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のこされた手紙とノート。(くそネタ・ダーク編)

友「引越すから片付け手伝ってくれって言われて、アイツの家に来たけど、汚い部屋そうやな」

私「おお、来てくれて悪いな。上がってくれ」

友「お邪魔するわ。

…あれ、なんや、片付いてるやん。
アンタの部屋なんてゴミ屋敷かと想像してたわ。生活家電すらもうないやん」

私「引越すまで室内キャンプ生活すんねん」

友「間違っても室内で火打ち石で火を起こさないでね」

私「中々捨てられへんもんがあってな、それを一緒に片付けてくれ」

友「何これ。この段ボール一箱だけなん?」

私「そうや」

友「中身は何や、変なエロ本とか同人誌入ってへんやろな」

私「ワイの昔の若い頃に書き溜めていた遺書が押入れから発掘された」

友「は?」

私「今日はその遺書を、一緒に楽しく読んで片付けてくれへんか」

友「一人でやれや!
大体段ボール一箱ってファンレターか?!どんだけ書いてたんや」

私「ベスト・オブ・マイ遺書セレクションを読むのが怖いんやて。そこにすごい才能があるかもしれんからな。ネタにもなるかもしれん」

友「今すぐ全部破いて捨てろ、それか燃やせ」

私「捨てよう思ったんやが、もしかしたらワイの死後に書籍化されて有名作家になれるかも、と思うと捨てられへんくてな」

友「第2のゴッホになろうとしてんのやな」

私「とりあえず開けてみるわ」

友「これ何?トイレットペーパー混じってない?」

私「それトイレットペーパーに書いたやつ」

友「それでケツ拭いてトイレに流せ」

私「ちょっと見せてくれ。
…ああこれ、よく見たらトイレで思いついてとっさに書いた買い物のメモか」

友「何が書いてあるん」

私「ロープ、包丁、ノート」

友「すごい死ぬ気満々セット

私「これ、レシートの裏になんか書いたやつもあるわ。当時買った物は……ロープと包丁とノートか。
あのトイペのメモを律儀に持って買いに行ったんやな

友「ホンマにホムセンで終活セット買ったんか」

私「お得なスターターセットみたいなのはなかったけどな。この時は店員さんに変な目で見られたわ」

友「犯罪者に見えたんやろ

私「ちなみにノートはネタ帳用やで!
決して遺書用ちゃう、3冊セットを3つ買ったわ」

友「生きたかったんか死にたかったんか分からんな

私「あとこのレシートの裏に、
"追加・練炭、ガムテープ"って書いてあるわ」

友「買い物のメモから人の行動と心が読めてくるとはな」

私「それは買ったレシートはないから、実際には買うてへんみたいや」

友「世界一買わんでええ買い物のメモやね

……

友「なんか見たら可愛い紙が沢山入ってるんやけど」

私「これはレターセットや」

友「…何に遺書を書いてんの?」

私「おそらく死後も女子力高いと思われたかったんやろな」

↑中学生が使いそうなレターセット

私「私のお葬式のお花は 薔薇やカーネーションにして下さい💐棺桶は、ピンク色でキラキラのデコレーション✨のものをお願いします♪
みんなありがと🍀」


……とか書いてある」

友「非常識なドアホすぎて親族が別の意味で泣くわ」

私「追伸・臓器の提供はしません😉👍
遺産もありません(てへぺろ)ごめんね!
あとはよろしく💓

あっ私、もう心臓動いてないんだった!💦
ハートマークは ダメ🆖だよね💦⤵」

友「うわ、どうしよう殺意湧いてきた…

あと絵文字の使い方がアンタの中学生時代のガラケーメールなんだわ」

私「多分中学生のときに書いたやつかな?」

友「早く病院行ってこれを精神科医と心理士に見せてこい

私「絵葉書もあるで」

友「何なの?マトモな遺書ないの?
いや遺書にマトモもクソもないんだけどさ」

私「お墓のイラストとワイの似顔絵と、今までありがとうって書いてある。絵心あるな、ワイ」

↑※お墓の簡易的なデザイン図

友「あと宛先は当時通ってた中学校、宛名はワイをいじめてたリーダー格の生徒や」

友「…ポストに入れなかった当時のアンタを褒めたいね」

↑おそらくこういうのが正しい絵葉書

私「あと習字の半紙もあるで」

友「はよビリビリに破って捨てろ」

私「毛筆の授業中にこっそり書いたんやろな」

友「はあ……一応聞くけどなんて書いてあんの」

私「じさつ」

友「シンプル」

……

私「ちゃんとしたA4のノートもあるわ」

友「長そうやな」

私「1ページ目

自分の葬式代が貯まらないので死にます。
ごめんなさい。」


私「下に小さく、"※これはボツ"って書いてあるわ」

友「理由が情けないからな」 

……

私「2ページ目

先立つ不幸をお許し下さい
先立つ不幸をお許し下さい
先立つ不幸をお許し下さい
先立つ不幸をお許し下さい
ごめんなさいごめんなさいごめんなさい」

友「うわ、怖」

私「よく見てくれ、これペン習字の練習や」

友「ホントだ、だんだん字が綺麗になってるね」

私「たぶん遺書を書くにあたって、綺麗な字で書きたいと思い立ったんやろ」

友「遺書を書き始めると、人は何かの向上心が出てくるんやな

……

私「3ページ目

Suicide note.
Dear all,my family and friends.
It will be my last letter.Sorry.
Thanks.
Best regards.

suicide,commit suicide,kill oneself,oneself to death,」

友「英語の羅列やん」

私「これは英語で遺書を書こうとして、途中で英単語を覚えようと勉強してたやつやな」

友「…もう私帰っていい?


それ誰に書こうとしてたの?妄想でアンタ外国人になりきってたわけ?しかも、Best regardsは基本ビジネスで使う締め言葉やろ…」

私「多分カート・コバーンに影響されたんやろな。
途中でかっこつけて筆記体で書いてたり、ドイツ語みたいなのもあるわ」

友「カルテかな?」

……

私「4ページ目

つかれた。もうつかれた。
字も上手く書けないし、英単語も覚えられない。
ドラマ見たい。勉強したくない。」

友「…何そのテスト前の中学生日記みたいなやつ?
あと習い事を一気に始めて疲れただけやろ。いっぺんに何でもやろうとすなって!身体にさわるから」

私「ホンマやな、何でも無理はアカンわ」

……

私「5ページ目 

俺はアイツを殺したい。
アイツを殺して俺も死ぬ。」



友「…いよいよアンタ犯罪の証拠残したんか」

私「これは創作のメモや、一人称が男やし。

あっ、これはBL小説のネタやわ(小声)」

友「あのさ…ノート使い分けてくんない?
絶対アンタ、ノートの取り方と授業の受け方ヘタクソやろ」

私「確かに学生時代は一つのノートにその日の授業の内容をメモしてたわ」

友「小学生以下やな」


……… 

………

………

………

………


私「あとまだ片付けなアカンものがあんねん」
友「何や、まだあるん」
私「君や」
友「は?どういうことや」
私「君はワイの相方で友達よな」
友「そうやけど」
私「もうワイは限界やねん。芸人やってても売れへんし」
友「それは分からんやろ、まだこれから…」
私「引越すのもウソや。この日のために全部処分した」
友「何なん…何のボケ振りなん?」
私「芸人は辞めたないし、お笑いはずっとやっていたい。君とのコンビも友情も終わらせたくない。でも全然ウケへんし、売れへん。それならこうするしかないんや」
友「おい、その手に持ってる包丁とロープとノートは何や」
私「このノートには、ワイの今まで書き溜めてきたネタが全部書いてある。これだけでも残しておけば、死後でも、もしかしたらワイらは売れるかもしれん。それだけでもワイは幸せや(ノートを置く)」
友「おい、冗談キツイで。何の真似なん」

私「もうこうするしかないねん(包丁で刺す)」
友「   」

私「今までありがとうな(包丁で刺す)」
友「」
私「今までありがとうな(包丁で刺す)」
友「」
私「これからもよろしくな(包丁で刺す)」
友「」

私「一生ワイとお笑いやってくれ」
友「」
友「」
友「             」

私「ワイもすぐ君の元へ行く。
君の右側は永遠にワイの立ち位置や(ロープを手に取り椅子に上る)」

……………

…………

………

……



..

.


私「っていうコントを思い付いたんやが、どうや?関東の笑いっぽくてカッコええよな?

伏線もあるし……ワイながら……」

友「いやマジで怖いねん!笑われへんやろ、気持ち悪い!最近マジにホラー映画観始めたやろ?!」


私「ヤンデレにハマった

友「他にもっとマトモなハマるもんないんか?!」

私「どっちかが生き残る脚本の方が後味悪いんかな」

友「どうでもええわ、はよそのネタ捨てろ」

私「無課金で推しが来るまでワイは死なへんぞー!(スマホでゲームを立ち上げる)」

友「元気で結構やわ」

____________
※この話はフィクションです。
暗いコント脚本を目指したらしい、うんこネタです。一度長文の下書きが消えて、しにたくなりました。死んだらアカンですよ。
表紙はカート・コバーンの遺書です(内容は知らない)

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