マガジンのカバー画像

祓い

66
運営しているクリエイター

#歴史

今昔物語と物の怪たち

今昔物語と物の怪たち

安倍晴明さまの師匠に賀茂忠行さまがおります。彼の息子さんは保憲さまです。保憲さまが父のお祓いについていった話が今昔物語にあります。

陰陽師は基本的に現地にかけつける仕事のスタイルでした。

保憲さまは父のお祓いの様子を見ていたわけです。
お祓いですから御幣などが多く並んでいたこともキチンと見ていました。

そんな中、気色の悪いおかしなものが2、30ほどやってきて、お供え物を食べ始めたと父に対して

もっとみる
祭りとお祓い

祭りとお祓い

元々、日本にはたくさんのお祭りが行われていました。
吾妻鏡にも祭りは多く取り上げられており、鎌倉時代ではお祭りは盛んだったようです。

当時は祭りがどの宗教かというのをあまり区別してはいませんでした。色々な宗教のお祭りが一緒に行われていたのです。

しかしながら、宗教ごとに上下の差というものは存在していました。

基本的にはお坊さんを中心に仏教的な儀式のお祭りがあります。下座に位置するのが神道系の

もっとみる
陰陽道の時代と変化

陰陽道の時代と変化

陰陽道は朝鮮百済を経由して日本に入ってきました。

最初の段階では知識の輸入に関わったお坊さんだったり、大陸から渡ってきた方々が用いた分けです。

これが大きく変わったのは奈良時代に入ってからです。
中国から密教や道教が入ってきました。
さらに、弘法大師が真言密教を始めたことで、日本の仏教界が密教に変化していくようになりました。

その頃は日本の陰陽道では後継者が少なかったために、仏教界以上に密教

もっとみる
三式概論

三式概論

陰陽師はお祓いを中心に行っていますが、他には占いもしています。

主に式盤という道具を使った占いで、太乙、六壬、奇門遁甲の3つは三式と呼ばれて有名です。

太乙は太乙神数とも呼ばれている占いです。
六壬は陰陽道の占いというイメージが強いかもしれません。

奇門遁甲は、何度かこのブログでも出てきていますが、九星気学の基になった占いです。

ちなみに九星気学が広がってきたのは明治時代からです。
上の図

もっとみる
妖狐への真言

妖狐への真言

悪い狐妖怪への対処として多いのが印と真言による密教的なやり方です。

有名なのは釈迦の弟子であった阿難陀が魔女に誘惑されたことがありました。

釈迦に救われるのですが、その際に使われたダラニの真言は悪魔降伏の文言は梵語で列なったものでした。

天台宗で用いられる四魔降伏の真言も妖怪退治には有効です。
あの有名なアビラウンケンと唱えるものです。

狐の悪霊に対してのものもあります。
追打鬼婆羅々鬼(

もっとみる
健康法と鎮魂法

健康法と鎮魂法

霊術の大家である道斉は、様々な鎮魂法を編み出していきます。

その代表的な鎮魂法のひとつが、水滌厳法と言われるものです。

水を使って罪や穢れを祓うことが基本です。
水っていうのは命の根源ですから、水に感謝するということです。

水の恩恵を思い、水を守るという気持ちを持ち、水に親しみましょう。

水滌厳法のやり方は、起床する時に、冷水で頭と体を洗って清めます。単に体を洗うだけでなく、心や魂も洗うイ

もっとみる
禊概論

禊概論

重要な神事には禊が必要なことも多いので、その概要についてです。

神道では何よりも清浄であることが大切です。
穢れた状態で神様をお迎えしても、その不浄を嫌うのがオチでしょう。

清めることについては祓もありますが、禊の場合は水を用いて心身の穢れを洗って清浄にすることです。

伊邪那岐が黄泉の国の穢れを筑紫の日向の橘の小門にて海に入って穢れを落としたエピソードがあります。

それが禊の起源です。

もっとみる