見出し画像

マインディアが保有する国内最大規模のコンバージョンデータの特徴と活用事例

皆様、こんにちは。マインディアでデータストラテジストをしている山田です。
先日弊社から、「メールベースの横断コンバージョンデータが国内最大に」というプレスリリースを発表しました。

<プレスリリース概要>

  • メールベースの横断コンバージョンデータの保有量が国内最大となった

  • 課金コンバージョンも非課金コンバージョンも保有している

  • マインディアが提供するスマートフォンアプリ『Pint』利用者から許諾を頂いて収集しているゼロパーティデータである

プレスリリースでは簡単にしか記載できなかったデータの特徴や活用方法について、より詳細を深掘りしながらご紹介します。

ゼロパーティデータについて

そもそも、ゼロパーティデータの定義とは?

本題に入る前にプレスリリースで利用していた「ゼロパーティデータ」という言葉について、まだまだ広く認知されている言葉ではないため、簡単に説明します。最初に「ゼロパーティデータ」という単語を利用したForrester Research社はゼロパーティデータを指して「顧客が意図的・積極的に企業と共有するデータです。ゼロパーティデータには、メール受信設定のデータ、購入意思、個人的背景、顧客が企業に『自分』をどのように認識してほしいかなどが含まれます」(翻訳。原文は下記参照)と表現しています。

Data that a customer intentionally and proactively shares with a brand, which can include preference center data, purchase intentions, personal context, and how the individual wants the brand to recognize her.

出典:https://www.forrester.com/blogs/straight-from-the-source-collecting-zero-party-data-from-customers/

ゼロパーティデータは種類に応じていくつか取得方法がありますが、マインディアではメールの受信情報を取得しており、「メールベースのゼロパーティデータ」を保有しています。

ゼロパーティデータとは、どういうデータなのか?

メールベースのゼロパーティデータは企業が自ら情報を収集するという面で、「広義のファーストパーティデータ」の一部ではありますが、会員登録や購買といった企業が自動的に収集するデータだけではなく、趣味嗜好を含めたよりパーソナルな情報を顧客が積極的に開示している点が特徴的です。

また、セカンド/サードパーティデータとは異なり、顧客が自身の意思で積極的に提供しているデータであり、第三者機関での憶測や編集、整理が加わっていないデータでもあります。

そのため、鮮明にリアルな顧客像を理解するという観点で見た時に「情報の質」が高いといえるだけではなく、近年徐々に進んでいる「Cookie規制」への対策としても非常に強力です。

ゼロパーティデータはその特徴から、収集のために顧客の積極的な協力が必須となるためデータ量が確保しにくいという点が一般的な課題感として挙げられ、「質は高くCookie規制にも強いが、多く収集することが難しいデータ」です。
マインディアで保有しているデータはプレスリリースの通り、その課題を突破し国内最大規模のデータ量となっています。プレスリリースの内容を少しフランクに言い換えると「マインディアは質が高くCookie規制にも強いデータを大量に保有しているという稀有な存在になったのである」と自負しています。

市場の課題感とゼロパーティデータの有用性

顧客のオンライン上での行動は、コロナ禍以降加速度的に多様化が進んでいます。その中で、各企業はより自社顧客のエンゲージメントを向上させるべく、顧客理解に努めています。

しかし、各企業が取得するオンライン上での顧客の行動データは非常に貴重な情報であるがゆえ外部公開はされず、各企業は自社で取得したデータ以外にはアクセスが出来ないのが通例です。例えば、メーカー企業であれば、自社D2Cサイトで購入してくれた顧客のことは分かっても、外部サイトで競合製品を購入した顧客がどういう顧客なのかといった情報は把握できません。また、ECモールの運営企業であれば、自社モールの利用者は分かっても、その顧客の他社モールや他サービスの利用状況のデータは取れません。「多様化した顧客行動から顧客理解を深める」という観点で考えると、アクセスできるデータの範囲が狭いのは非常に大きな課題といえます。

そこで、有効になってくるのが、メールベースのゼロパーティデータです。

マインディアでは、顧客からメールベースで情報を頂くため、サイトやサービスで分断されず、1顧客の行動をサイト横断で顧客を軸に追い続けることが可能です。我々は、そのデータの特異性を活かすことで、従来「必要性は分かっていてもアプローチができていなかった観点」からの分析を、各クライアント企業に様々な形で提供しています。

マインディアのデータの有用性と活用事例のご紹介

「データ量が多い」という点をもう少し細かく見ると以下の3つの特徴に分けることができます。それぞれを深掘りする形で具体的なデータ活用事例をご紹介します。

  • 1日当たりのトランザクション量(データ量)が多い

  • 過去にさかのぼってデータを保有できている

  • 様々なサイト/サービスのデータを網羅的に保有できている

1日当たりのトランザクション量(データ量)が多い

<トランザクション量が多いことでの利点>

データ量が多いと聞いて1番最初にイメージする内容かとは思いますが、1日あたりに発生するトランザクション量(データ量)が多いです。
トランザクション量が多いということは、例えば、EC購買データに限定していえば「市場全体のEC購買のうちマインディアが保有しているEC購買データの割合が高い」とも言い換えられます。

それにより可能になるのが「EC市場の概況把握」です。

オフラインでの市場調査同様に限られたサンプリングデータからの推定で市場調査を行う形ですが、オフライン同様、精度を左右するのはやはり「データ量」です。当然、データ量だけではなく推定ロジックも重要ですが、マインディアではデータ量があるからこそ、従来ECモール運営会社でしか把握しえないモール内でのメーカー別のシェアを把握することができます。加えて、逆にECモール運営会社でも把握しえないECモールを横断したオンライン市場全体でのシェアのレポーティングを精度高く提供可能です。

<実際の活用事例>

大手食品メーカーのお客様と、定点的に特定カテゴリの商品の市場調査が可能なダッシュボードを構築しています。本来であれば、メーカー視点では各モールの運営会社から開示がされず把握したくてもできないデータを、マインディア提供のサービスにアクセスすればいつでも把握可能な状態を整備して、ご活用いただいています。

過去にさかのぼってデータを保有できている

<過去にさかのぼってデータを保有できていることでの利点>

ゼロパーティデータは取得方法にもよりますが、顧客が「提供する」という意思表示をしたタイミング以降のデータしか取得できていない例が多くあります。しかし、マインディアでは、許諾をいただいたタイミング以前に発生していたメールベースのコンバージョンデータも取得することが可能です。

この点と、1点目の「1日当たりのデータ量が多い」点とをあわせて可能になるのが、過去から現時点までの市場概況の推移を把握することです。

「今どうなっているのか?」を把握するのは当然大事ですが、それに加えて過去のデータを把握しないと、解像度高く自社や競合の情報を把握することは難しくなります。極端な例ですが、同じ「カテゴリ内で3位のシェア」という事実があったとしても、1位から徐々に転落しての3位と10位からじわじわと上がった結果の3位では意味が変わるためです。

<実際の活用事例>

医療系消費財を扱うメーカーのお客様と、同じカテゴリの商材内で顧客がいつどのタイミングで購入する商品をブランドAからブランドBに変更した、などといったブランドスイッチ状況の可視化をしています。メーカー側からすると従来扱うことができない、モール内での競合製品購買状況まで含めたカスタマージャーニーの可視化が可能です。

様々なサイト/サービスのデータを網羅的に保有できている

<網羅的にデータを保有していることでの利点>

データ量が多くなる背景として、「サイト横断」で「課金コンバージョンも非課金コンバージョンも取得している」という点が挙げられます。メールベースのデータはフィルタリングせず全量を取得しているので、多種多様なサービスでのコンバージョンデータを把握することで、顧客行動をより面的に捉え、顧客理解を深めることが可能です。

<実際の活用事例>

ECモール運営を行うお客様と、自社の利用者が他に利用しているサイト/サービスをランキング形式で可視化する取組みを行っています。よく一緒に利用されるサービスに対して広告出稿を強化するなどの施策を取ることで、潜在顧客を自社のモールに流入させることが可能です。

<コンバージョンデータ以外の利用方法について>

マインディアが保有するデータにはプレスリリースで発表した、課金/非課金のコンバージョンデータ以外にも、例えば日々のメルマガの受信状況などの非コンバージョンデータも含まれます。そのユーザーがどんな情報を求め、どんな情報に触れているのかを把握することで、ユーザーの嗜好性や、コンバージョンに至る前段階で潜在的に求めているものの推定に繋げることができます。
大手食品メーカーのお客様と、売り出していきたい特定商品の購買経験があるユーザー像を解像度を高く理解していくための取組みを行っており、その際にもこのメルマガの受信状況は有効な情報源としてフル活用していただいています。


ここまで長文にお付き合いいただきありがとうございました。
保有しているデータの特徴や実際の活用事例についてご紹介させていただきました。
マインディアでは、「データの特異性」x「データ量」を活かして、これまで様々な制約によって分析ができていなかった観点での市場分析や顧客分析を通じたマーケティングの強化にお役立ちができるように、引き続き保有コンバージョンデータ量の拡大、ならびにご提供可能なソリューション開発を行っていきます!

もし、記事を通じてマインディアのデータをビジネスに活かしたいと思われた方はこちらから

マインディアにジョインしこれらのデータを元にクライアント企業を支援をしたいと思われた方はこちらから

それぞれお問い合わせくださいませ。