"言葉"のコトバたち



だれかに大丈夫だって言ってもらいたかった。
そのくせ怖がって言い出せたこともなかった。
いつかは叶うはずさって思い続けていた。
そのくせ怠けて動き出せたこともなかった。
すべて検索できてしまう世の中で
そのくせ肝心なことは知ることのない世の中で
遠くの君とも繋がることのできる世の中で
そのくせひとりぼっちだと思ってしまう世の中で
すぐに発信できてしまう世の中で
そのくせこの言葉をどんな手段でどんなふうに発信したらいいかも分からないで
私は私であると
私は私だけの私になりたくて
もがいているの
これだけだ、これなんだって
言葉というものに
しがみついているの
他とは違う私だけの何かを
私たちずっと探しているの


**

少女漫画の世界に入る事もきっと虚しさを覚えて
少年漫画の世界に入る事もきっと恐怖を覚えて
現実の世界にいることは私を堕落させて
中間地点でふらふらしてるんだけど
それは案外
どんな世界にも自由に行けるってことで
いまのわたしにはまだ
きっと無限の選択肢があるはずで。
こんな言葉素直にかけるのもきっと今のうちだ


(2016)


這いつくばるように
その光に寄り添っていた
雨はこぼれ落ちて
その冷たさを頰に感じて
生きるとは
どういうことかなんて
詩をつらつらと書いていることに
満足していた
”最初感じた幸せに向かって
私たちは走っていくのだろうか”
たしかそんなような言葉
乾いた地面を濡らす雫が
また空へと吸い込まれていく
雲の切れ間から差し込む光の中で。
私たちの人生もきっとそうなんだと。
言葉でなんとなく理解した感情を
情景として見つめて
瞳に映されていくこと
長い長い劇を見つめさせられているの。

**

押し寄せてくるよ
どんどん
溢れ出てくるよ
次から次へと
私の証は生きがいは言葉にあるけれど
体験経験あっての言葉だからね。
悩んだっていい
私にはそれすらも言葉の海にして洗い流せてしまうのだから。
恨んだっていい
憎しみが言葉になる時そこに愛だって潜んでいることを気づかせてくれるのだから。
ただこの言葉たちが
海の奥底にどんどん沈んでいくのは辛すぎる
たまに光を浴びてキラキラと輝いて欲しい
私の感情が言葉になりその言葉たちに恩返しをするように私は生きていくのかもしれないね

(2017)



握りたいその掌があったの
拭いたいその涙があったの
叶えられなかった事実は
こうして言葉にして命を宿らせ
意味を持たせておこう
なにもできなかったなんて
無にすら
言葉で 形 を作る
過去のわたしの
悲しみと後悔
そして未来のあなたへの
戒めと期待
ネガティブな色に
突然現れる期待というポジティブさ
ほら言葉は すばらしいもの。


**

言葉を書かなくちゃ なんて
必死に捻り出した詩なんて
自分自身の心でさえ動かせない
溢れ出る感情あっての言葉だから
そういう悩ましい時期をもうわたし
越してしまったから
自分のコントロールもできるし
できることできないことも区別できるようになってしまって
ほんのちょっと生き方が器用になってしまったから
だから感情が溢れ出るシーンが
減ってしまって
言葉を書く頻度が明らかに少なくなってしまっていることに
危機感を覚えるのもわかる
けれど焦らないで。
ゆっくり目をつぶって耳を澄まして自分の心と向き合って対話して。
大丈夫。
ほんとは苦しいんじゃない? とか、なんでこんなにも嬉しいんだろう? って
ひとつずつ 自分から感情を引き出していって。
きっとそうした時に溢れ出てきた感情を取りこぼさないようにって言葉が出てくると思うから。


***

駆け上ってきなよ
どんな苦しみも屁でもない
この悲しみは無意味だ
塗り潰せば色は変わる
わたし次第で色は変わる
この言葉達は
今私の手によって生まれて
心から喜んでいるのが分かる
私の心から飛び越えて来れて
心から弾けているのが分かる
もっと出させてあげる
もっと鮮明に正確に純度高く
出させてあげるから。


(2018)

私はいまでも
言葉を書き続けているのだけれど
あの頃と変わらず
言葉を書き続けているのだけれど
どうでしょう
私の言葉は
誰かの胸をドンと震わせるような
そんな威力は放てているでしょうか
誰かの胸の奥をそっとなでるような
そんな優しさを感じられるでしょうか
そうであってほしい
そうでなくちゃだめだ
私はこれからも
言葉を書き続けていくのだろうけど
これからもずっと
言葉を書き続けていくのだろうけど
そうでしょう
きっと一番は他の誰でもない私自身のために
一生 書き続けていくのでしょう

**

たぶんそう
違う形で消化していくんだ
でも忘れないで
こうやって書き記してきたこと
決して恥じたりしないで
こうやって書き記してきたこと
決して悲しまないで
こうやって書き記すことが減っていくこと
わたし は消えないから
わたしが思ってきたこと
経験してきたこと
全て わたし になっている
それを言葉で書き記すか
わたし という存在で表すか
その手段や方法が変わっていくだけ
わたしの感受性や柔軟さ優しさ鋭さ醜さ儚さ
なんら変わりはしない
だから安心して。決して悲しまないで。そして確信して。
言葉という毛布なしにわたしが強く居られることを

(2019)



言葉が落ちてくることは減って
言葉をおびき寄せることのほうが
多くなった気がした


**

たぶんてか絶対
自分を生かすために書いてる
自分の言葉に一番感動するのは
まぎれもなく自分だ
だって同じ経験をし同じものを見て同じものを感じているから
たまたま近しい人達ももしかしたらわたしの言葉に共感してくれるかとしれない
けれどそれは完全ではない
疑問やすれ違いが多少は生まれる
だから仕方のないこと
けれど。だからこそ。
わたしは書き続けよう
その少しのマッチングを逃さないために
すれすれのところで誰かと共感しあえるために
わたしは書き続けよう。


**


わたしは言葉が好きだ
ふわふわとした曖昧な感情が
こうして浮き彫りになっていく様が好きだ
自分の言葉が好き。
自分の書く文章のリズムが一番慣れていて一番心地良い
一番共感できて
一番誇らしい
だからわたしはこれからも言葉を書き続けていきたい。
孤独で押しつぶされそうでも
わたしにはこれがあると
そう思えることがどれだけ救いか。
誰に否定されようとも
わたしのこれは絶対だ、と
そう言えることがどれだけ救いか。
ありがとうって思う
言葉が好きだという気持ちが
またこうして浮き彫りになる。
言葉を描くって好循環だ


(2020)



すがりつくものがある
苦しい時に
これだけは、と
嬉しい時に
これもまた、と。
手放せないものがある
それに意味を持たせるための
人生 なんじゃないかと
だからわたしが
いまもなおすがりついている
この 言葉を書く という行為で
どうにもわたしはわたしを
認められるようになりたいのだと
それ以前にわたしはわたしを
認めることができるように
誰かから認めてもらいたいのだと。
どうにもまだむりで
そもそも
意味を履き違えている可能性もあって
それでもその苦しみを迷いを
逃れるため
断ち切るため
乗り越えるため
昇華していくため
また 気がつけばすがりついている
それは大事にすべきなのか
手離すべきなのか
そんなこともわからない
でもまたすがりつく その繰り返し
その果てに
わたしが
たどり着いて良かったと
思える景色が
出会えて良かったと
思える 人が
感じることができて良かったと
思える 経験が
あることを いまはただ
祈るしか 想うしか ないんだ

(2021)


****

今回はiPhoneメモ帳で"言葉"と検索して出てきた詩(のような想いの吐露)たちです。

"言葉"はすぐそばにあるものですよね。けれど人間の持つ宝でもあります。
だって想いを共有する手段のひとつですから。

でも言葉はすごく柔いもので、そのくせに凶器です。
わたしたちは言葉で救われて、そしてすれ違って、絶望して、それでもまた言葉に頼ります。

時に真実を虚実にするし、真実以上に真実になるし、虚実を真実にもする、"言葉"。

わたしにとって言葉は自分を正当化するためのものだったのかもしれません。
いかにもな文章を作り上げることができたとき、すごく誇らしい気持ちになります。
わたしはわたしのこころの正しさを証明をしたいだけなのではないかと、いつからか薄々自己分析できていました。

でもこころに正しい間違っている、なんてないのです、実際は。
だからもっと突き詰めた時、「わたしのこころをだれかにもわかってもらいたい」のだと。。
承認欲求のぶつけどころが言葉、だったのだと。。

ここ最近です。このことに気付いたこと。

自分の持つ承認欲求が時にうっとうしいです。
ここを超えたところに行きたい。
でも超えるためにまた言葉にすがってしまう。

どうして人は言葉を持ったのだろう
心が 見えにくくなる
why? / YUI



かつて好きだった YUIの曲が思い起こされました。

こころを伝える手段の"言葉"が逆にこころを見えにくくする。。

なんて矛盾だろう、と切なくなりますね。

もう眠いから寝てしまおう。おやすみなさい。


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