フィードバックって結局、何?
勉強だけでなく、どんな学びにおいても必要不可欠なフィードバック。
ものすごーく重要なのに「褒めるとやる気になるんでしょ?」ぐらいの認識で、なんとなく褒めていませんか?
実は、フィードバックすることと褒めることは、イコールではありません。
今日はフィードバックについて簡単にまとめてみようと思います。
そもそもフィードバックとは
「フィードバック」と辞書で引くと、こんな言葉が出てきます。
結果から分かる情報を
なぜそのような結果になったのか、原因に反映させて、過程の調節をはかる。
つまり、こういうこと。
学習を調節して目標に向けて軌道修正を行うこと。
ということは、フィードバックした結果、
目標に近づかないと意味がないということ。
「とりあえず褒めとけ~」と、なんとなく褒めた結果、誤った方法を覚えてしまい、目標から遠ざかってしまった…
なんてことが起きてしまうと、
フィードバックはした。
でも、そのフィードバックは適切ではなかった。
ということになってしまいます。
では、どのようにフィードバックを行うと
適切なフィードバックと呼べるのでしょうか。
その方法はフィードバックの効果を考えると
少しずつ見えてきます。
フィードバックの効果
フィードバック=行動の調節をはかるもの
ということは、効果はもちろんこれ。
望ましい行動の増加。
そしてもうひとつ。こちらはお馴染み。
モチベーションの向上。
では、どのようなフィードバックが
望ましい行動を増加させ
モチベーションまで向上させるのでしょうか。
ポイントをいくつかご紹介します。
1.個別のフィードバック
集団全体へ向けてフィードバックするよりも、個別にフィードバックを行った方が、望ましい行動を増加させやすいです。
なぜなら、個別に行ったほうが具体的なフィードバックを行いやすいからです。逆にいうと、具体的でないなら個別にフィードバックを行っても効果が薄いともいえますね。
「姿勢がいいね」「この部分が素敵」「指先をピンと伸ばして」
具体性が高まると、言われた子どもも何をどのようにすればいいかすぐに理解できるため、すぐに行動の調節を行うことができます。
すぐに行動の調節ができるということは、望ましい行動ができる可能性が上がるわけですから、当然、成功率が上がってきます。
また、取り組んでいる途中で「そうそう、その感じ」とフィードバックすることによって、子どもは不安が軽減し、集中して行動に取り組むことができ、やっぱり成功率が上がってきます。
そういった積み重ねが「私はやればできるぞ」というセルフイメージにつながります。
2.ポジティブなフィードバック
一般的にいう「褒める」がこれにあたります。
褒めることの最大のメリットは、ポジティブな雰囲気の醸造。
温かい、安心、楽しい雰囲気の中で行う行動が、いい結果をもたらしやすいことは、皆さんもなんとなく経験があるかと思います。
ポジティブな雰囲気である、ということそのものが子どもの支援になるということですね。
3.即座のフィードバック
フィードバックが行動の調節を目的とするならば、
行動A→いいね、行動B→イマイチ、行動C→禁止
というように、自分の行動と評価をセットで認識する必要があります。
この、行動と評価をセット化させたいときに絶対に意識しておきたいのが、フィードバックのタイミングです。
適切なタイミングは「即座」だといわれています。
行動とのセット化をしようと思うと、60秒を超えると厳しい…という研究もあります。
え、60秒以内?と思う方もいらっしゃるかもしれません。でも、よく考えてみてほしいんです。
使い方のよく分からない装置を目の前にしたあなたが、適当にポチポチとボタンを押しまくっていたとしましょう。
たくさん押したボタンの中にたまたま電源ボタンが含まれていたとして、60秒後に電源が入ったら(この場合、電源が入る=フィードバック)、あなたはどのボタンのおかげで電源が入ったか、分かりますか?
私なら、絶対分からん!(自信あり)
60秒って、めちゃめちゃ遅い。
だって、スマホに流れてきた5秒の広告にイラっとくるでしょ。
フィードバック(レスポンス)が即返ってくるスマホで、タップした後60秒の広告見せられたら、もうさっきまでどんな操作しようとしてたか分からなくなるでしょ。(私だけ?)
ちなみにこれは余談なんですけど、人間の脳は即座に反応が返ってくるものを好む傾向があります。危険から身を守るためです。
自分が行動をして、すぐに反応(フィードバック・レスポンス)が返ってくると、脳の報酬系が活性化することが分かっています。
スマホ大ヒットの一因は、それまでのガラケーと比べて圧倒的だった、このレスポンスの速さなんだろうな…なんて私は勝手に思っています。(このスマホの部分は、本当に余談です)
フィードバックの心構え
効果的な方法は分かった。
でも、他人の行動はそんなに思い通りに調節できないじゃないか!というあなたへ。
最後に心構えを少し。
褒めることが苦手…という相談をたくさん受けるのですが、私はその時によく「信号機」の話をします。
適当に褒めるのではなく「今のは青!」「それは黄!」「お~、それなら青!」と道を示すつもりでフィードバックしてあげてください。
そして黄信号の時は、どこをどうしたら青になるかも伝えてあげてください。
ちなみに「また…」とか「なんでいっつも…」とか余計な一言は不要です。短く、シンプルに、淡々と伝えましょう。
そして上手にできた時には、しっかりと「青!」を返してあげてくさい。
まとめ
フィードバック=学習を調節して、目標に向けて軌道修正を行うこと。
個別に、ポジティブに、即座にフィードバックをすることで、学習の効果が高まります。
どうせ学習するなら、楽しく、速く、目標に近づけるように支援したいですね。
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