シェア
とし総子
2023年12月24日 17:03
私の中の詩たましいのスケッチだと言ったり窓枠で切り取った世界の一瞬だと言ったり私の鼓動をうつしたものと言ったり口の端に上った音だったりそれはつまり本体よりも本体らしい顔をしたつまみ食いの一口私を語らず私の語りたいもので描かれた私の細胞に触った光と影だ私の詩を抱いて私は眠り 起きあなたに会い あなたを去る何度も振り返りながら私の詩が花だったなら大きな大きな花束をお
2023年12月23日 21:21
おばあちゃんは、毎日何かを書いていた。それはどこにでもあるような薄い青色のノートで、いつもそのノートを使っていたから、私は大きくなるまでおばあちゃんは魔法のノートを持っているのだと思っていた。使っても使っても無くならない、そんなノート。それをおばあちゃんに話すと、おばあちゃんは笑って「そうかもね」と言った。 おばあちゃんはいつからか、ノートを一冊使い切ると私にくれるようになった。最初にそれを
2023年12月13日 21:14
木こりよ私の内の山肌が光に飢えて 細やかに震えるだから腕のいい木こり私の内に繁る樹々を切っておくれお前は大きな斧を振りかぶり固い手は握りしめ静かに脈を打つように長く生きた私の樹々を安らかに横たえてくれる木こりお前の朝は早く 日が熟れる頃に手を止めて必要な動きで一日をおさめる夜は星を仰ぎ休んでくれ山はその肩を抱くだろう柔らかに草は足を撫でて木こりああそ
2023年12月7日 09:12
私は私の文章を知らなかった私の中で私の文章は面白味が薄くありきたりの風景の連続をどうにか整えて色を感じることができる程度の文章だと思っていた はじめて視るときには疑問に浸されじっくり見つめると ぼんやりと影が捕えられそっと覗いてやると やっと中心の輪郭を見るそんな分かりにくいものだったとは一切 横切りもしなかったそういった私にひとは驚いた目 ひとの目に反射するさまを
2023年12月2日 23:12
字が小さいとか、汚いとか、糊がはみ出したり、ページがくっついたりしましたが、出来ました!久しぶりの手作り詩集。こんなふうになりました〜。