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水木三甫の心葉♡♧詩集

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心葉♡♧詩集では、心に感じたままを言葉に置き換えて表現した詩を掲載します。 まだまだ表現力不足で、うまく伝えられない未熟な僕ですが、進化していく姿を追いかけていただき、感想などを…
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2024年7月の記事一覧

悲劇(詩)

悲劇(詩)

悲劇は誰も知らないうちにやってきて
悲劇は誰も知らないうちに去っていった
悲劇の通り道は焼け野原となり
燻った煙と焦げた臭いを放っていた

一人の少年が焼け野原を歩いていた
少年はその壮絶な景色を見て
たくさんの涙をこぼしながら歩いた
少年が去ったあと
涙の落ちた場所から芽が育った
芽は広がり
やがて焼け野原を緑に染めた
しかし
少年がその景色を見ることはなかった

満員電車(詩)

満員電車(詩)

電車が息を吐くように、たくさんの人たちを押し出していく
吐いた息を取り戻そうと、今度はたくさんの人たちを吸い込む
身動きの取れない体
足の場所だけどうにか確保する
電車の揺れに合わせて、人たちも波になる
次の駅に着くまでの間に、私たちは酸素から二酸化炭素に変わってしまう
目的地に着いて、ようやく電車から吐き出され、私も自分の息を吐き出す
二酸化炭素だった私は、酸素になるヒマもなく、会社へと向かう

夕暮れ色(詩)

夕暮れ色(詩)

崩れてしまったプライドを
粘度の低い粘土で固め直していく
自己肯定感の低い自分が嫌いで
プライドの高い自分になりたくて
プライドはどんどん積まれていく
せっかく時間をかけて高く積み重ねたのに
自分の背丈よりも高く積み重ねたのに
粘度の低い粘土で出来たプライドは
再び崩れ落ちた
崩れてしまったプライドの先にあった
きれいな夕焼け空が目に飛び込んだ

除湿機能(詩)

除湿機能(詩)

湿っぽいため息ばかりついたから
エアコンの除湿ボタンを押す

嘘をついてばかりいた頃(詩)

嘘をついてばかりいた頃(詩)

嘘をついてばかりいた頃
僕は自分に自信がなかった

嘘をついてばかりいた頃
僕は自分が大嫌いだった

嘘をついてばかりいた頃
僕は嘘がバレることにいつも怯えていた

嘘をついてばかりいた頃
僕は他人に助けを求めていた

嘘をついてばかりいた頃
僕は一人ぼっちだった

嘘をついてばかりいた頃
僕にとって嘘だけが身を守る方法だった

嘘をついてばかりいた頃
僕は生きる意味を失っていた

嘘をつかなくな

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ため息の色(詩)

ため息の色(詩)

ため息をつく
ひと仕事終えたとき
ラーメンの汁を飲み終えたとき
彼女への告白が受け入れられたとき
嫌いな過去を忘れて再出発したいとき
会社の人間関係に疲れたとき
心に溜まった何かを吐き出したいとき
ため息ばかりついて嫌になったとき

ため息には明るいため息と暗いため息がある
爽やかな青だったり、満足げな赤だったり、緊張から解放された緑だったり、これからの未来を書くための純白だったり
すべてを投げ出

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