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水宮 水音(みずみや みずね)
2023年3月18日 13:04
たまに通る団地の公園に、一本の桜の木がある。団地じたいが古いので、桜もなかなか立派な古樹だ。季節にはわざと遠回りして寄る。その四月、スーパーの帰りに通り掛かると、水銀燈に浮かび上がる夜桜の下で激しく泣いている子どもがいた。私は駆け寄りたい衝動にかられたが……(急に知らない大人が走ってきたら怯えてしまう。何気なくゆっくり行くんだ。)いかにものんきな買い物帰りに桜を見に寄った風でぶらぶ
2022年11月11日 09:12
風の強い日。一人歩いていた。体がヨロヨロするほどの強風。ふと。前に2、3歳くらいの女の子と若いお母さんが歩いていた。女の子は強風に大はしゃぎ。帽子を飛ばされそうになってきゃあきゃあ笑ってる。ママも一緒に笑ってる。女の子が笑いながら叫んだ。「飛ばされちゃうー❗️」ママがおかしそうに言った。「ねー。飛ばされちゃったらどうしようねー」女の子はこともなげに笑って答えた。「飛ばされ
2022年7月20日 14:22
カッコつけて生きてたその心は、「見て。愛して。理解って」って意味だった。親がいない子も大勢いるし、いても奴隷やペットみたいにされてる子もね。たくさん知ってるし、私もそのうちの一人だったし。さよなら。もういい。私は私のこと愛せるようになったもの。とっても可愛がっちゃう。それまで必死こいてダイエット、美容、ファッション、お勉強、普段の立ち居振る舞いから言葉、趣味も、磨きに磨いた。
2022年3月3日 18:52
「おまえさんは、家にいるときは、なんといわれているんだね。」「あたしは、家にいるときは、名もない、つまらないものなの。でも、家の外にいるときは、だれにも、好きな人になれるのよ。おばあちゃん、おうちにいるとき、あなたはいったいどんなかたなの?」「ああ、わたしかね。わたしは、家にいれば、ちょっとした人物さ。だが、外に出れば、なんにでもなれるのさ。」(E.ファージョン『ガラスのくつ』岩波書店)