朝のルーティーン【禊】

朝のルーティンとして自分なりに拘ってるのは髭の剃り方とか、歯の磨き方があるけれど、そんなの書いたって全然面白くない。

それならこれはどうだろう。
朝起きると必ず窓を開ける。
春の花粉症がツラい日でも、真夏のうだるような暑さの日でも、秋はいいとしても、真冬の凍えるような底冷えの日でも窓を開ける。
大雨の日も、台風の日も窓を開ける。すぐに閉めるけど。
きっと槍が降っても窓を開けるだろう。

近頃は寝る時間と起きる時間がバラバラで、夜中に目覚めて二度寝ができないと知ると窓を開けてしまう。
だからといって何があるわけでもない。

単なる換気とは思いたくないが、それ以外の効能が思い付かない。
これもやはり大したことのないルーティーンだった。

では次のはどうだ？
僕は出掛ける前に必ずシャワーを浴びる。
それは夏でも冬でも変わらない。
一年中おんなじだ。
乏しいが髪も洗い全身をキレイにする。

定年退職してからは毎日出掛けるわけでもないし、朝とは限らないので朝のルーティーンにはならないのかもしれないけれど、40年以上続いているし、僕にとっては重要なルーティーンである。

全身キレイにするのなら帰ってからでしょと思われるかもしれない。
もちろん帰ってからもシャワーまたは湯船に入るし、キレイに洗う。

昔は神社などに参詣する際は、滝に打たれたり、水垢離をして身を清浄にしてからお詣りしたそうだ。
つまり禊だ。
それでは神社詣りもなかなか大変だということで、簡便にする手立てとして出来たのが手水舎だそうだ。

そう、僕にとって出掛ける前のシャワーは禊に他ならない。
今から思うと、身をキレイにして、世間の荒波に揉まれても、何とか自分でいられるようにと始めた……のかもしれない。
きっとそうだ。そうに違いない。そうだったらいいな。
よし、今日からそう思うことにしよう。

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