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一番すきだから、一番きらわれてしまいそうな話もする

夫婦の安心感は、「とりあえずあなたといっしょに生きてみたいからそのためにがんばってみよう」っていうベースがお互いにあるっていうところからくる。


わたしはまだ夫婦になって、1年もたってないけど、旦那を信頼していて、心が丸裸状態で、

この安心感の正体はなんだんだろうってかんがえたら、このこたえにたどり着いた。


夫婦って、結婚したいほど好きだから、できれば一生を添いとげたい、きらいになりたくない関係で、

「一生いっしょにいたいから、そのためにお互い努力する」っていうことが前提にあるんだよね。

しかも、それをお互いに同意している。

それって、ミラクルですごいことだとおもう。


だって、友だちとか、会社の人とかだとそうはいかない。

まず、「きらいなことがあってもいっしょにいる努力をする」メリットがどこにもないから、

きらいなところがあってもわざわざ好きでい続けるためにがんばらなくていいし、

友だちとか同僚だと、たとえ自分が相手に対して「好きだから、長いつきあいをしていきたいから本音を聞いてください!!!」とおもっていても、

相手がそうじゃない場合もあって、しかもそれを確認するのってすごくむずかしい。


だけど、夫婦はそうじゃないんだよね。

できるだけいっしょに添いとげたいね、という気持ちが共通してあって、

そこにはお互いがわざわざがんばる理由がある。

***

例えばこんなことがあった。

旦那が常連になっているバーがあって、旦那はもう毎日でも行きたいくらいそのバーがすきなんだけど、

わたしはそのバーが苦手で、あまり行きたくない。

自分がだいすきなものを、だいすきな人がすきになってくれないって、すごくかなしいとおもうんだよね。

親が自分の恋人を気に入ってくれないとすごくかなしいよね。

旦那にとってはそれくらいかなしい事実なんだよね。

ふつうだったら、わたしだって、こんなこと話さない。

友だちに連れて行かれたバーがすきじゃなくても、その場をやり過ごすか、友だちがあまりにしつこくて毎回連れて行かれそうになったら少し距離をおけばいい。

「このバー好きじゃないから行きたくない」って言うこともできるけど、それって相手を少しがっかりさせるリスクが少なからずあって、その友だちと疎遠になるきっかけができる可能性がある。


だけど、旦那だから話した。身も蓋もない話をした。

だって、いっしょに生きていきたいから。そのために旦那はわたしの気持ちを知っておいてもらう必要がある。

そのときの会話では、

わたし「あのね、ごめん、わたしこのバーすきじゃない」

旦那「え、なんで!?!?!?なにがいやなの??(めちゃくちゃかなしそう)」

わたし「わたし、パーティーすきじゃないの知ってるよね。

このバーはすごくうるさいし、ドアがこわれててバンバン音がするのもいやだった。

それから、旦那さんが常連で店の人みんな知りあいのせいで、いろんな人に自分たちのテーブルに来られるのもいやなの。」

旦那「そんな…でも次からはドアから遠い席に座ろう、そしたら一つ問題は解決するよね。それから今日は初めて行ったからあれだけど何回も行ったらみきも友だちになれるよ」

わたし「うん、でもこれはね、わたしが苦手なことなの。

新しい人、たくさんの人、にぎやかな場所、わたしの三大苦手要素なの。

バーがどうとか旦那さんの友だちがどうとかそういうことじゃなくて、わたしの性格的に受けつけにくいことなの。しんどいの。

わたしはね、外交的じゃなくて内向的なの。苦手なところにいるとエネルギーが吸い取られるの。

わかる?わたしが持っているげんきポイントが100ポイントだとするでしょ。そしたらね、ドアが一回バンするたびに5ポイント減っていって、新しい人が来るたびに10ポイント減っていくの。

そういう状態なの。それをね、わかってほしいの。」

旦那「そうなんだ…ごめんね、ほんとうにごめんね、でもすごくかなしい…」

私「わたしもこのバーをすきになっていっしょに行けるようにがんばるけど、旦那さんにもわたしの気持ちをよーく知っておいてもらう必要があるの。

バーに行くとデフォルトでわたしがどういう状態になるか、知っておいてね。

必要なときは、ケアをしてね。わたしもがんばるんだから。」

という話をした。

***

それから、こんな話もした。

わたし「わたし、義父母といっしょにいるのがつかれる。しんどい。気をつかう。

自己嫌悪に陥るし、嫌われてないかなあっていつもビクビクちゃうの。」

旦那「そうなんだ…ごめん…いまは新しい家に移るのがむずかしいから…」

わたし「わかってるよ。義父母のことがきらいって言ってるわけじゃないし、旦那さんを責めてるわけではないの。でもね、知っておいてもらいたいことがあるの。

わたしはね、留学してたきのホストファミリーとのいざこざがあったせいで、英語を話すことにはトラウマを感じてるの。

あとね、人と関係を築くのがそこまで上手じゃないの。

”義父母”っていう関係は友だちじゃないし、どう接するのがいいか、器用にできないの。苦手なの。

わたしは人の顔色をうかがうし、立場をすごく気にするから、単純に自分を全開に出すみたいなことができないの。

難しいの。苦手なことなの。だからストレスを感じるしつけれるし消耗するの。」

***

もちろん、わたしだって旦那のことをかなしませたくないし、言いにくいし、勇気がいることだけど、それでもモヤッとしたことは話す。

違和感を感じて、けんかのもとになりそうなことや、わたしの機嫌を損ねそうなものがあるときは、すかさず、そしてできるだけ詳しく、説明する。


いっしょにいることが最優先だから、そうするしかないんだよね。


それは、わたしが不機嫌になって無駄なけんかをしないためで、

わたしが旦那のことをきらいになってしまわないためで、

きらいになってしまったあかつきに旦那にかなしいおもいをさせたくないから。

2人のために、そして旦那のために、「わたしのためになることをする」ことが、すごく大切だとおもうんだよね。

***

「いっしょに生きていく」前提があるから、そのための努力ができて、

そしてそれを自分だけじゃなくて「相手も同じ考えでいてくれている」ということがわかっているのって、

何にも代えがたい信頼と安心だ。


恋人のときも旦那のことはだいすきだったけど、恋人だったときには言えなかった身も蓋もない話を、夫婦になってからたくさんした。


大切だから、いっしょに生きていく前提でがんばる、

お互いがそこに同意していてがんばれると、それは信頼と安心になる、

信頼と安心が生まれると、相手がとても尊い存在になる、

尊い存在だと気づくと、相手をもっと大切にできる、

夫婦だからできるこの好循環をサイクルさせていくと、夫婦は長くいっしょにいられそうな気がする。


旦那と夫婦になれてよかったなと思うから、

一世一代の気合を入れて、

一番きらわれたくない相手に、ときには一番きらわれてしまいそうな言葉をかけながら、

むずかしそうなことも巧みに切り抜けて、

「すきだからいっしょにいる」ことを続けていきたいとおもうよ!





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