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アメリカ就活を綴る(中編・1度目の就職)

みーしゃです!
前の記事では、アメリカに引っ越した経緯、就職活動を始める前提が整うまでのお話をしました:

今回の記事・中編では、1度目の就職活動について書いてみようと思います!このときは最終的に日系企業のオファーをいただきました🙇‍♀️
長くなったので目次を入れます:


2022夏頃◆就活下準備

日本では新卒から約9年間同じ会社で働いていたこともあり、本格的な転職活動は初めてのことでした。せっかくの機会なのでゆっくり考えてみようと思い、自己分析・仕事でやりたいことの方向性を再確認することにしました。

仕事でやりたいことを整理するため、"What Color Is Your Parachute? 2022"を読みました

当時Twitter (現X) でMameさんという方が紹介していた、自己分析や方向性の模索にぴったりの書籍です。英語版は毎年更新されているようですが、日本語版は昔の翻訳版しか売っていないようです。私はローカルの図書館で借りて読みました。
本は2022年版だったのでこれです↓

自分が経験してきたこと、スキルとして活かせそうなこと、好きなこと、幸せに感じること、、などいろんなことを書き出したり整理したりする章があり、ゆっくり&しっかり自己分析できました!何度も文章を書いたり調査したりと大変時間のかかる作業ではありましたが、自分の中の経験や好きなことを棚卸しできた感じがして、個人的にはとても良かったです。

ただ、一つ私個人の力不足で進められず残念な点がありました。本の後半では、自分のコネクション (家族、友人、知り合い) 経由で面白い企業や合っていそうな仕事を探していくセクションがあったのですが、引っ越し後半年で知り合いがほとんどいなかった私にはかなりハードでした。。。当時知り合いだったのは、夫会社関係の人数名、子供達のプリスクールの先生、他日本人つながりが数名程度。。。LinkedInでやりたい仕事に関係していそうな知らない人に突然メッセージを送ってみたりするものの、どこの誰かもわからないメッセージなのでほとんどの場合は無視されてしまい、コネクションの構築をどう進めるべきか大変悩みました。このあたりは私の力不足で進めづらかった点で、今から思えば、何でも良いので習い事とかボランティアをして自分のコミュニティを広げておけばよかったなと思います。

Resumeを書く

本を通して自分のやりたいことなど整理できたこともあり、書籍の後半と同時並行でresumeを書きました。学歴、新卒から約9年間働いた仕事の内容と成果、チームをリードした経験などメインに書きました。幸運なことに妹がResumeの添削アドバイスなどの経験があったので、何度も内容を見てもらいました。英語の表現が自然かだけでなく、Resumeに適切な表現であるか、成果が数字で入っているかなどを見てくれました。(本当にありがとうございました!!)

Resumeを書いている頃に少し繋がった方から、resumeの添削をしてもらうのにTopResumeというサイトがいいよ~と紹介してもらったことがありました。一度利用してみることにして$100くらい払いました。無職には正直高いなと思ったのですが、使ってみないと良いか判断できないかなと思いました。
ただ、結果からいうとTopResumeにはあまり満足できませんでした。私の情報の渡し方も良くなかったのかもしれませんが、仕事でやってきたことを全く知らない人に書き直してもらっても、たいして書いた内容が変わらなかったり、全然私がやっていない成果内容に何箇所も書き直されて返ってきたりしました。確か1週間は添削してもらい放題みたいな感じだったと思いますが、相手の返信にも1−2日かかるし、2−3回見てもらって終わりました。親身になって一緒に作ってくれる人と議論しながら書く方がずっと良い内容になりました。ただ、不自然な英語の表現とかをかっこよく言い直してほしいときには利用しても良いかもしれません。(今ならChatGPTで十分な気もする)

2022秋頃・本格就活開始

厳しすぎる就活・・・

できあがったResumeと、やりたいと感じた仕事内容のところをベースに、いくつかローカル企業の求人に応募してみました。応募に使ったのはLinkedIn、Indeedなどのwebsiteがメイン。
が。。。全然通りません。新卒のときみたいに全然通らない。。。
日本でいくら積み上げてきたものがあっても、他の候補者はきっと世界的に優秀な人たち(スタンフォードとかビッグテック等にいる人たち)。そんな人たちが集まっているようなベイエリアでエンジニアとして働こうとしても、コネクションも現地の就業経験もない人が全然受かるわけがありませんでした。
さらに、身をもって感じつつありましたが、アメリカ就活の大前提として「コネクションがない」というのは絶大なるハンデだったのです。。。日本の就職活動では考えづらいですが、経歴が立派な人でも、どこの馬の骨かわからない人を採用することはほぼないようです。これはいくらResumeを頑張って書いても、Cover Letterを頑張って書いても、どんなにEarly applyでも関係ありませんでした。
今となっては大変恥ずかしいのですが、旧帝大のエンジニア系学部を出ていたこともあり、日本の新卒就活ではそこそこ面接も通過し内定ゲットしていたこと、そして一部上場企業でエンジニアをしていた経験から変なプライドがあったようで、当時はかなり凹みました。。。今まで日本で相当勉強・努力して積み上げてきたものが、全然武器として使えなくなってしまっていたのでした。

エージェントを使っての就活

その頃、似た時期に来て就活していた現地の友人に、エージェントP社 (バレバレですが笑) を介した就活が受かりやすかったと紹介してもらいました。日系企業のアメリカ求人の案件が中心で、かなりの案件数を扱っています。早速使ってみることにしました。
会員登録みたいなこともwebsite上でしたのですが、それだけでは特に連絡は来ませんでした。気になる求人をサイトで見つけたので、求人の最下部に記載されていたエージェントの方のメールアドレスに連絡したことで、返信がありました。
一度zoomでお話し、希望条件などを聞いてもらった上で関係していそうな求人をいくつか紹介してもらい、アプライすることにしました。

ZipRecruiterにも登録

同時期、ZipRecruiterというサイトにも仕事を探していること、Resumeなどを登録しました。これは企業側から候補者を探しに来るサイトのようですが、私の場合は日本の経験が強かったこともあり、日系エージェントT社から電話がかかってきて求人を紹介される流れとなりました。
こちらは少し興味をもった1社にアプライすることにしました。

コネクション経由の仕事紹介

さらに同時期、友人経由でつながった方とお話していて、面白そうな&バックグラウンドに合いそうな日系企業を一つ紹介してもらったので、こちらは面接というか面談という感じで一度中の人とお話してみることにしました(のちに出てくるC社)。

どんな仕事・会社にアプライしたか

エンジニア経験があったこと、日英バイリンガルであったことから、その両方を活かせそうな職種を中心に受けました。エージェントP社・T社ともに、書類選考を通らないと相手先の企業名を出せないということだったので、公開されていたJob Title/Job Description/勤務地/給与目安などをもとにアプライ可否を決めました。会社規模や雰囲気など、わからないことがあればエージェントに聞くとわかる範囲で教えてくれることもありました。
ベイエリアは日系企業が多めなのと、今年(2023年)と比較しても2022年は求人数も多かったのはラッキーだったなと思います。

ざっくりですが以下のような職種を受けました。
◆Sales Engineer系
日系製造業に多めの職種で、日系メーカーが日本の研究所や工場でつくったものをアメリカに持ってきて売る、というような仕事です。日本のエンジニアは英語が話せない人も多いため、日英バイリンガルかつ技術の話ができる人が求められているのを感じました。ただ、「技術」といっても幅が広すぎて、自分の知っている内容に合致するものはとても少なく感じました。私も製造業のエンジニア経験がありましたが、ぴったりのものはほぼありませんでした。

◆IT Engineer系
日系IT企業でのエンジニア職です。製造業のSales Engineer職のように決まった形はなく、企業によって仕事内容は異なっていました。

◆PM系
珍しいと思いますが、IT企業でのPM職も見つけました。

面接をした案件数はトータル10件くらい、ほか書類落ちは数件くらいだったかと思います。自分でLinkedIn等でアプライしていたときは全く通らなかったのに、確かにエージェントを介した就活は比較的通りやすかったです。

どんな面接だったのか

日系企業中心といっても、社風はいろいろでした。駐在員がつくって大きくした会社はやはり日本の色が強い・ほぼ日本人の会社が多め。現地の会社を買収して日系企業となっている場合はローカル感が強めなど。日本に大きめの会社があって、支社やグループ会社としてベイエリアにオフィスを置いているものが大半でしたが、規模は数名~数十名くらいまで様々で、働き方もリモート・ハイブリッド・フル出社等いろいろ。トップダウンの雰囲気が強いところ、フラットな社風のところなど、雰囲気もいろいろで、たくさんの会社を見ることができる過程は純粋に面白かったです。

初回面接は大体電話かzoomで、HR系の人とお話することが多かったです。HRは日本人の場合とローカルの方の場合両方のケースがあり、言語は日英半々くらいだったかと思います。面接内容も割と一般的で、自己紹介、志望動機、過去の経験の深堀りなど、よくある質問中心でした。小さな会社だと初回からチームメンバーやマネージャーと話すこともありました。

2次面接以降はzoomかin-personで、チームメンバーやマネージャーと話すことが多かったです。in-personの場合は、車で会社へ行って面接していました。エンジニア系職種だと技術的に一歩踏み込んだ質問などもありました。早いところだとこれが最終面接でした。

3次面接以降は、偉い方が出てくるケースが多かったです。部長職、社長職など。日本側の方々と繋いで話したこともありました。面接以外に課題を課すと言っているところもありました(諸事情によりそこまで進みませんでしたが)。

結果、、、

ほとんどの会社の面接を同時に受け始めた結果、ある意味当然ですが2次面接を最終としている会社(以下A社)が一番早く結果が出て、やっと一つ内定を得られました。エージェント経由でA社からのオファーレターがPDFで送られてきました。オファーレターには以下のような情報が載っています:
・年収額(Job Descriptionに一応目安範囲は載っていますが、その中でどこに設定されたか)
・勤務開始予定日
・返事の期日
初オファーで大変嬉しかったものの、A社はかなり日本本社の権力が強そう(面接中にアメリカ支社が日本側の機嫌をうかがっているのが明らか)だったこと、また、あまり私のやりたいことにも近くないことから、入社は見送ろうと思っていました。ただすぐには断らずにいました。

2つのエージェントを使っていたので、A社を扱っていなかった方のエージェントにももらったオファーの内容を伝えました。相談にのってもらった後、面接中の他社にも内容を伝えてもらえ、期日までに決着がつけられるよう早められる会社は最終面接を早めてくれました。オファーの期日は1週間弱くらいだったので、ほぼその期間中に最終面接がいくつかリスケされました。一部の会社はスケジュール的にリスケ不可だったのか、面接日程を変えない会社もありました。

早めた面接の中で、B社という会社がありました。この会社は、業務内容的にとても気になっていたのですが、受けていた会社の中で一番給与目安が低いという状況でした。リスケされた最終面接の翌日に無事オファーをいただき、内容を確認したところ、A社オファー同額まで支給額をあげて(差額$20k程度)出してくれていました。
B社はcontractを数か月した後直接雇用になるという形を取っていたのでオファーレターはなく、メールで直接内容が書かれて送られてきた形でした。

この時点でB社の方が行きたい気持ちが強かったため、A社のオファーは辞退しました。他の面接していた会社にも、エージェントから感謝の言葉と辞退する旨を連絡してもらいました。

最後に1社、人づてで繋がっていたC社について、大変面白そうな会社でバックグラウンドにも合っていて、とても気になっていました。C社の方となかなか会える日程が決まらず、B社のオファーを受け取った状態で初めて会うことになりました。(段階的には1次面接以前の面談という形。)
もし話が進んだら、オファーが期限内に回答できない可能性もあり、進め方は大変迷っていました・・・
C社の方との面談後、中の方に相談してもらったところ、今は特に人を採用する予定はないとのことで残念ながら話はなくなってしまいました。

最終的にB社への入社を決め、エージェントへ伝えました。この時点で、帯同休職扱いとなっていた前職を退職しました。
2週間程度で入社し、勤務を無事開始することができました!

振り返ってみて

まず、エージェントなしで自力でアメリカで就活するのは相当きついです。。。コネクション、知識経験経歴、会社とのマッチングなどすべて揃わないといけず、私は完全に負け続けてしまいました。

次に、日本語を話せることを武器にして探せば、日英言語を武器にするエンジニアの仕事は日系企業中心ですが割とありました (当然ですが地域にめちゃめちゃよります)。ただ、技術系の方は想像できる通り「エンジニア」といってもどういう技術や製品をもつ会社なのか内容は様々で、なかなか自分のバックグラウンドと合う会社を探すのは難しかったです。会社の雰囲気とか働き方など他の点を考慮すると、合う仕事はさらに狭まりました。。

ネガティブなまとめばかり書いてしまいましたが、そうはいっても総合的に当時やれることはすべて必死でやっていたし、今から振り返ればいろいろ改善点はあるものの、これで良かったのだと思います。自分であれこれ模索しながら居場所を探す経験は、大きな糧になりました!

以上。1度目のアメリカ就職活動のお話でした。ご興味があれば、2度目の就活記録もどうぞ・・・・🙇🏻‍♀️


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