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水木三甫
2024年7月26日 08:16
悲劇は誰も知らないうちにやってきて悲劇は誰も知らないうちに去っていった悲劇の通り道は焼け野原となり燻った煙と焦げた臭いを放っていた一人の少年が焼け野原を歩いていた少年はその壮絶な景色を見てたくさんの涙をこぼしながら歩いた少年が去ったあと涙の落ちた場所から芽が育った芽は広がりやがて焼け野原を緑に染めたしかし少年がその景色を見ることはなかった
2024年7月22日 08:37
電車が息を吐くように、たくさんの人たちを押し出していく吐いた息を取り戻そうと、今度はたくさんの人たちを吸い込む身動きの取れない体足の場所だけどうにか確保する電車の揺れに合わせて、人たちも波になる次の駅に着くまでの間に、私たちは酸素から二酸化炭素に変わってしまう目的地に着いて、ようやく電車から吐き出され、私も自分の息を吐き出す二酸化炭素だった私は、酸素になるヒマもなく、会社へと向かう
2024年7月16日 07:59
崩れてしまったプライドを粘度の低い粘土で固め直していく自己肯定感の低い自分が嫌いでプライドの高い自分になりたくてプライドはどんどん積まれていくせっかく時間をかけて高く積み重ねたのに自分の背丈よりも高く積み重ねたのに粘度の低い粘土で出来たプライドは再び崩れ落ちた崩れてしまったプライドの先にあったきれいな夕焼け空が目に飛び込んだ
2024年7月13日 19:56
湿っぽいため息ばかりついたからエアコンの除湿ボタンを押す
2024年7月9日 21:39
嘘をついてばかりいた頃僕は自分に自信がなかった嘘をついてばかりいた頃僕は自分が大嫌いだった嘘をついてばかりいた頃僕は嘘がバレることにいつも怯えていた嘘をついてばかりいた頃僕は他人に助けを求めていた嘘をついてばかりいた頃僕は一人ぼっちだった嘘をついてばかりいた頃僕にとって嘘だけが身を守る方法だった嘘をついてばかりいた頃僕は生きる意味を失っていた嘘をつかなくな
2024年7月5日 06:12
ため息をつくひと仕事終えたときラーメンの汁を飲み終えたとき彼女への告白が受け入れられたとき嫌いな過去を忘れて再出発したいとき会社の人間関係に疲れたとき心に溜まった何かを吐き出したいときため息ばかりついて嫌になったときため息には明るいため息と暗いため息がある爽やかな青だったり、満足げな赤だったり、緊張から解放された緑だったり、これからの未来を書くための純白だったりすべてを投げ出