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【水鳥の歌と生活】2024年5月12日日曜〜5月18日土曜


 五月十二日日曜

 七時起床。radikoで「オードリーのオールナイトニッポン」を聴きながら朝の支度をする。

 一週間の日記をnoteに投稿する。

 仕事のBGMはスカート『CALL』にする。そういえばスカートのアルバムをちゃんと聴いたことがなかった。美しいメロディのポップソング。

 仕事を終えてPodcastで「トムブラウンのニッポン放送圧縮計画」を聴きながら温泉に行きツルヤで買い物をして家で晩酌をする。烏賊刺身、烏賊納豆、焼き鳥(ねぎま)を食べて、七笑を二合飲む。

 二十四時就寝。

烏賊納豆には海苔も合いそう

 五月十三日月曜

 七時起床。Podcastで「髭男爵山田ルイ53世のルネッサンスラジオ」を聴きながら朝の支度をする。

 出張で佐久市へ。移動中はradikoで「トムブラウンのオールナイトニッポン0」を聴く。

  ビニールが焼け溶けていくような音を立てて外では雨が降ってる
  雨粒が葉を翻す目に見えない鳥がどこかへ飛び去るように

 仕事を終えて温泉へ。湯上がりに着替えていると子供に挨拶をされ、挨拶を返す。着替えを続けているとガタンと音がして、子供が私のもとにやって来た。「ロッカーを殴った」という。「なんでそんなことしたの」と聞くと、兄に叩かれて腹が立ったからだという。「困った人だね」と返すと子供は満足したのか、望んでいた反応ではなかったのか、それ以上は何も言わなかった。

 ローソンで買い物をして家で晩酌をする。焼き鳥(もも)、ミニ冷やし中華、スモークチーズを食べて、オリオンビール350ml缶を一本飲む。

 二十四時就寝。

晩酌の冷やし中華はミニくらいでいい

 五月十四日火曜

 七時起床。radikoで「伊集院光 深夜の馬鹿力」を聴きながら朝の支度をする。

 仕事のBGMはスカート『20/20』にする。

 以前に削除したアカウントに投稿した記事に手を加え、「【読書】城山三郎『そうか、もう君はいないのか』を読んだ」という題でnoteに投稿する。

 ここ数日日中と夜、朝との寒暖差が激しかったためか、朝から喉の奥に違和感がある。明日は胃がん検診を受けてそのまま木曽の民宿に行く予定なので体調を崩したくない。このまま何事もなく喉の違和感が去ってくれると良いのだが。毎日飲んでいる水を白湯にする。

 夜は幸楽苑で味噌野菜たんめんを食べて、コインランドリーへ。

 酒を飲むこともできないし夜になって水洟がとめどなく流れるようになってきた。早めの二十二時頃に就寝。

野菜がいっぱいだから体に良い

 五月十五日水曜

 六時三十分起床。結局喉に落ち続ける水洟で喉が荒れて何度も覚醒しながらの眠りだった。とにかく胃がん検診を受けに近所の公民館へ。

 初めてのバリウム検査。確かにバリウムは美味しくないし喉を通りにくい重たい液体と言う感じがする。発泡剤は思ったより辛くなかった。可動式の台の上で指示の通りに寝返ったりするのは、こういうアトラクションだと思って素直に従う。滞りなく検査を済ませ、家に帰って下剤を飲む。

 午前中は家で水を飲んだりトイレに行ったりする。白っぽい便は出るが全て出たという感じはしない。ただ便意はそこまで急激なものではなさそうなので、正午頃に家を出る。

 radikoで「爆笑問題カーボーイ」を聴きながら木曽に向けて車を走らせる。途中のセブンイレブンでアイスコーヒーとアメリカンドッグを買って昼食にする。

 木曽に入り、道の駅でバリウムを排出し、とうもろこしのソフトクリームを食べる。

 一日目はバリウムのこともありどこに行くかは具体的に決めていなかったのだが、寝ざめの床という自分好みの渓谷が近くにあるのでそこに行くことにする。

 寝ざめの床の入り口は臨川寺という寺で、境内には浦島太郎伝説にまつわるものなどの古道具が展示されている宝物館や亀を祀った祠などがある。中央本線の線路の下を河原に降りると幾つもの大きな岩に囲まれた深い流れが現れる。岩伝いに歩いていくと流れを見下ろすように立つ大きな岩の上で若い男女が立って抱き合いながら写真を撮っていた。SNSに投稿するのだろう。いつまでもそうしている。その場所が空くのを待つのだろうか、付近にも若い女性の二人づれ、外国から来たらしい男女が岩に座っている。私は人を避けるように人の居ない方を選んで奥に奥に進んでいく。美しい自然はできるだけ一人で眺めたいのだ。

  景勝地と言われて来れば人間が我が物顔で居座っている

  子供の頃は川でばかり遊んでいたからか、岩から岩を飛び歩いて川を眺めているうちに鼻の詰まりが少し良くなる。体が活性化したような感覚だ。

 チェックインの時間が近づいたので宿へ。部屋に荷物を下ろしてお茶を淹れて飲む。しきりに雉の声がするのが山間の宿という感じがして良い。

  投宿の我をもてなせ雉の声

 風呂に入ってから食堂で夕食。自家製だという野菜を使ったサラダや煮物、漬物、陶板焼き、山菜の天ぷらやおひたし、岩魚の塩焼き、手作りの濁酒などのメニューをアサヒスーパードライの大瓶二本を飲みながら食べる。

 部屋に戻ってお茶を飲みながら山岸外史『詩と真実』を読む。読んでいるうちに外では雨が降り出す。

  この宿はトタンの屋根で遠慮がちに降り出した雨を聞き逃さない
  古宿の柱時計が少しだけ早く鳴るのをiPhoneで知る

 空気で加圧するマッサージ機「ゴリラのひとつかみ」でふくらはぎをほぐして二十三時頃就寝。

旅の楽しみ

 五月十六日木曜

 六時三十分起床。水洟はまだ出るものの少し眠りやすくなってきた。喉は相変わらず荒れている。外では郭公と雉が鳴いている。

 食堂で朝食。ハムエッグや鮭塩焼き、漬物、味噌汁などで白米を食べる。自家製パンも出してくれて、ホットコーヒーを飲みながら食べる。

 風呂に入って部屋に戻る。前日に撮った写真をまとめてnoteに投稿する。前夜から読み始めた山岸外史『詩と真実』の続きを読み、読み終える。朝から強く弱く振り続けていた雨が上がったのを機にチェックアウトして宿を出る。

 まずは福島宿の七笑酒造へ。七笑は紙パックのデザインが白と朱色を基調にしていて、子どもの頃家に常備されていた「信州農協牛乳」を彷彿とさせることから愛飲するようになった。味も、純米酒ではないのだが米の旨味を感じて好きだ。それでいて甘すぎないので合わせる肴を選ばない。ここは直営店だけあって普段買っているスーパーでは見ないようなものが沢山ある。にごり酒、原酒、徳利、ふき味噌、とんがら味噌を購入する。

 七笑酒造から駐車場までの間に豆腐屋があったので入る。私は豆腐屋で売られているドーナツが好きで、豆腐屋を見つけるたびに入ってみるのが習慣になっている。この店ではドーナツは無かったが、豆乳を使ったパンナコッタが売られていた。プレーンのパンナコッタと豆乳を購入する。

 それにしても、朝まで雨が降っていたというのに木曽川の水は驚くほど透明だ。こんな川が生活圏にあったら気持ちがいいだろうなと思う。雨上がりの青空も相まって爽やかな光景。

 豆乳を飲み、radikoで「山里亮太の不毛な議論」を聴きながら飛騨大鍾乳洞を目指す。まだ雪を被っている御嶽山や飛騨街道に沿って長く伸びる巨大な高根乗鞍湖を横目に車を走らせる。

 時間が正午近くなり昼食にしようと立ち寄った道の駅で、私と同時にトイレに入った調理師らしき白帽を被りエプロンを着けた中年男性が手を洗わずに出ていくのを見る。さすがにそのあとに食堂に行く気にはならず、もう少し先の道の駅でよもぎうどんの天ざるを食べる。

 飛騨大鍾乳洞に着く。この辺りには両面宿儺伝説がありしきりに幟が立っていたり両面宿儺の像が祀られている。何か聞き覚えのある名だと思いよくよく考えたら、昔ネットの怪談というか都市伝説というかに「リョウメンスクナ」という話があり読んだことがあったのだった。それは呪いの話だったと思うのだが、ここに祀られている両面宿儺というのは超人というか、阿修羅みたいな見た目の凄いやつなんだけど人民に迷惑をかけるから仁徳天皇が退治を命じたという話だった。

 受付で料金を払ってさあ鍾乳洞だと思ったら、まずこの鍾乳洞を発見した大橋外吉という人のコレクションの展示がある。世界の陶器や鉱物、美術作品など大量多岐に渡り、一角獣の骨など興味深いものもあるのだが、見ていくうちに成金趣味だという印象が強くなり宝の山を横目に足早に過ぎる。

 ようやく入った鍾乳洞はとても良かった。気が遠くなるような時間をかけた自然の風化でこのような空間ができあがるという不思議。岩の切れ目の深い穴からは蝙蝠が出入りしていて、まだここが自然の一部として息づいていることを感じさせる。他の鍾乳洞にも行ってみたいと思った。

 鍾乳洞を出て土産屋でソフトクリームを食べて帰路に就く。ナビの通りに車を走らせていたら安房峠というのが冬季閉鎖で五月末まで通れないという。仕方がないので有料道路を使うことにする。交差点を有料道路の方向へ曲がったすぐの場所で外国からの旅行者らしい人がヒッチハイクをしているのを見かけるが、前後に車がいてその場所に車を停めてくれる人はほぼ居ないのではないかと思いつつ、私も通り過ぎる。radikoで「東京ポッド許可局」を聴くなどしてひたすら車を走らせる。

 地元に帰り、温泉に入り、ツルヤで買い物をして家で晩酌をする。鮪と烏賊の刺身、冷奴、胡瓜を食べて七笑を徳利で二本飲む。七笑の徳利は水を入れて計ったところ、約250ml入るらしい。二本で500ml、大体三合弱だ。

 この日撮った写真をまとめてnoteに投稿する。

 水洟はだいぶ良くなってきたが喉が痛み、咳が出るようになってきた。それでも症状が変化しているということは快方に向かっているのだろうと思い、この日も早めに二十二時過ぎに就寝。

七笑酒造での戦利品

 五月十七日金曜

 七時起床。radikoで「おぎやはぎのメガネびいき」を聴きながら朝の支度をする。

 仕事のBGMはYouTube Musicの自作プレイリスト「Fela Kuti」にする。

 電気グルーヴ35周年ツアーのチケット当選のメールがくる。九月まで生きる楽しみができた。一緒に行くことになった行きつけの美容室の店長に知らせると、わざわざチケット代を渡しに来てくれる。

 夜は温泉に行きツルヤで買い物をして家で晩酌をする。鮪と鰹の刺身、冷奴、胡瓜を食べて七笑を徳利一本飲む。

 以前に削除したアカウントに投稿した記事に手を加えた「【読書】池内規行『評伝・山岸外史』を読んだ」「【読書】山岸外史『芥川龍之介』を読んだ」の二本と、前日に読み終えた本の感想「【読書】山岸外史『詩と真実』を読んだ」をnoteに投稿する。

 二十四時就寝。

冷奴には梅なめ茸を乗せて

 五月十八日土曜

 七時起床。まだ鼻は詰まるし時々咳は出るが確実に快方に向かっている。

 radikoで「バナナマンのバナナムーンGold」を聴きながら朝の支度をする。

 仕事のBGMはスカート『トワイライト』にする。

 以前に削除したアカウントに投稿した記事に手を加えた「【読書】坂口綱男『安吾と三千代と四十の豚児と』を読んだ」「【読書】木村弘一『安吾と檀(日本短編小説叢書)』を読んだ」の二本をnoteに投稿する。

 夜は昔の職場でお世話になったKさんが長野に旅行に来るということで一緒に酒を飲むために市街へ。地酒を多く揃えている居酒屋で、きのこおろし、馬刺し、焼き鳥、野沢菜漬けをつまみながら飲む。一合ずつ地酒を頼んでいくのだが、何を何合飲んだかは覚えていない。メモでもしておけば良かった。Kさんとは酒の話、旅行の話、昔の職場の話などをして盛り上がる。

 居酒屋が閉店時間になり、終電まではまだ時間があるのでKさんといつものビアバーにも顔を出す。クラフトビールを二杯飲み、Kさんや居合わせた常連さんと談笑する。

 水を飲み、Podcastで「アンガールズのジャンピン」を聴きながら終電で帰る。

  幸福では何だ私が幸せな時に他人は欠伸している
  酒を飲む喉の動きが本当に言いたいことを飲んでしまった

 二十四時過ぎに就寝。

何も写真を撮っていなかったので七笑のマッチを

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