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ネゴシエーター (vol 170)

「敵に勝ったと思ったときは負けている」

社内の議論に勝ち負けを持ち込みたくないですが、交渉事では相手の合意や賛同を得られなければ負けです。

自分が進めたい投資、プロジェクト、イベント。会社の中で自分のやりたい活動に協力してほしいとき、賛同者を引き入れたり、上司の承認をもらったりすることは不可欠です。海外拠点の活動では、日本本社の合意を取り付ける、といった事も必要になります。
こうした時のコミュニケーションは、「交渉」と言えるでしょう。

交渉の時、自分の意見をまくしたてるだけでは合意形成できないですよね。
まずは、相手に議論の土俵に上がってもらう。
提案をして、相手の反応をみたり、意見を聞く。
更に議論を深めて、すこしずつ、自分の持っている方向性賛同をもらう。
自分のことだけでなく、相手のメリットを話しながら交渉を続ける。

相手が土俵から降りないように、交渉が途切れないようにしなければ、議論や交渉が終わってしまう可能性もあります。
最後まで粘り強く、しっかり話を聴いて、相手と波長を合わせる。

映画の様に人命がかかったり、カーチェイスがあるわけではありませんが、自分がネゴシエーターを演じ切ることができなければゲームオーバーです。

ところが実際の会社内の議論を観察してみると、
  ネゴシエーターを演じている人はどれくらいいるでしょうか?
残念ながら、お互いが自己の主張を張り手のように繰り出すだけで、合意に至らず、結局頬を腫らして気まずい雰囲気が残る事も少なくありません。

日本本社に、拠点の都合だけを話したのではプロジェクトや投資の承認をもらうことはできないでしょう。
かといって、愚痴を言って終り、と言うわけにもいきません。

自分の目指すゴールをしっかり認識して、相手の話を聴く譲るべきところはあるか、第三のアイデアに発展できないか、柔軟対応する姿勢が必要です。

一段高い視点で「自分はネゴシエーターを演じきれているだろうか」そんな自己観察ができるようになると、交渉の勝率も上がるはずです。

Have you seen the movie The Negotiator?
The actor needs to negotiate with a villain who is holding hostages. The objective is to rescue the hostage.
While satisfying the villain's unreasonable demands, he pull the criminal into his logic.
This is the skill required of a negotiator.
If he can't meet the demands of the criminal, or if his logic is not understood by the one, the hostage will be killed and it means “The End”.
Negotiator skills are also required in our business negotiations.
If you were a negotiator, what style would you use to confront your opponent?
What kind of logic do you build to achieve your goals?
ネゴシエーターという映画を観ましたか?
人質を取っている悪役と交渉をする。目的は人質の救出です。
無理難題を言う悪役の要求を満たしつつ、自分の論理に相手を引き込む。
ネゴシエーターに求められるスキルです。
相手の要求に応えられない、自分の論理が相手に賛同されなければ、人質が殺され、ジ・エンドです。
我々のビジネスの交渉でもネゴシエーターのスキルが求められます。
あなたがネゴシエーターなら、どの様なスタイルで相手と対峙しますか?
目的を達成するために、どの様な論理を組み立てますか?

カナダはもとより海外拠点のスタッフには「日本流の根回し」の感覚はなかなか伝わりません。その意味では真っ向勝負での交渉術を学ぶ必要もありそうです。
根回しはできなくても、
  「相手にとって分かりやすい論理の組み立て
  「相手が呑み易い交渉内容」
といった相手の立場を考えた交渉術は不可欠です。

映画でも、あのエディ・マーフィーが軽快な早口のまくしたてを封印して、
じっくりと聴く、話す」のが「交渉」ですから。

最後まで土俵を下りずに読み切っていただき、ありがとうございます。

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