などは緩和されてだいぶ以前のような様式に戻して開催することができました。

私も式典の中で、成績最優秀である「総代」と並ぶ今年の学科の代表「学長賞受賞者」として名前を呼んでいただきました。大きな賞状を受け取り、記念品を受け取り、卒業証書を受け取り。とりあえず、学長賞の受賞者としての仕事はこれでおしまい。そして、ひとりの芸大生としても最後の一日を過ごしてきました。やれやれ、という感じでようやく一息つけました。

式典の後は、コースやゼミが分かれたりコロナ禍に入ったりですっかり繋がりが薄くなってしまった人たちとたくさんおしゃべりをしたり、写真を撮ったり、一日中せわしなく動いてました。なんだか感傷に浸ったり、泣いてる暇なんて全然!なくて!帰った時にはへとへとでベッドに倒れ込みました。なので昨日の更新が23時過ぎになっちゃいました、すいません。


予想外だったのは、ものすごくたくさんの人に「学長賞受賞おめでとう!」とか「学長賞すごいね!!」と声をかけてもらえたこと。これがものすごく心に効きました。嬉しすぎて。気を抜けば目頭が熱くなるぐらい。

普段から友達として接している人はもちろんなんですけど、あまり繋がりのない人とかにもたくさん祝福してもらえて、そのことがやっぱりとても嬉しかったですね。普段あまり人付き合いをしたがらず、ひとりで過ごすことの方が多かった私。でも、想像以上に自分の頑張りとか努力みたいなのをみんなが見ていてくれて、認めてくれていて。そのことになんだか照れくささを感じて、でも同時に泣きそうになりました。

こんなに優しくて、幸せな場所にもっと居たい。だけどそれはできない。そんなもどかしい衝動に心が押しつぶされそうで。こんなに切ない気持ちになることは今までなかったかもしれません。やっぱりもっと、人と繋がっていたい。誰かの暖かさに触れて、自分の心も暖めたい。そんな願望が、ふと私の胸に去来しました。

でも、みんなにそんな泣き顔を見せたくなくて。できるだけ、みんなの隣で満面の笑みで写りたい。そしていつか、撮り溜めたたくさんの写真を見たとき、「この時は本当に心の底から幸せだったなぁ」という明るく楽しい思い出に変換できるようにしておきたくて。なので、泣きたい気持ちを抑えて何度も笑って、写真を撮りました。これ以上ないくらい、頬に力を入れて。表情筋がつりそうになるぐらいに。


そして今日の朝。

大学で貰って帰って来たもので散らかった部屋を多少片づけて、たくさん撮影した写真を整理して。そのあと、何をするでもなくぼーっとしてました。週末に見た映画の半券をコレクションノートに挟んでおこうと思って財布の中身を見たときにふと、いつも財布に入れていた学生証が無いということに気付いて、「もう自分が大学生ではない」という実感がほんのちょっとですが湧いてきました。

※学生証は、卒業式の日に返却しその代わりに卒業証書を受領する、というのがルールでした。なので、もうそれ以降は学生証を使ったりするのができなくなるわけです。

なんかさ、絶対ありえないしメタいこと言うけどさ、「今までのはぜんぶ夢でしたー!」って知らない誰かに夢オチ宣言されてさ、また4年前の入学式の時から始まってほしいなぁ、って一瞬思っちゃった。うん。寂しい・・・寂しいね。やっぱり。

思えば、我々は大学生活の半分を、コロナと馴れ合いながら過ごしました。芸大の肝である施設を使った実習もかなりままならないまま、未知の脅威に立ち向かいながら、それでも僕らに何ができるのか、今の僕らに何が作りだせるのか。常に自分にそう問いかけ続ける大学生活でした。コロナに対してだったり、いろんなことに対して文句を言ってしまうときもありましたが、今振り返ってみるとこんなにも創作意欲を掻き立てられる状況はないんじゃないかと思うぐらい、ハングリーで、がむしゃらにがっついていける、そんな4年間だったなと自分では思っています。

一緒に学んできたみんなへ。そして芸大へ。ここに来れたこと、ここで学んだ証を刻めたこと、本当に幸せです。ありがとうございました。そして、またいつかこの場所で会える日まで。またね!



おしまい。



瑞野蒼人、大学での軌跡。⇩


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