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漫画の感想

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昭和生まれの私が読んだ漫画の感想。古いのも多いけれども新しいものもあります。
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#マンガ感想文

松本零士 (帰らざる時の物語)

松本零士 (帰らざる時の物語)

(1975~1976「プレイコミック」掲載)

表紙カバー折り返し部分の説明文より
「泣き、笑い、夢を描き、野心に燃えて人間が踏んだ地球も、
宇宙の運命時間に逆らうことはできない。
科学の進歩も、人間の愛も、宇宙空間をかけめぐるただ一瞬の夢にすぎないのだ!
はるかなる時の流れを自在にあやつり、飛翔しつづける精神(こころ)が
描き出した大河ロマン!」

「松本零士節全開!」とでもいえばいいのか・・・

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青池保子 (緋色の誘惑)

青池保子 (緋色の誘惑)

(平成10年発行)

明るく元気なオカルト漫画!?

作者は霊体験も何もないので、本職の霊能者さんに協力して頂いてこの作品を描いたらしい。

全く怖くないオカルト漫画・・・っていうのも考えてみると非常に珍しいのではないだろうか?

オカルト問題専門の病院(そんなもの本当にあったら面白いが・・・ほとんどインチキだろうな~)
そこの院長のあんり先生がすごい力を持った霊能者という設定。
彼女自身は普通の

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小林まこと (格闘探偵団)

小林まこと (格闘探偵団)

あの「1・2の三四郎」の東三四郎が何故か探偵をしている。
何故か・・・と書いたけど、その理由は勿論これを読めばすぐわかる。

探偵はしてるけど、三四郎が普通に大人しくやってるわけがない。
格闘シーンも当然ある。

4・5巻では自閉症児が登場する。
その扱いがとっても自然で好感がもてる。

この作者の力強いペンタッチが好きだ。
特に顔の表情。
そして口!!!
あんな口を描く漫画家は他にいない・・・と

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台湾版のブラックジャック

台湾版のブラックジャック

2014年に娘と台湾旅行に行ったときに買った台湾版のブラックジャックです
<典臧版>って書いてますが<愛蔵版>ってことでしょうね、きっと。

手塚治虫の漫画は台湾版で結構出版されているようです
もちろん、海賊版ではなくて正式に認められているものです

私が行った書店には残念ながら手塚作品はこのブラックジャックしかありませんでしたが、
「火之鳥」(たぶん「火の鳥」)
「佛陀」(たぶん「ブッダ」)

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松本零士 (四次元世界)

松本零士 (四次元世界)

松本零士先生がお亡くなりになりました

零時社からのお知らせで
「星の海に旅立ちました」とありました
そうなんですね、星の海なんですね
そして
「遠く時の輪の接する処でまた巡り会える」
とも・・

心からご冥福をお祈りいたします

テレビなどでは999やヤマトのことを取り上げているのが多かったのですが、少し違ったものを取り上げてみます
以下は2005年に私が別のブログに書いた感想です

(1969

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山岸凉子 (天人唐草)

山岸凉子 (天人唐草)

この作者は、長編もいいが、短編も非常にいいものが多い。

この「天人唐草」タイトルページでは天女?が舞っている姿。
あぁ、綺麗だなー。今回の話は現代ものじゃないのかな?と思いつつページを開くと3ページ目にはどこかの空港。不審な人物らしき人の足元のみの絵で終わる。
「えっ?何だ??この展開は???」…と思いつつ次のページをめくると「きえー」とか「ぎえーーーっ」とか妙な叫び声を上げながら歩く、髪を金髪

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山岸凉子 (ツタンカーメン)

山岸凉子 (ツタンカーメン)

古代の遺跡の破壊とか財宝の盗難とかの話を聞くと非常に勿体無いと思って、「ああ、これ以上聞きたくない!!」と、思わず叫んでしまいそうになる。
根が貧乏性だからだろうか?

これも、ツタンカーメンを題材にしてるから当然破壊と盗みの話が出てくる。
うーーん。勿体無い!勿体無い!!・・・
貴重なものを壊さないで!!!盗って行かないで!!!!

・・・ま、それは置いといて、この作者の独特な線のタッチ、独特な

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浦沢直樹 (MASTERキートン(作・勝鹿北星))

浦沢直樹 (MASTERキートン(作・勝鹿北星))

平賀=キートン・太一・・・母、英国人。父、日本人。
英国国籍所持。
オックスフォード大学出身、
胡桃沢大学「考古学」講師(2巻でクビになるんですけどね)兼フリーのオプ(調査員)。
元SASサバイバル教官。
・・・というのが主人公。

見たところ、さえない普通の男なんだけど、危機に直面すると、その真価を発揮して格好良くなる・・・というのは、よくあるパターンといえばそうなのだけど、そういうパターンが好

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水木しげる (姑(クーニャン)娘)

水木しげる (姑(クーニャン)娘)

水木しげるの戦記物です。

「姑娘」は人から聞いた話を基に描いたものらしいのだけど、かなり酷い話です。

あとがきで水木先生本人が「やはり、日本人として、そういうことは反省しなければいけないと思う」と、書いているがその通りだと思う。

戦争っていうものは、一般の女性や子供が犠牲になるんですよね。日本だけではなくてどの国もたぶん同じような事を平気でしているのだと思います。反省は日本だけでなく戦争をし

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寺沢武一 (ゴクウ)

寺沢武一 (ゴクウ)

この人の作品は昔「コブラ」を読んだ時、凄い!!何かアメリカンコミック風??というか、なんと言うか、今まで読んできた漫画とは少し違った印象だったことを覚えています
1990年から欧米で英語版も出版されているとか。この絵柄、内容だったら欧米ですぐ受け入れられたのではないかと思ってたのですが・・・
今これを見ると、当時思っていたほどアメリカンコミック風でもないなー。と思ってしまった
女性も男性も非常に肉

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萩尾望都 (バルバラ異界)

萩尾望都 (バルバラ異界)

(「月刊flowers」2002年9月号~2005年8月号掲載)
近未来SF。

これは思ったより短かった。
たぶん作者は最初からちゃんと最後までの構想があって描いているだろうから、
全4巻の予定で描いていたのだろうと思う。

心臓を食べるとかの話もあるが、それ程めちゃくちゃ暗くはないので取敢えずは安心して読めた。
あまりにも暗いのは私はちょっと苦手なのだ。

現実世界と青羽の見る夢の世界が交錯す

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萩尾望都 (11人いる!)

萩尾望都 (11人いる!)

(「別冊少女コミック」1975年9月号~1975年11月号掲載)

萩尾望都の代表作の一つと言える作品。
古い作品ではあるけれど今読んでも十分面白い。
よく練られたストーリー。
謎とスリル。
魅力的なキャラたち。
絵柄は今と比べると古いかもしれないけれど・・・フロルは今みても可愛いですね。

これはリアルタイムで読みました。
最初は前・後編の予定だったのに中篇が入って結局3回になってしまった作品で

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大友克洋・矢作俊彦 (気分はもう戦争)

大友克洋・矢作俊彦 (気分はもう戦争)

(1982年発行)

絵は当然上手い。
話の展開も上手い。
内容も面白い。
キャラも魅力的。
中でも<ボウイ>、<はちまき>、<めがね>、の三人組が結構好きだ。

何だか真面目なような、不真面目なような・・・、
この作品が描かれた頃の時代の雰囲気なのかな~~?
いいんだけどね・・・。
結構面白いと思うんだけどね・・・。
何故か心の隅で白けている自分がいるのよね。
何故かな~~~?
・・・と思ってい

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手塚治虫 (火の鳥<異形編>)

手塚治虫 (火の鳥<異形編>)

(『マンガ少年』1981年1月号~1981年4月号)

この「異形編」は41年前のもの。
比較的新しい方だから(えぇ~~っ!自分はまだ生まれてないよ!などと言わないで欲しい・・・笑)
絵柄などが若い人たちにも読みやすいのではないかと思う。

「火の鳥」の話は長大な時間の流れの中で生き、そして死んでいく人間たちの姿を
「輪廻転生」的な世界観を手塚流の解釈を踏まえて描いていく壮大な物語だ。

この『異

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