水鳥葛(mizudori kuzu)

一週間ごとの日記と短歌(時々俳句も)を主に投稿しています。日本近代文学、特に太宰治や坂…

水鳥葛(mizudori kuzu)

一週間ごとの日記と短歌(時々俳句も)を主に投稿しています。日本近代文学、特に太宰治や坂口安吾、檀一雄といった無頼派についての記事も書きます。音楽やお笑いの話題も少々。お酒も飲みます。時々ちいさな旅をします。 お便りはacidmongoloidman303@gmail.comまで。

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  • 水鳥の歌と生活

    水鳥葛の日記と短歌、時々俳句を書いていきます。

  • 檀一雄全集を読む

    新潮社版の『檀一雄全集』を一巻から読んでいってその感想を書いていこうと思います。

  • 水鳥の本棚

    読んだ本についての記録と感想を書いていきます。

  • 水鳥のアルバム

    旅や散歩などで撮った写真をまとめたアルバムを投稿していきます。

  • 近代文学の話

    近代文学や近代文学作家についての記事を投稿していきます。

最近の記事

【水鳥の歌と生活】2024年10月27日日曜〜11月2日土曜

 十月二十七日日曜  二度寝して七時過ぎに起床。radikoで「オードリーのオールナイトニッポン」を聴きながら朝の支度をする。  一週間の日記をnoteに投稿する。  仕事のBGMはThe Durutti Column『Someone Else's Party』にする。  午前中は仕事が無かったので職場の周辺を歩く。轢かれたヤマカガシを見る。数日前にも見た気がする。やはり蛇が多い。歩きながらradikoで「東京ポッド許可局」を聴く。   行き違う烏緊張しなくていい

    • 【檀一雄全集を読む】第一巻「魔笛」

       昭和十七年に満州の寛城子でロシア人バウスの家に間借りしながら書いた小説で、同年満州の『芸文』という雑誌に発表した。  主人公Dは招待されたJ町の邸宅を訪れる。その邸の主人は亡き兄の遺したこの土地と邸が人手に渡ることになったので、兄を知る人々を招き兄の思い出を語りたいと言い、自らの思い出を話し始める。  その思い出話というのがなんというか、詩のような神話のような、美しく意味ありげなんだけどよくはわからない感じで、自然の中に高貴な兄と静かに過ごした日々の寂しさと美しさという

      • 【水鳥の歌と生活】2024年10月20日日曜〜10月27日土曜

         十月二十日日曜  六時過ぎに起床。radikoで「オードリーのオールナイトニッポン」を聴きながら朝の支度をする。  一週間の日記をnoteに投稿する。   苦しみが見えるようだよ呪わしい人生だよねブロックするね  仕事のBGMはThe Durutti Column『Dry』にする。  夜はツルヤで買い物をして家で晩酌をする。鰹と鮪の刺身、冷奴を食べて七笑を二合飲む。   労働を終えて大きな月を見た駐車場には黒猫が居た   寂しいな寂しいんだな人情を否定しない

        • 【檀一雄全集を読む】第一巻「漆黒の天国」

           昭和十二年に日中戦争の動員令を受けて軍隊に入った檀一雄は昭和十五年に召集解除となるが、再度の召集を逃れるために満州に渡る。昭和十六年にその満州で書かれたのがこの小説だ。  自らを「帝王」と呼ぶ烏の視点でイエス・キリストの登場から磔までを見るという話で、この小説が発表された前年にはユダの視点からイエス・キリストを語る太宰治「駈込み訴え」が発表されている。檀の「小説 太宰治」によると、のちに檀は太宰に「位階という題で実朝を書こうと思っている」と伝えたところ「俺も書くんだ、実

        【水鳥の歌と生活】2024年10月27日日曜〜11月2日土曜

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          【水鳥の歌と生活】2024年10月13日日曜〜10月19日土曜

           十月十三日日曜  六時過ぎに起床。radikoで「オードリーのオールナイトニッポン」を聴きながら朝の支度をする。やはり前日のラブレターズのキングオブコント優勝に触れていた。  一週間分の日記をnoteに投稿する。  仕事のBGMはThe Durutti Column『Another Setting』にする。  仕事の合間に職場の周辺を歩く。歩きながらPodcastで「アンガールズのジャンピン」「トムブラウンのニッポン放送圧縮計画」を聴く。  夜はデリシアで買い物を

          【水鳥の歌と生活】2024年10月13日日曜〜10月19日土曜

          【読書】町田康訳『宇治拾遺物語』を読んだ

           十一世紀、平安時代に成立した「宇治大納言物語」は大納言、源隆国が聞き集めた話を集めた全十四巻の説話集で、そのアウトテイク集のようなものとして作られたと思われるのが「宇治拾遺物語」ということらしい。  本書はその宇治拾遺物語を町田康が現代語訳したもので、元々は二〇二〇年三月二十七日に発行された池澤夏樹個人編集『日本文学全集』(全三十巻)の第一巻『日本霊異記/今昔物語/宇治拾遺物語/発心集』の中で町田が担当した「宇治拾遺物語」を抜き出して河出文庫から発行したものだ。  『日

          【読書】町田康訳『宇治拾遺物語』を読んだ

          【檀一雄全集を読む】第一巻「樹々に匐う魚」

           水沢あきの幼少期から教師になっての日々を描いた話。あきは母親が二人いる家で育った。十五歳の夏休みに父親が亡くなり、母、母の一人は出奔した。もう一人の肺病の母も亡くなり、あきはその母の弟に預けられることになった。  このように特殊な環境で明確な愛情をかけられることなく、二年遅れて入った学校では同級生と交わることもなく、教師の命令で自分を鞭打つ組長甲野五郎に密やかな恋をする。その思い出から、のちに教師になったあきは目をつけた男女の生徒を執拗に鞭打ち、そのあとでは家に呼んで一

          【檀一雄全集を読む】第一巻「樹々に匐う魚」

          【水鳥の歌と生活】2024年10月6日日曜〜10月12日土曜

           十月六日日曜  六時過ぎに起床。radikoで「オードリーのオールナイトニッポン」を聴きながら朝の支度をする。  一週間の日記をnoteに投稿する。  仕事のBGMはFLIPPER'S GUITAR『CAMERA TALK』にする。  夕食はradikoで「永野のオールナイトニッポン」を聴きながら職場でパスタにバジルソースを絡めて食べる。永野の話は本音を話そうとしているからこその不安定さがあって良い。いや、本音では無いかもしれないが、人々が当然のように信じているも

          【水鳥の歌と生活】2024年10月6日日曜〜10月12日土曜

          【檀一雄全集を読む】第一巻「逗留客」

           この全集で初めて読んだ小説だ。解題にも「本全集において初収録」と書かれている。初出は保田與重郎らが刊行していた同人誌『コギト』とのこと。  おそらく明確なあらすじを作らずに書いていったものと思われる。はじめは赤木剛造という実業家が女性関係の不始末のために温泉宿に逃げるように逗留するという話が書かれ、そしてその温泉宿に逗留している他の客がそれぞれ紹介され、さて彼らの間に何事か起こるのか、というところで唐突に終わってしまう。  もしかしたらあらすじはあったが最後まで書き

          【檀一雄全集を読む】第一巻「逗留客」

          【水鳥の歌と生活】2024年9月29日日曜〜10月5日土曜

           九月二十九日日曜  六時過ぎに起床。radikoで「オードリーのオールナイトニッポン」を聴きながら朝の支度をする。  一週間の日記をnoteに投稿する。  仕事のBGMはGo Go Penguin『A Humdrum Star』にする。  Podcastで「トムブラウンのニッポン放送圧縮計画」を聴きながら帰る。途中のセブンイレブンで買い物をして家で晩酌をする。餃子、ヤムニョムチキン、キムチ奴を食べて、サントリートリプル生500ml缶を一本飲む。  二十三時過ぎに就

          【水鳥の歌と生活】2024年9月29日日曜〜10月5日土曜

          【檀一雄全集を読む】第一巻「夕張胡亭塾景観」

           この小説は第二回芥川賞の候補作になった。冒頭に掲げられた句「歯こぼれし口の寂さや三ッ日月」は実際に檀一雄が太宰治に送った葉書に書かれていたものらしく、その葉書の内容は差出人を黒田重治と変えながら太宰の小説「虚構の春」に挿入されていると檀が「小説 太宰治」で明かしている。  物語は「志士ともつかず、俳諧の宗匠ともつかず」に胡亭が開いた塾を舞台に、肺病の弟子真吾とその恋人綾、海外を旅して周り一時的に返ってきた小弥太とその息子圭介といった人々の交流が描かれている。  胡亭と小

          【檀一雄全集を読む】第一巻「夕張胡亭塾景観」

          【水鳥の歌と生活】2024年9月22日日曜〜9月28日土曜

           九月二十二日日曜  七時過ぎに起床。吐くほどではないが多少酒が残っている。体は重いが仕事はできるだろうという状態。危なかった。一日飲み続けではあったが合間合間で水を飲んでいたのが良かったのだろう。  radikoで「バナナマンのバナナムーンGold」を聴きながら朝の支度をする。  仕事のBGMはThe Cyrkle『Red Rubber Ball』にする。  仕事を終えてから一週間の日記をnoteに投稿する。流石に朝には間に合わなかった。radikoで「オードリー

          【水鳥の歌と生活】2024年9月22日日曜〜9月28日土曜

          【檀一雄全集を読む】第一巻「花筐」

           一応榊山が主人公ということになるんだろうか。個性的な男二人の間で純粋な男が振り回されながら成長していく話として、なんとなく太宰治「ダス・ゲマイネ」を連想する。「ダス・ゲマイネ」は昭和十年に発表され、「花筐」は昭和十一年に発表されている。  これだけ見ると「花筐」は「ダス・ゲマイネ」の影響を強く受けているように思えるが、「花筐序」は「ダス・ゲマイネ」より二ヶ月早く発表されていることを考えると、長篇としての「花筐」はまた違う形だったんだろうとも思う。  長篇「花筐」の構想で

          【檀一雄全集を読む】第一巻「花筐」

          【檀一雄全集を読む】第一巻「花筐序」

           「花筐」は元々長篇の構想だったものの、この「花筐序」のあとに発表した「夕張胡亭塾景観」が第二回芥川賞の候補となり、候補者として文藝春秋に小説を依頼されたため急いで書いた「花筐」は短篇になってしまった。  そのためこの「花筐序」は登場人物こそほぼ同じではあるものの、ここで書かれる「花筐」の構想は実際に発表された「花筐」とはかなり異なる。  この「花筐序」で書かれる「花筐」の構想は、某教授(発表された「花筐」では講義中に鵜飼や吉良、榊山に席を立たれる山内教授にあたる)がまと

          【檀一雄全集を読む】第一巻「花筐序」

          【水鳥の歌と生活】2024年9月15日日曜〜9月21日土曜

           九月十五日日曜  六時過ぎに起床。Podcastで「大吉ポッドキャスト いったん、ここにいます!」「アンガールズのジャンピン」「トムブラウンのニッポン放送圧縮計画」を聴きながら朝の支度をする。  短歌マガジン(次世代短歌)のお題で短歌を書く。   あなたにもわかることばをえらびながらわたしのことをかくしてはなす(ひらがなのみの短歌)   オツベルは最後の行がいいね「おや、 川へはいっちゃいけないったら」(「」(空白)を詠み込んだ短歌)  一週間の日記をnoteに

          【水鳥の歌と生活】2024年9月15日日曜〜9月21日土曜

          【檀一雄全集を読む】第一巻「帰心」

           淫蕩の血を自覚する主人公吉田健作は妻子を国許に残し東京に暮らす日本画家で、場末の酒場で拾った喜美と暮らしているが、ふいに帰郷する気になり、ついてきた喜美を駅前の宿に預けて家に帰る。  この作品が発表された昭和十一年は太宰との交友がピークに達しほとんど行動を共にしていた時期で、同居する妹にと国許から送られてきた着物を質に入れて金を作り私娼街に通っていた。そういう生活への悔恨と苛立ちが込められているように思える。  「衰運」に比べると話の筋は通っていてぐっと読みやすい。ただ

          【檀一雄全集を読む】第一巻「帰心」