水鳥葛(mizudori kuzu)

一週間ごとの日記と短歌(時々俳句も)を主に投稿しています。日本近代文学、特に太宰治や坂口安吾、檀一雄といった無頼派についての記事も書きます。音楽やお笑いの話題も少々。お酒も飲みます。時々ちいさな旅をします。 お便りはacidmongoloidman303@gmail.comまで。

水鳥葛(mizudori kuzu)

一週間ごとの日記と短歌(時々俳句も)を主に投稿しています。日本近代文学、特に太宰治や坂口安吾、檀一雄といった無頼派についての記事も書きます。音楽やお笑いの話題も少々。お酒も飲みます。時々ちいさな旅をします。 お便りはacidmongoloidman303@gmail.comまで。

マガジン

  • 檀一雄全集を読む

    新潮社版の『檀一雄全集』を一巻から読んでいってその感想を書いていこうと思います。

  • 水鳥の歌と生活

    水鳥葛の日記と短歌、時々俳句を書いていきます。

  • 水鳥の本棚

    読んだ本についての記録と感想を書いていきます。

  • ひとりごちる水鳥

    あれこれと考えたことを書いていきます。随筆やエッセイや、もっと取り留めのないものも。

  • 水鳥のアルバム

    旅や散歩などで撮った写真をまとめたアルバムを投稿していきます。

最近の記事

【檀一雄全集を読む】第一巻「母の手」

 檀一雄は母親のことを度々書いている。檀は六歳の時に父の転勤のために両親から離れて母方の祖父母が住む野中、現在の福岡県久留米市に預けられた。翌年にはまた父の転勤のために栃木県足利市で両親と暮らすようになるのだが、さらに翌年には母の実父が亡くなり、実家の整理のために今度は母が野中に滞在するようになる。そのまた翌年、檀が九歳の時に母は弟の看病の際に知り合った医大生と出奔する。そのまま檀は二十一歳になるまで(作中では二十三年と書いているが実際は二十一年)再び母と会うことが無かった。

    • 【水鳥の歌と生活】2024年11月10日日曜〜11月16日土曜

       十一月十日日曜  六時過ぎに起床。radikoで「オードリーのオールナイトニッポン」を聴きながら朝の支度をする。   急速に草木は色を失って鷺もどこかへ行ってしまった  一週間の日記をnoteに投稿する。  仕事のBGMはDonovanの六十年代のアルバム『What's Bin Did and What's Bin Hid』『Fairytale』『Sunshine Superman』『Mellow Yellow』『A Gift from a Flower to a

      • TakeshiGPT(ビートたけしを模倣するChatGPT)にいろいろ聞いてみた

        水鳥:「あんちゃん、オイラはよお」から始まるビートたけしが言いそうな名言を書いてください。 ChatGPT:「あんちゃん、オイラはよお、人生なんてのは、失敗して転んで、その転んだ先で拾った石が宝石だったって気づくもんだと思うんだよな。だけどさ、拾った宝石を磨くか捨てるかは自分次第なんだよ。笑って磨くやつが、最後に勝つんだよな。」 水鳥:このビートたけしの口調で村上春樹の小説を批評してください。 ChatGPT:「あんちゃん、オイラはよぉ、村上春樹の小説ってのはな、なんつ

        • 【檀一雄全集を読む】第一巻「吉野の花」

           時代物の小説だ。資朝卿(日野 資朝/ひの すけとも)の話で、鎌倉時代の後期に中流貴族の家に生まれながら才覚で公家まで昇り詰めたものの、六波羅探題に倒幕計画を疑われ、捕縛されて審理の結果佐渡への流刑となった人物らしい。  その資朝を慕う旅の法師と訪れた草庵の庵主とで、資朝の思い出話をするという話だ。なんだか太宰治の「右大臣実朝」を彷彿とさせる。  「吉野の花」は昭和十七年に発表され、「右大臣実朝」は昭和十八年に発表されている。そうすると、満洲から帰国して太宰に会った際

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        • 檀一雄全集を読む
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        • 水鳥の歌と生活
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        • ひとりごちる水鳥
          7本
        • 水鳥のアルバム
          21本
        • 近代文学の話
          13本

        記事

          【水鳥の歌と生活】2024年11月3日日曜〜11月9日土曜

           十一月三日日曜  六時過ぎに起床。radikoで「オードリーのオールナイトニッポン」を聴きながら朝の支度をする。  一週間の日記をnoteに投稿する。  仕事のBGMはThe Durutti Column『Idiot Savants』にする。  午前中は仕事が無かったので、牛乳石鹸デザインのブックカバーを配布している本屋へ。先日読み終えた町田康訳『宇治拾遺物語』がおもしろかったので、同じ日本文学全集シリーズから文庫化されたいしいしんじ訳『義経千本桜』、伊藤比呂美訳

          【水鳥の歌と生活】2024年11月3日日曜〜11月9日土曜

          【読書】岡崎武志『駄目も目である 木山捷平小説集』を読んだ

           巻末の解説で編者が書いている通り、本書は木山捷平の全貌を表すというよりも、生活も仕事も安定した時期の身辺小説を中心にして編まれている。  そのため内容としては本当に些細な物や人についての思い出や、散歩や貸家探し、買い物といった徘徊がほとんどで、どの小説も同じような内容と言ってしまえば言えるかもしれない。  ただその同じような話にはなんとも言えない滋味があって、それは飄々とした文体のせいなのか、木山捷平その人のキャラクターのせいなのか、わからないが、なんでもない生活にある

          【読書】岡崎武志『駄目も目である 木山捷平小説集』を読んだ

          ChatGPTに自分のエッセイを批評してもらった

          はじめに 私が以前noteに投稿したエッセイに「カルボのこと」というものがあります。  これは私が大学生の頃にアルバイトをしていたリサイクルショップで知り合ったウガンダ人、カルボとの思い出を書いたもので、おそらく一年にも満たない交流の中でのエピソードを思い出しながら、今彼はどうしているだろうと、彼に手紙を送るような気持で書き進めました。自分では結構気に入っているエッセイです。  さてその気に入っているエッセイについて、当然のことながら他者に批評をしてもらうという機会に恵

          ChatGPTに自分のエッセイを批評してもらった

          【檀一雄全集を読む】第一巻「冬の瓦」

           満州から帰国し、最初の妻律子と結婚して石神井公園池畔の借家に住むようになってから始めて発表した小説。  おそらくほぼ事実に即した私小説で、実母の新たな嫁ぎ先の弟で自分と同じ名前の一夫と韓国の仏国寺を旅した時のことが語られている。  結婚したことがきっかけだったのか、坂口安吾との交友が復活し、安吾の「吹雪物語」の失敗以降の平明で落ち着いた文体や豪放な人柄の影響なのか、「魔笛」以前とは明らかに文体が変わっている。観念的で冗長な語りは息をひそめ、落ち着いた文体で自分が見つ

          【檀一雄全集を読む】第一巻「冬の瓦」

          【水鳥の歌と生活】2024年10月27日日曜〜11月2日土曜

           十月二十七日日曜  二度寝して七時過ぎに起床。radikoで「オードリーのオールナイトニッポン」を聴きながら朝の支度をする。  一週間の日記をnoteに投稿する。  仕事のBGMはThe Durutti Column『Someone Else's Party』にする。  午前中は仕事が無かったので職場の周辺を歩く。轢かれたヤマカガシを見る。数日前にも見た気がする。やはり蛇が多い。歩きながらradikoで「東京ポッド許可局」を聴く。   行き違う烏緊張しなくていい

          【水鳥の歌と生活】2024年10月27日日曜〜11月2日土曜

          【檀一雄全集を読む】第一巻「魔笛」

           昭和十七年に満州の寛城子でロシア人バウスの家に間借りしながら書いた小説で、同年満州の『芸文』という雑誌に発表した。  主人公Dは招待されたJ町の邸宅を訪れる。その邸の主人は亡き兄の遺したこの土地と邸が人手に渡ることになったので、兄を知る人々を招き兄の思い出を語りたいと言い、自らの思い出を話し始める。  その思い出話というのがなんというか、詩のような神話のような、美しく意味ありげなんだけどよくはわからない感じで、自然の中に高貴な兄と静かに過ごした日々の寂しさと美しさという

          【檀一雄全集を読む】第一巻「魔笛」

          【水鳥の歌と生活】2024年10月20日日曜〜10月27日土曜

           十月二十日日曜  六時過ぎに起床。radikoで「オードリーのオールナイトニッポン」を聴きながら朝の支度をする。  一週間の日記をnoteに投稿する。   苦しみが見えるようだよ呪わしい人生だよねブロックするね  仕事のBGMはThe Durutti Column『Dry』にする。  夜はツルヤで買い物をして家で晩酌をする。鰹と鮪の刺身、冷奴を食べて七笑を二合飲む。   労働を終えて大きな月を見た駐車場には黒猫が居た   寂しいな寂しいんだな人情を否定しない

          【水鳥の歌と生活】2024年10月20日日曜〜10月27日土曜

          【檀一雄全集を読む】第一巻「漆黒の天国」

           昭和十二年に日中戦争の動員令を受けて軍隊に入った檀一雄は昭和十五年に召集解除となるが、再度の召集を逃れるために満州に渡る。昭和十六年にその満州で書かれたのがこの小説だ。  自らを「帝王」と呼ぶ烏の視点でイエス・キリストの登場から磔までを見るという話で、この小説が発表された前年にはユダの視点からイエス・キリストを語る太宰治「駈込み訴え」が発表されている。檀の「小説 太宰治」によると、のちに檀は太宰に「位階という題で実朝を書こうと思っている」と伝えたところ「俺も書くんだ、実

          【檀一雄全集を読む】第一巻「漆黒の天国」

          【水鳥の歌と生活】2024年10月13日日曜〜10月19日土曜

           十月十三日日曜  六時過ぎに起床。radikoで「オードリーのオールナイトニッポン」を聴きながら朝の支度をする。やはり前日のラブレターズのキングオブコント優勝に触れていた。  一週間分の日記をnoteに投稿する。  仕事のBGMはThe Durutti Column『Another Setting』にする。  仕事の合間に職場の周辺を歩く。歩きながらPodcastで「アンガールズのジャンピン」「トムブラウンのニッポン放送圧縮計画」を聴く。  夜はデリシアで買い物を

          【水鳥の歌と生活】2024年10月13日日曜〜10月19日土曜

          【読書】町田康訳『宇治拾遺物語』を読んだ

           十一世紀、平安時代に成立した「宇治大納言物語」は大納言、源隆国が聞き集めた話を集めた全十四巻の説話集で、そのアウトテイク集のようなものとして作られたと思われるのが「宇治拾遺物語」ということらしい。  本書はその宇治拾遺物語を町田康が現代語訳したもので、元々は二〇二〇年三月二十七日に発行された池澤夏樹個人編集『日本文学全集』(全三十巻)の第一巻『日本霊異記/今昔物語/宇治拾遺物語/発心集』の中で町田が担当した「宇治拾遺物語」を抜き出して河出文庫から発行したものだ。  『日

          【読書】町田康訳『宇治拾遺物語』を読んだ

          【檀一雄全集を読む】第一巻「樹々に匐う魚」

           水沢あきの幼少期から教師になっての日々を描いた話。あきは母親が二人いる家で育った。十五歳の夏休みに父親が亡くなり、母、母の一人は出奔した。もう一人の肺病の母も亡くなり、あきはその母の弟に預けられることになった。  このように特殊な環境で明確な愛情をかけられることなく、二年遅れて入った学校では同級生と交わることもなく、教師の命令で自分を鞭打つ組長甲野五郎に密やかな恋をする。その思い出から、のちに教師になったあきは目をつけた男女の生徒を執拗に鞭打ち、そのあとでは家に呼んで一

          【檀一雄全集を読む】第一巻「樹々に匐う魚」

          【水鳥の歌と生活】2024年10月6日日曜〜10月12日土曜

           十月六日日曜  六時過ぎに起床。radikoで「オードリーのオールナイトニッポン」を聴きながら朝の支度をする。  一週間の日記をnoteに投稿する。  仕事のBGMはFLIPPER'S GUITAR『CAMERA TALK』にする。  夕食はradikoで「永野のオールナイトニッポン」を聴きながら職場でパスタにバジルソースを絡めて食べる。永野の話は本音を話そうとしているからこその不安定さがあって良い。いや、本音では無いかもしれないが、人々が当然のように信じているも

          【水鳥の歌と生活】2024年10月6日日曜〜10月12日土曜