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令和のムスリム①



「令和のムスリム」


〇はじめに


今回「宗教学」のレポートで「イスラーム」について論じることが課題とされた。今日、日本人の宗教に対する教養は乏しいといえる。日本の主な宗教といえば「仏教」と「神道」が一般的であるが、何を起源とし、教えとしているのか具体的内容を把握している日本人は少ない。「宗教」という概念がないからこそ、この課題は机上の論では理解できないと考え、インドネシア出身のムスリム「エリーさん」に話を聞くにいたった。等身大のムスリムの女性を通じて学んだことを以下に述べる。


〇エリーさん


インドネシア出身のエリーさんだが、ご主人は日本人で、取材当日も付き添って難しい日本語やインドネシア語を通訳してくれた。エリーさんご本人は底抜けに明るく、「ママ友」とランチに行った話や、インドネシアと日本の家族の話をスマホの写真を見せてくれながら楽しそうに話してくれた。日本でもインドネシアでも、いかなる人にも愛され、いかなる人も愛せるような、素敵な女性なのだと感じた。エリーさんは実に明朗快活であり、なおかつ聡明な方で、日本語のチョイスが要点をえている。私は、おしゃべりが楽しくなって、つい話し込んでしまった。時折、通訳するご主人は優しく紳士で、こちらも聡明な雰囲気が漂う。ご主人とのやりとりの様子は、節々にお互いを想いあっている空気が垣間見られ、言葉ではあらわしがたい程しっくりきていた。エリーさんの「私のDestiny遠かった」という名言に私は「本当それそれ!」と、あまりにも府におちたので、手を叩いて笑った。


〇スカーフ


ムスリムの女性といえばスカーフのイメージがあるが、エリーさんをはじめ、巻く巻かないは自由だそうで、エリーさんはインドネシアの実家の写真を見ても巻いていなかった。今回お会いした時も、七分丈のTシャツに、パンツスタイルで、私達となんらかわりはない。「本当はこの服だと、ここを隠して、ここを隠す。フフフ。」と若い柔軟な思想の等身大のムスリムの女性がかいまみえた。スカーフはパートナーの男性に巻いて欲しいと言われると巻く、感覚だという。中東のメッカに近いムスリムの女性は口のあたりまでしっかり巻いているイメージがある。これは、風土的特徴として、日差しや砂嵐といったものをさえぎる合理的な面もあると教えてもらった。ほぼ目しか出していないため、目で素敵な男性にアピールするために、アイメイクに渾身している、のだという。これもまたムスリムの女性を身近に感じるエピソードである。


ーつづくー

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