マガジンのカバー画像

(連載小説)パーク〜小さなお話

8
何か変な物語、でも少し切ないストーリー。連載中の「パーク〜小さなお話」をシリーズでまとめました。
運営しているクリエイター

#夕暮

(連載小説)パーク〜小さなお話4

(連載小説)パーク〜小さなお話4

あり得ないと思った。

終業と同時に飛ぶように会社を後にし
散々迷ったスーパーの買い出し
(お気に入りのお惣菜購入)も止め
気持ちはマッハな勢いで走る、走る。

まぁ、仕事用のフラットシューズで駆けるには
限界があり、実際は少しの早歩き程度なのだが。

迷わずにいつもの公園に向かう。

帰り道、通りすがりにチラ見する程度だった
あの何の変哲もない公園に今や
明確な目的を持って急(せ)いているなんて

もっとみる
(連載小説)パーク〜 小さなお話2

(連載小説)パーク〜 小さなお話2

いつもの小さな公園で、様子がいつもと違うという、ささやかな変化を体験した翌日。
私はとある探し物を漁るべく、押し入れに半身を突っ込んだ姿勢で、かなりの時間を費やしていた。幸いに休みでやる事もなく、時間はたっぷりあったのだ。

狭い押し入れは暗くてもスマホのライトで充分に光は届くはずなのに、なにせ肝心の探し物が見つからない。ずっと窮屈な姿勢のせいで、だんだんと腰が痛くなり、もはや限界となった矢先

もっとみる
(連載小説)パーク〜小さなお話1

(連載小説)パーク〜小さなお話1

短編小説のような小さなお話〜不定期ですが少しずつ書きはじめようかな。

始まりは突然、空高くリズミカルに舞うボールが
白と夕闇のコントラストで私の心占めた。
持ち主と白いボール、平凡な私が何思う。
解らぬままに魅了された日々。

それは私のいつもの帰り道。
仕事を終えると、もうくたくたで足取りなんかはとぼとぼと、道すがらの小さな公園にちらりと目をやるのが日課。

立ち止まるでも無く立ち寄る訳でも無

もっとみる