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『ほめるのをやめよう』を見て息子が慌てふためいた話~読書感想文


「え〜っ!!ママ、ほめるのやめちゃうの!?」

読書中の私を襲った息子の叫び声。

「困る!そんなの困るよ!!」と言わんばかりに本と私に近寄ってきた息子は明らかに焦っていました。

私は子育てにおいて「ほめること」に重点を置き実践してきたからです。

ほめられてスクスクフワフワと育った息子にとって、母がこのようなタイトルの本を読んでいたら大問題なのです。


『ほめるのをやめよう』〜リーダーシップの誤解

ふふふふふ。そりゃあ、困るだろう。そしてビックリであろう。

私だってビックリだよ。

まさか自分がこの本を手にする日がくるとは!


お恥ずかしい話ですが、今回【読書の秋2020】に参加するにあたり、

(こんな時にしか読めない本を読もう!思いきって普段は読まない分野、出版社を選ぼう!)と思いました。できるだけ難しそうな本を。

そこで手にとったのが『ほめるのをやめよう』だったのですが、

いやぁ〜、思いきったものの、いざ購入して帯をしっかり見て驚きましたよね。

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リーダー論って言ったって、私そもそもリーダーになったことないし。多分今後もなることないだろうし。

あまりに違う世界の本を手にしてしまった!と気づき途方にくれました。

さらに

「叱らない、ほめない、カリスマはいらない」とあります。

あらららら。

リーダーになったことはないけれど、私の唯一のリーダーっぽい?お仕事である育児において「ほめること」は最重要だと思い、実践してきました。それもダメだというのです。

叱ってもいけない、ほめてもいけない、カリスマもいらない。

これは大変だ…。気になる!すごく難しそうだけど気になる!!

でも、リーダーじゃない私なんかが読んでも良いんですかね?という一抹の不安が。

そんな気持ちの中、読み始めた本書でしたが…



すごく良くて一気読みしてしまいました!!!


いやー、もうビックリです。

リーダーじゃなくても読めました。

そして気づいたことが1つ。

私は今までの人生においてリーダーに恵まれてきたんだな、ということに。

私は社会に出て1度転職をして30代前半までしか働らかなかったので常に新人気分の「部下」であった経験しかないのですが、その時のことを思い出してみると、本書にあるようなリーダーたちにいつも引っ張ってもらっていたんですよね。

リーダーは部下に対して叱ったりほめたりしなくていい、勇気づければいいとあります。

私がお世話になったリーダーたちは皆、私の失敗を恐れず的確に指導し私が頑張った分だけをしっかり評価してくれました。

そういえばほめられたことも叱られたこともなかった。ただ一緒にワイワイして、わからなかったら教えてくれて、できたら「ありがとう」「助かった」と言ってくれました。時には「助けて〜」も。私も先輩方のお役にたてるのが嬉しくて「ほめてほしくて」とか「叱られないように」とか、そういうことを考えずに目の前のことに取り組むことができました。

あれ?

これって、もしかして…

自分が「リーダー」という立場じゃなくても何かしら気づくことができる本なんじゃないの?


今、私が主婦だから「今後リーダーになることもないだろう」と思っていたのですが、家庭内だって立派な社会。親として妻として、この本を読むことによって得られることがあるはず。

本書で私が1番気になった言葉がこちらです。

アドラーの言葉

『あらゆる対人関係は横の関係でないといけない』

「叱る」「ほめる」というのは縦関係の中で発生することですよね。

もし人間関係(リーダーと部下、対人関係)において、それが横の関係なら。リーダーであろうと部下であろうと親であろうと子であろうと、相手のことを対等に見て尊重できたら…

この本はリーダー論ではないです。

人間論です!!


あまりに息子が「ほめるのをやめよう」という言葉に慌てているので、

「これからは無理にほめるんじゃなくて、あなたの存在に感謝するだけ。いつもありがとう」と伝えました。

キョトンとする息子。それで安心したかどうか謎なので、この本をプレゼントしたいと思います。

大袈裟な話じゃなく、

リーダーも部下も、親も子も、先生も生徒も関係ありません。みんなに読んでほしい。

『ほめるのをやめよう』はそんな素敵な一冊です。






#ほめるのをやめよう

#読書の秋2020

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