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三浦自伝

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フリーペーパー「三浦編集長」に掲載した『三浦自伝』です。読むと三浦の生い立ちから大森に辿り着くまでのことや三浦の人となりが多少分かります。おそらく、何の役にも立たないのですが・・…
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#フラメンコ

三浦と音楽〈その五〉|三浦自伝⑰

三浦と音楽〈その五〉|三浦自伝⑰

(写真:女性社会の中、本当によく頑張ったね)

ついにフラメンコギターに出合った20歳の秋。

独特の和音の響きと歌や踊りとの掛け合いに惹かれて始めたはいいものの、フラメンコの知識はほとんどなく、その難しさにはてんで想像が及んでいなかった。

リズムも奏法も、それまで知っているものとは全くの別物だった。右も左もわからないうちは、ただただ部室で一人基礎練習を繰り返すしかなかった。

半年ほどしてなん

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フラメンコとシューカツの狭間で|三浦自伝⑨

フラメンコとシューカツの狭間で|三浦自伝⑨

(写真:面接の後そのままの格好でライブに出る三浦)

一度舞踊場に足を踏み入れてからは気持ちが軽くなり、進んで伴奏に行くようになった。女社会でうまくやっていく術も母と姉に鍛えられて心得ていたので、それほど苦労はしなかった。

術といっても「相手の話はよく聞き、自分は何も意見しない」というくらいのものだが…(なんとも消極的な処世術だ)。

練習と伴奏を繰り返し多少弾けるようになってくると、他の大学の

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大学生活あれこれ|三浦自伝⑧

大学生活あれこれ|三浦自伝⑧

(写真:まだ馴染めていない三浦が亡霊のように写る集合写真)

大学2年の夏、ボート部を退部した三浦の心は荒んでいた。

辞めるまでの部内のいざこざで精神は消耗し、退部してしまった自分自身の根性のなさにも自信をなくし、辞めた後、運動量が激減したことも大きなストレスになっていた。

ボロボロの三浦にとって、当時仲の良かった同じ学科の女の子は希望の光だった。会うたびに癒され、だんだん心惹かれてついにある

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