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生徒指導に必要な3つの仕分け

"生徒指導ができる"と聞くとどんなイメージをもちますか?

多くの場合「厳しい」とか「きっちりしている」とかいうイメージなのではないでしょうか。

確かに、例えば"身体も声も大きな男性の先生"なんかは、子どもが指示に従いやすく、"生徒指導ができる"と評されやすい傾向にはあります。

でも、たくさんの学校を見ていると、それだけではないなと思うことが結構あります。
先生方個人は厳しかったり、きっちりしていたりするのだけれど、全体として落ち着かない、という状況に度々出会うのです。

先生方は定期的に転勤するので、どこかの学校だけが特別に厳しい先生が集まるわけじゃない。
子どもたちも、隣の学校とそんなに大きく層が違うわけでもない。

では、違いはどこで生まれるのか。

細かい違いはもちろんいろいろあるのでしょうが、私なりにここかなと感じているポイントがあるので、ご紹介したいと思います。



まずは客観視


シンプルな問題なはずだったのに、なぜか長引いて糸が絡まってしまったり、逆にとても大きな問題が軽やかに解消に向かったり。

生徒指導が予想に反して進んでいくことは、これまでたくさん経験してきました。

もちろん、相手は人間(子どもや保護者)なので、こちらの思う通りには進みません。

でもよく見ていると、なぜか糸が絡まるチーム(学校や学年、クラスなど)はしょっちゅう絡まるし、なぜか軽やかに解消に向かうチームは、しょっちゅう軽やかに解消に向かうことに気がつきます。

それは例えば、若い先生が多いチームでも同様で、どなたかが指揮をとって、チームで乗り越えていく場面によく出会います。

そう、"どなたかが指揮をとって"

それは学年主任だったり、生徒指導主事だったり、管理職だったり、その時その場におられる先生だったりするのだけれど、起こったトラブルを一度客観的に見るという作業をしているチームが、適切な意思決定を行っているなと感じます。

この"起こったトラブルを一度、客観的に見る"というのもポイントで、先生方がトラブルに腹を立てて興奮していたり、焦っていたりすると、糸が絡まることが多いなとも感じています。("興奮"とか"焦り"は数値化できないので、そんな傾向がある気がする…としか言えませんが)。

客観視=チームが必要というわけではありませんが、当事者でない先生がワンクッション入ることで客観性が高まります。
(もちろん個人で対応しても、落ち着いて客観視できる先生もたくさんいらっしゃいます。尊敬です)

3つの仕分け

ではトラブルを客観視して、何を判断するのか。

私は、トラブルの仕分けなのではないかと考えています。生徒指導の上手い先生は、この仕分けが速くて正確です。

①大きさの仕分け

このトラブルはどの規模で収めるべきか。
クラスで収めるのか、学年なのか、それとも学年をも越えて学校全体で対応しないといけないのか。

トラブルの大きさが違えば、当然関わる先生方も変わってきます。
担任が1人で収めていいのか、学年主任が出るのか、生徒指導主事が出るのか、管理職まで出るのか。

経験上、この規模感を見誤ると糸は絡まりやすくなります。

大きくする必要のないトラブルを大きく広げすぎて、子どもや保護者から不信感をもたれてしまったり、逆に大きなトラブルを担任だけで対応しようとして、気がついた時にはもう既に大変なことになっていたり。

特に多いのは、後者の規模を小さくまとめようとしてしまって、後手に回ってしまうパターンでしょうか。

これは担任では収められないなと判断できても、例えば「学年に言うと嫌な顔をされる」となると、結果として適切な規模感での対応ができなくなってしまうので、報・連・相への心理的ハードルを普段から下げておくチームづくりが大切ですね。

②サポートの仕分け

大きさと同時に仕分けが必要なことは、子どもや保護者へのサポートの必要性だと考えています。

たとえその子が悪いことをしてしまったとしても「アンタが悪いんだから怒られて当然」とはいきません。指導と並行して、サポート体制を整える必要があるケースも多々あります。

長期的なサポートが必要なのか、そのサポートは先生で良いのか、SCやSSWとの連携が必要なのか、それとも医療や児相、警察などの力が必要なのか。

ここで適切なサポートが入らないと、同じようなトラブルが継続して起きてしまう可能性が高くなってしまいます。

③保護者連携の仕分け

最後は保護者。「子どもが納得しているから」とここの仕分けを怠ると、解消したと思ったトラブルが上手く収束してくれなくなってしまいます。

保護者への連絡は必要なのか、連絡が必要であれば、電話なのか、家庭訪問なのか、それとも学校へ来ていただくのか。

本来は家庭訪問が望ましいけれど、遅くなるから電話で…と電話で済ませようとして後悔した経験、私にもあります。(迷ったら会う!という教訓を得ました)


適切な意思決定のために

以上、生徒指導に必要な3つの仕分けでした。
①大きさの仕分け
②サポートの仕分け
③保護者連携の仕分け

私は現在スクールカウンセラーとしていろいろな学校に勤務させてもらっているのですが、生徒指導の相談を受けることが多々あります。

そんな時私が行うのは、この仕分けです。

「それはクラスでは収まりませんね」とか
「SSWとの連携は今からですか?」とか
「保護者召喚だと思いますよ」とか

これ、完全に生徒指導主事の仕事なのですが、先生方(特に管理職や各主任の先生)は、"壁打ち相手(自分のアイデアを他人に話すことで、自分の考えを整理すること)"として相談してくださってるんだろうなと思いながらお話しています。

多分、子どもの顔も名前も分からない私が、その場で得た少ない情報で考える、客観的な意見が欲しいのだろうなと。

そういった"壁打ち相手"を得るという意味でも、やはりチームでの意思決定が最適解なのかもしれませんね。



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