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2023年12月の記事一覧

「私の詩」(詩)

「私の詩」(詩)

私の中の詩
たましいのスケッチだと言ったり
窓枠で切り取った世界の一瞬だと言ったり
私の鼓動をうつしたものと言ったり
口の端に上った音だったり

それはつまり本体よりも本体らしい顔をした
つまみ食いの一口
私を語らず
私の語りたいもので描かれた
私の細胞に触った光と影だ

私の詩を抱いて
私は眠り 起き
あなたに会い あなたを去る
何度も振り返りながら

私の詩が花だったなら
大きな大きな花束をお

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「あたらしい朝に」(ちいさなお話)

「あたらしい朝に」(ちいさなお話)

 おばあちゃんは、毎日何かを書いていた。それはどこにでもあるような薄い青色のノートで、いつもそのノートを使っていたから、私は大きくなるまでおばあちゃんは魔法のノートを持っているのだと思っていた。使っても使っても無くならない、そんなノート。それをおばあちゃんに話すと、おばあちゃんは笑って「そうかもね」と言った。

 おばあちゃんはいつからか、ノートを一冊使い切ると私にくれるようになった。最初にそれを

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「わたしの樹々を切りなさい」(詩)

「わたしの樹々を切りなさい」(詩)

木こりよ
私の内の山肌が
光に飢えて 細やかに震える
だから
腕のいい木こり
私の内に繁る樹々を
切っておくれ

お前は
大きな斧を振りかぶり
固い手は握りしめ
静かに脈を打つように
長く生きた私の樹々を
安らかに横たえてくれる

木こり
お前の朝は早く 
日が熟れる頃に手を止めて
必要な動きで一日をおさめる
夜は星を仰ぎ休んでくれ
山はその肩を抱くだろう
柔らかに草は足を撫でて

木こり
ああそ

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「わたしの文章」(詩)

「わたしの文章」(詩)

私は私の文章を知らなかった
私の中で
私の文章は
面白味が薄く
ありきたりの風景の連続を
どうにか整えて色を感じることができる程度の
文章だと思っていた
 
はじめて視るときには疑問に浸され
じっくり見つめると ぼんやりと影が捕えられ
そっと覗いてやると やっと中心の輪郭を見る
そんな分かりにくいものだったとは
一切 横切りもしなかった
そういった私に
ひとは驚いた目
 
ひとの目に反射するさまを

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12・2(日記 手作り詩集完成)

12・2(日記 手作り詩集完成)

字が小さいとか、
汚いとか、
糊がはみ出したり、
ページがくっついたりしましたが、
出来ました!
久しぶりの手作り詩集。

こんなふうになりました〜。