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イライラ・怒り (易怒性)について考えてみた

こんにちは、みつまめです。
フォロワーさんが、易怒性に関する大変興味深い論文を紹介されていました。

今回は該当の記事を参照しつつ、私自身の経験と結びつけながら「易怒性」について考えてみたいと思います。

※当事者である自身の経験と結び付けて考察した内容です。感覚的な話も多く出てきます。
個人的な体験に基づく考察・意見である事を予めご了承ください。

=====2022.04追記=====
現在は退会されたフォロワーさんの記事を参照しつつ書いた記事のため、該当記事のリンク切れ箇所を削除しています。
引用箇所は削除すると本記事全体の内容がわからなくなる為、そのまま残してあります。

記事の紹介「易怒性の重要性を検討してみる」

フォロワーさんが紹介されているのは、
「易怒性は混合状態の謎を解明する鍵になり得るのか?」
"Could irritability be the key to unlocking the enigma of mixed states?"
というタイトルからして面白そうな論文。
論文は英語で書かれているものですが、それを分かりやすくまとめ、紹介してくださっています。
とにかく面白いので、ぜひ読んでいただきたいです。

英語の専門的な論文をさらっと読め、理解ができ、それを分かりやすくまとめられていて。
当事者でありながらも冷静に自身を観察する視点をお持ちである事、探求する姿勢に、ただただ凄いと尊敬しています。
引用・紹介の許可ありがとうございます!


易怒性とは何か?

「易怒性」は精神医学用語で、ざっくり言うと「イライラ」「怒り」などです。

易怒性(いどせい、Irritability)とは、生物における興奮性のことであり、それを取り巻く環境が変化したことに対しての反応として現れる。この用語は、刺激に対しての生理反応として使われることもあれば、病的で異常な度を超えた過剰興奮性としても使われる。多くの場合では、これは苛立ち、怒り、フラストレーションを指している。

wikipedia「易怒性

検索上位に上がってきた記事やコラムをかいつまんで読んだだけの印象ですが、日本では認知症や自閉スペクトラム症との関係で語られることが多いのかな?

精神疾患に広くみられるものであり、疾患を持っていない「普通の人」も経験するものです。


私が怒りを感じるとき

私はマネージャーへの昇進をきっかけに適応障害を発症、3ヶ月間休職しました。
7月半ばに復職し、もうすぐ5ヶ月が経ちます。
診断名は適応障害ですが、双極性障害の疑いがあります。

私の場合、気分の波は仕事と連動しています。
特に強い怒りを感じる時は、「他人の仕事に対する無関心」がキーになっている事が多いです。
以前記事にしたので、よろしければそちらもご覧ください。


疾患によって「怒り」のメカニズムは違う?

記事で紹介している論文について、フォロワーさんは下記のように書かれていました。

筆者たちは「障害/疾患を横断して」とあくまで共通点を探す姿勢を持っているように見える。    

しかし私は疾患によって易怒性の位置づけは異なり、発生メカニズムすらも異なるのではないか?という気がしており…今後個人的に易怒性を検討していく中で共通点だけでなく「相違点」にも目配せしたいと考えている

「易怒性の重要性を検討してみる②」

そもそもこの論文自体が
「易怒性」って幅広い疾患で見られる割に実態がよくわからないよね(だからもっと研究しようよ)
と提案する内容になっているようです。

確かに「イライラ」「怒り」がどのように起きているのかなんて考えてみたこともなかったし、状況や人によっても全く違うし、分かるようでよく分からない。

自身の経験から考えると、私もフォロワーさんの意見と同様「疾患によって怒りの種類が違う」ように思えてきました。

私の場合、易怒性が発生する疾患(状態?)は3種類あります。

双極性障害の躁状態

イライラする、語気が荒くなる

双極性障害の鬱状態

自責思考が強くなる、消えてしまいたいと思う

PMS(月経前症候群)

イライラする、語気が荒くなる
※私の場合、PMDDと言う程ではないものの、PMS症状の1つとしてイライラする事があります

躁とPMSは一見同じように見えますが、発生のメカニズムがどうも違っている気がしています。

PMSのイライラは自分の内側から沸き上がってくるようで「訳もなくイライラする」といった印象です。

当記事を書きながら思い出した、妊娠中や出産後のイライラ(マタニティブルー)も、PMSと同じ種類で強度が違うような感じでした。
妊娠中、産後の方が激しく、いつまでもその印象が残ります。

また、双極性障害の躁と鬱では表れかたが違うものの、発生のメカニズムは同じであるように感じます。
自責思考を易怒性と呼んでいいのかどうかは分からないのですが、躁のイライラと根っこは同じ印象です。

結果説と原因説

臨床的な内容から、論文では「原因説」「結果説」の2つが提起されています。

結果説

治療時に易怒性が気分障害とともに落ち着く場合、易怒性は根底にある気分障害の間接的な結果(影響)として生じている可能性がある

Erica Bell et al.,
"Could irritability be the key to unlocking the enigma of mixed states?"

原因説

易怒性が気分エピソードの開始に先行する場合、根本的な易怒性のメカニズムは気分症状をうみだすメカニズムに寄与している可能性を示唆する

Erica Bell et al.,
"Could irritability be the key to unlocking the enigma of mixed states?"

原因説、結果説について、フォロワーさんは下記のようにまとめられています。

①易怒性は(躁、うつ)いずれかの気分の極に特有というわけではない

②易怒性の治療に特異的な反応が過去研究からもわかるように、易怒性の根底にあるメカニズムは気分症状とは別物のように思える

③薬の反応性に対する予後的な潜在的指標として易怒性が示されており、易怒性は気分症状を基盤とする神経生物学と関連づけられるかもしれない

「易怒性の重要性を検討してみる③」


前章で触れたように、双極性障害とPMS、妊娠中・産後の易怒性は発生のメカニズムが違う印象があります。
その為「易怒性が先にあった」(原因説)のか、「結果として発生した」(結果説)のかも違っているように感じます。

結果としての易怒性(私の場合)

双極性障害の躁

外部からの刺激(ストレス因)が先にあり、それを受けた結果として発生する。
また、躁の波の頂点の時期よりも、移行中の時期(≒混合状態?)に多く発生している印象がある。
易怒性は外部へ向かう。

例)
仕事に対して無責任な人物の態度を受けて、感情を揺さぶられ、イライラする、語気が強くなる


双極性障害の鬱

外部からの刺激(ストレス因)が先にあり、それを受けた結果として発生する。
躁から鬱への移行中の時期(≒混合状態?)に多く発生している印象がある。
鬱状態が強ければ強いほど、易怒性は内部(自身)へ向かう。

例)
他人の言動や態度を「批判」「攻撃」と受け止めてしまい、自責思考から逃れられなくなる

原因としての易怒性(私の場合)

PMS

特に原因が思い当たらず、易怒性が先にある。
自分の内側から沸き上がってくるような印象。
イライラしている状態に何かの刺激が加わると、怒りが沸いてくる。

例)
イライラした状態で散らかった部屋が目に入り、「いい加減片付けてよ」「何度言ったら分かるの?」と子どもたちに強い口調で言ってしまう


妊娠中や出産後(マタニティブルー)

PMSと同様。
特に原因が思い当たらず、易怒性が先にある。
自分の内側から沸き上がってくるような印象。
イライラしている状態に何かの刺激が加わると、強い感情が沸いてくる。
PMSよりも激しく、強い印象がいつまでも残る

例)
1.ストレスを感じる状況下で、「他人」と捉えている人物から突然妊娠について言われ、戸惑いを感じ、それを伝えた人物に激しい怒りを感じる

2.自分と夫以外に、許可なく子どもを触られる事に怒りを覚え激しい嫌悪感を感じる

3.妊娠や出産に関して口出ししてくる人物に怒りを覚え、激しい拒否の態度を取る

一般的に「妊娠出産に関する恨みはいつまでも残る」と言われているものですね。

私の場合は夫側の親戚に「やらかす」系の年輩女性がおり、妊娠中も産後も数々のエピソードがあります。
動画を再生するかのように、その時の場面が目の前にありありと浮かんできます。
かなり強烈な記憶として、脳にこびりつくかのように残ってしまっています。
今回思い出して、相変わらず嫌な気持ちになりました。苦笑

PMSや妊娠中・出産後の「イライラ」はホルモンバランスとの関係で説明される事が多いですが、実感としてもその通りなのではないかと考えています。
感覚の話ばかりになってしまいますが、沸き上がるような激しい感情は、傷ついた動物のようなコントロール不能な感じがあります。

ホルモンバランスに起因するような「イライラ」は、危険を察知して素早く攻撃に移るための、動物的な本能から来るものなのかもしれません。

妊娠中、産後(マタニティブルー)の自責思考は結果?原因?

妊娠中・出産後の自責思考については、外部からの刺激(ストレス因)がきっかけになっているように感じます。
双極性障害の鬱と似ている気がします。

例)
1.出産方法が想像していたものとは違ってしまい、「妊娠中の行動が悪かった」「産みかたが悪かった」等自分を責める

2.子どもの体重の増加が悪く、「母乳の出が悪いのは私の努力が足りないから」「私の飲ませ方が悪い」と自分を責める

3.子どもの病気が分かり、「妊娠中の行動が悪かった」「私の体質が遺伝した」等自分を責める

私の場合、出産方法も産後の状況も想像していたものとは全く違っていました。
特に出産直前、直後は自分を責めてはよく泣いていました。

ただ、発生の前提として
・出産における体力消耗
・育児における睡眠不足、体力の消耗
・ホルモンバランスの劇的な変化

があるので、察知できない程度の易怒性が先にあったのだとも言えるかもしれません。
(この場合、易怒性は「原因」となる?)

また、私が双極性障害になる気質を元々持っていたのであれば、産後の抑うつ症状ではなく双極性障害の鬱症状のようなものだった可能性も否定できません。

この辺は第一子出産時の8年近く前の記憶であり、検討には時間がかかりそうです。
考えていたらだんだん混乱してきました。
また別記事で妊娠・出産について書いてみようかな。

「易怒性」は面白くも難しい

複雑怪奇と表現したくなるくらい、易怒性は面白くも難しいテーマでした。
普遍的なテーマであるにも関わらず、あまり研究がされてこなかったというのも頷けます。

今回はフォロワーさんの記事に刺激を受け、「疾患によって発生メカニズムが違うのではないか?」という事について、自身の経験を軸に考えてみました。
素晴らしい記事を書いてくださったフォロワーさん、ありがとうございました。

拙く、かなり個人的な内容でしたが、最後まで読んでくださった皆様もありがとうございました。

解決のヒントには繋がらないかもしれませんが、皆様が「怒り」の取り扱いを考えるきっかけになっていれば嬉しいです。

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