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財閥コレクションについて
益田鈍翁からみえる財閥と美術品蒐集の意義
明治以降、華族は衰退し実業家たちが美術品蒐集の主導となっていた。その中でも、旧三井物産(以下三井物産と記す)初代社長・益田孝は茶人として「鈍翁」の号をもち、蒐集家としても名高い。茶器はもちろんのこと、書や絵画、歴史的文物など数多のコレクションを有し、どれも国宝級の貴重なものである(1)。彼ら財界人たちによる美術品蒐集や、財界数奇者による茶の湯再興
「生涯学習における芸術の役割」
「生涯学習」とは生涯において学習する行為や理念のことであり(1)社会教育的な要素を含む。「芸術」は美的な物体・空間・時間の創作活動であり、個人の精神的なものをなんらかの技術をもって他者に伝えることが「芸術」に定義される(2)。
社会的な要素が強い「生涯学習」と個人的要素の強い「芸術」の組み合わせは一見相容れないようにみえるが、生涯学習において、地域や個人を繋ぐ媒体として芸術が折々活用されている。
高知の奇祭「早飯食い」
1土佐山村の高川仁井田神社
土佐山村は村の90%を占める林野と、鏡川の源流が流れる自然豊かな地域で、「土佐」という地名を持つ自治体として最も古いとされている。
土佐山高川地区の「仁井田神社」では江戸時代から続く「早飯食い」という奇祭が毎年11月8日に行われる。
地区民が拝殿に集い、各々配膳された「米」を皆が一斉にかきこむ、その名のとおり「早く」「飯を食う」祭りである。
2詳細
祭りの詳細につ
久隅守景«夕顔納涼図屏風»
【 久隅守景/夕顔納涼図屏風 】
・夕顔納涼図屏風について
元狩野派の絵師であった「久隅守影」の代表作であり、17世紀後半の作品で国宝に指定されている。
歌人「木下長嘯子(ちょうしょうし)」の和歌に則った作品であり、同題材で画僧の「明誉古磵(みょうよこかん)」、円山応挙の高弟「山口素絢(そけん)」が作品として遺しているが、いずれも小幅な作品である。対して守影の夕顔納涼図屏風は2曲1隻の大画面に