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レビューとレポート第46号


レビュー


[1]美術にとって小説とは何か——伊藤正人「小説の美術」について 
安井海洋
https://note.com/misonikomi_oden/n/n68bc3518dfbc



レポート


KOURYOU《足元のスピリット・デバイス(アプリ版キツネ事件簿開発に向けた設計図、模型)》2019
撮影:東間嶺 / RAY THOMA

[2]KOURYOU個展「KNOT」(天野画廊) レポート 
東間嶺
https://note.com/misonikomi_oden/n/nfb70eb795df8



[3]ビジュツノゲンバ
梅津庸一個展「遅すぎた青春、版画物語(転写、自己模倣、変奏曲)」、版画工房カワラボ!編

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記事概要


[1]小説と美術の関係について考察する伊藤正人の作品を丁寧に読み解くレビューです。美術は東京偏重で記事もそうなりがちなため地方へ目を向けたいと考えており名古屋で発表する作家を取り上げる本記事はその一つになったのかもしれません。
[2]大阪の天野画廊という老舗ギャラリーで開催されたKOURYOU個展のレポートです。EBUNEの西成漂着を通じて培った関係性と大阪への知見を組み込みつつ、EBUNEとは異なる作家KOURYOUの展示として自分自身を紹介する展示内容です。東間さんには大阪まで夜行バスゼロ泊2日で慣行された取材兼インスタレーションビュー撮影をしてもらいました。
[3]作品集『ポリネーター』刊行記念展として「銀座 蔦屋書店 GINZA ATRIUM」で開催された展示「梅津庸一個展「遅すぎた青春、版画物語(転写、自己模倣、変奏曲)」」へ出された作品制作の模様を版画工房のカワラボ!へ通いつつ追いました。元々は展示・パープルームTV用の解説動画素材を撮るためでしたが、弊誌でも記事化しました。展示期間中に連日リリースしていたため展示で起きた事件についても言及したりしています。




お知らせ


梅津庸一 個展 
プレス機の前で会いましょう 版画物語 作家と工人のランデヴー

NADiff a/p/a/r/t
2023年5月19日—6月11日(営業日:木、金、土、日、祝)
http://www.nadiff.com/?p=30339

銀座蔦屋書店GINZA ATRIUMでの個展に続きNADiff a/p/a/r/tでも版画物語を開催、前回からそれほど日が経ってないのに圧倒的な作品数と新たな展開を見せています。今回はカワラボ!を通して出会った作家などを招いたグループ展も同時開催。会場構成は複雑に入り組んでおり本屋としてどうかと思いきや、逆に見るべき本を整理し提案されているように見え、回遊を楽しみつつ本を選べるので元より良いのではと思ったりします。
なぜか最速レビューがインスタレーションとして組み込まれ展示されているのですが、後日弊誌で転載予定です。



マッドスプリング
Kanda & Oliveira
2023年5月9日 — 6月10日
安藤裕美、冨谷悦子、川島郁予、森栄喜、高田冬彦、東城信之介、梅津庸一
企画|Kanda & Oliveira、梅津庸一
協力|KEN NAKAHASHI、WAITINGROOM、Office Toyofuku、灯工舎、Kawara Printmaking Laboratory
https://www.kandaoliveira.com/ja/exhibitions/13-mad-spring-group-exhibition/

Kanda & Oliveira再起動後、上田勇児・梅津庸一「フェアトレード」展に続く第2回目の展示です。オーダーされ描いた梅津庸一による「ゲンロン14」表紙原画や、梅津がこれまで培った鑑賞経験からこの空間で見たいと思う作家たちの作品で構成されています。経緯と意図はステイトメントで詳細に書かれていますが、オーナーが諸事情でネタに困り再び梅津がキュレーションすることになったことも含めて単なるグループ展ではない実は緊張感ある展示になっているのではないでしょうか。

Kanda & Oliveiraの神田雄亮さんには以前インタビューをさせてもらいました。再起動の経緯やフェアトレード展についても分かり、本展にも繋がる記事かと思います。




画像提供:ライトシード・ギャラリー

KOURYOU 個展「プロトタイプ」
ライトシード・ギャラリー(ワタリウム美術館B1 オン・サンデーズ)
2023年5月3日—6月11日

大阪展巡回を兼ねた個展を東京のライトシード・ギャラリーで開催しています。大阪での展示は本号の記事をご覧ください。大阪展がパフォーマンス込みで構成されていたためか、本展ではKOURYOUさんがメイクをして在廊して公開制作をしているようですね。なんか顔が白い…。


EBUNEに関する過去の記事はこちら

EBUNE公式note




開館60周年記念 Re: スタートライン 1963-1970/2023 現代美術の動向展シリーズにみる美術館とアーティストの共感関係
京都国立近代美術館
2023年4月28日 - 7月2日
https://www.momak.go.jp/Japanese/exhibitionarchive/2023/453.html

 「現代美術の動向」展*は、京都国立近代美術館が開館した1963 年から 1970 年まで毎年開催された、定点観測的なグループ展シリーズです。国公立の美術館がまだ少なかった1960年代当時、日本の現代美術の中堅・若手作家を紹介する展覧会として大きな注目を集めました。
 全9 回におよぶ「動向」展が取り上げた作家・作品は、素材や形式も実にさまざまです。高度経済成長期を迎えた1960年代は、社会や人々の生活の変化を背景に、絵画や彫刻といった既成の区分の逸脱と、形式・素材の多様化が進み、美術の概念そのものを刷新する動きが活発化した時代でもありました。(略) 「動向」展は、美術館がこうした目まぐるしく変貌する美術の状況と向き合い、若い世代のアーティストや鑑賞者との共感にもとづく実験場となるべく創始されました。(略)今回の展覧会では、293組の出品作家の中から、66組による主な出品作もしくは関連作、記録写真、展覧会に関するアーカイヴ資料を紹介しながら、1960 年代当時の美術館とアーティストが切り結んだ美術の現場のスタートラインを検証します。

WEBより引用

後日レポート記事をリリース予定です。




さばかれえぬ私へ Tokyo Contemporary Art Award 2021-2023 受賞記念展
志賀理江子、竹内公太
2023年3月18日 -  6月18日
https://www.mot-art-museum.jp/exhibitions/TCAA_2021_2023/

第3回受賞者の志賀理江子と竹内公太による本展には、「さばかれえぬ私へ/Waiting for the Wind」という言葉を冠しました。この言葉は、TCAA授賞式から始まった志賀と竹内の対話の中から生み出された、いわば本展で唯一の2人の共同作品と言えるものであり、人々が抱える内面世界への呼びかけでもあります。
2011年の被災後、突如始まったあらゆる分野での復興計画に圧倒された経験を、人間が「歩く」営みとして捉えなおした志賀、第二次世界大戦時の兵器「風船爆弾」のリサーチにもとづき、過去の出来事–アーティスト–鑑賞者の「憑依の連鎖」による新作を発表する竹内。東日本大震災の爪痕が大きく残された宮城、福島をそれぞれの拠点として活動する両者の作品は、その方向性は違えども、対話の中で見出された共通の認識を持ち、ある部分では作品が重なり合うように展示空間を構成します。

WEBより引用

展示、そして志賀さんと竹内さんにはインタビューをしたレポート記事を後日リリースします。




ワールド・クラスルーム:現代アートの国語・算数・理科・社会
森美術館
2023年4月19日 - 9月24日
https://www.mori.art.museum/jp/




画像提供:ナミイタ

亜萌「육우여자 牛女」
ナミイタ(東京都町田市三輪町2036)
2023年5月19日 - 6月19日※金土日月オープン、火水木休み。
https://twitter.com/NamiIta2036/status/1659677138348576769?s=20

明治大学で演劇学を修めたのち、美学校で中ザワヒデキ『文献研究』他の講座を受講して得た知見から開いた異色の自主個展『強いAI』『人間らしさを守る人間の会』で美術作家として活動をはじめた亜萌は、本展『육우여자 牛女』で、自身の複雑なミックスルーツの家庭事情を、怪談の様式で物語化し、旧作とあわせたインスタレーションとして展開します。怪談における「牛女」は祖先の因果が子に祟るという理不尽の悲劇ですが、『육우여자 牛女』の結末は果たしてどのようなものになるのでしょうか?

プレスリリースより引用

弊誌でレポート記事を寄稿してもらっている亜萌さんが個展を開催中です。先回の個展『人間らしさを守る人間の会』については2代目きつね(構成:山本桜子さん)による詳細なルポルタージュをご覧ください。


あとがき

本号の見出し画像(表紙)は宮野かおりさんの作品です。「5月は生徒会が始まるシーズンなので、テーマは、生徒会長を目指して熾烈な選挙戦が繰り広げられる学園モノの連載マンガ第一話のイメージです!(想定雑誌は「りぼん」よりも「なかよし」)」ということです。

原稿募集中です。掲載希望される方は下記連絡先まで。
美術展のレポートやお知らせでの掲載や取材を希望される方はプレスリリースを下記連絡先まで送ってください。
展示内覧会へ招待いただければ取材へうかがいます。



企画・編集:みそにこみおでん
スタッフ:シロクマ
表紙絵:宮野かおり

連絡は下記へみそにこみおでん宛にお願いします。
E-mail: aspma260[あっと]gmail.com
twitter:@misonikomioden
facebook: https://www.facebook.com/misomuoden

レビューとレポートバックナンバー
https://note.com/misonikomi_oden/m/m075a5bacea51