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元中学国語教員。学校図書館司書。むかしenpitsuに詳細に結婚や育児について書いたの…

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元中学国語教員。学校図書館司書。むかしenpitsuに詳細に結婚や育児について書いたのに、いつのまにか泡と消えてた。言葉を紡ぐのがずっと好き。年下の大学生との恋愛の顛末を描いた短編は本になったことがある。

最近の記事

両手に抱えられない思いと花束とIKEAの袋7つ分の本と私物(辞校式の余韻のなかで)

10年弱に及ぶ職を辞することにした。 本当は、今の学校図書館に異動してきて まだ1年なので、このままいたかった。 だが、今年度から扶養から外れることになり、 そのくせ勤務日数も勤務時間も増えず 勤勉手当がつき時給が少し上がるとはいえ 手取りが減ることは確実なので 大学生2人同時の学費負担に このままだと耐えられそうにない。 苦渋の決断。 同じ職種の先輩方は 「人材の流出」だと心を傷めてくださり 自分たちに、何かもっとできることがあったのではないか、と自分を責め それでも

    • 韓国旅行3日目 安国、東大門、エオゲ、弘大入口

      この日のみ、朝はゆっくりめに起床。昨日のカフェミニョンのタルトだけ食べてから、安国の韓屋カフェへ。 Cafe Onion 映える写真を撮れそうなカフェだった。 でも、そこまでの情熱は持ち合わせてないので、ぱぱっと撮っておしまい。 パンツのポケットにモバ充いれて、それにつなげたまますごいカメラで、いい角度で後ろ向きの女友達を交代で、山盛りのデニッシュと渾身の1枚✨を という彼女たちの真似はできないけど、せっかくここまで来たんだから、もうちょっと写真撮るのをオットに一緒に

      • 韓国旅行2日目 明洞、DMZ、狎鴎亭、江南、新沙、永登浦、龍山

        2日目は、ほぼ今回の旅行の2大メインイベント。38度線近くまで行くDMZツアー参加と、江南界隈散歩。 朝5時半前に起きて準備して、7時に明洞駅10番出口に到着。集合時刻は7時20分だから、優秀👏 と思ったら、10番出口そばに、でっかい「粥」の看板あり。 オットの希望として、「朝ごはんにあわび粥を食べる」というのがあったので、(お腹すいてないけど仕方なく)行くことに。20分に集合なのに、お粥やのおじさんも、間に合うって言うし。 でも、バスに何分乗るか分からないから、トイレ

        • 韓国旅行1日目 弘大

          初めての韓国🇰🇷は、女友達と行きたかった。基本装備である『愛の不時着』すら見ていないオットと行ってもなー。。 せっかく韓国行くなら、ロケ地巡りしたいし、お洒落カフェで映える写真撮りたいし、のんびりコスメを選びたい。 けど、それらに全く興味のないオットと攻防戦を繰り広げ、まあ、まあまあの満足具合 ( ー̀дー́)و 13時成田発で仁川空港着いたのが16時。 ホテル直通のバスがないと窓口で言われて、地下鉄で移動。荷物持ったまま弘大へ。 Tマネーのカードを空港のコンビニで作

        両手に抱えられない思いと花束とIKEAの袋7つ分の本と私物(辞校式の余韻のなかで)

          愛の不時着の世界をより自分に引き寄せられるDMZツアー

          38度戦のいちばん近くまで行くことのできる、唯一無二の体験。 ガイドの丁さんが流暢に説明をしてくださるので、初めは大まかな説明を書き留めながら聞いていました。中身が濃くて初めて知ることも多く、いい学びになりました。同時に、帰ったらすぐに誰かに伝えたくなるような、「そうだったんだ!」というおもしろいエピソードも織り交ぜられていて、堅苦しさなく、ユーモアたっぷりでした。第三トンネルを歩く困難さも、あらかじめ何度も伝えてくれていたので、心構えができました。わたしは背が高いので、途

          愛の不時着の世界をより自分に引き寄せられるDMZツアー

          『窓ぎわのトットちゃん』非公認アンバサダー

          映画化される、という第一報が入った時から、待ちに待っていた公開日。 12月8日に初日を合わせてきたことから、これは、きちんと徹子さんの思いを汲み取ってくれる映画である、と確信していた。そして、そのとおりの作品になっていた。 小学生だったわたしが、毎晩母の読み聞かせを楽しみにしていた頃から40年の月日を経て、色と音のついたトットちゃんの世界に、出会い直すことができた。 松下奈緒さんと山本耕史さんの朝さんと守綱さんのドラマも、本当に完成度が高くて、当時としては、とてもハイカラな

          『窓ぎわのトットちゃん』非公認アンバサダー

          『アップサイクル! ぼくらの明日のために』佐藤まどか作 

          社会科の夏休みの課題をグループで考えていくのだが、全く説明くささを感じさせないまま、 読者の知識や世界が広がっていく。それは、魅力的なキャラクター造詣と、ぽんぽん弾むテンポのいい会話で成り立っているから。 普通の公立中では、なかなかここまでのことができる子も、それを受け止める先生の余裕もないだろうけれど、学びの本質は、こういうことなんだろうと思う。 ちょっとした事件も起こるのだが、その時の対応と言葉を、なにかといえば、すぐに双方に謝らせて握手させるような、典型的なダメなや

          『アップサイクル! ぼくらの明日のために』佐藤まどか作 

          「そうだ、選挙へ、GO‼︎」

          Netflixの『離婚しようよ』本当に面白かった。でもこれは、政治にまつわるエトセトラを追ってきてるからこそ、その面白さが分かるんだろうな。 『なぜ君は総理大臣になれないのか』や『香川1区』を映画館で観て、杉並区の区長選や区議会議員選を見てきて、女の人たちが自発的に各駅でひとり街宣を始めたり、事務所のデコレーションをしたり、写真やSNSなどで、各々が得意分野で推しを応援している様子が、まるでお祭りで、大人の文化祭みたいな感じを受けた。 参加されてる女性たち、すごく素敵な顔を

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          教え子たちとの、あんなこととかこんなこととか

          ①「好きやけ」 まだ図書室が正しく管理されておらず、学校司書も配置されていなくて、国語科の教員が多忙を極める合間を縫ってしか立ち寄らない頃。中学校の図書室は放置され、古い本の墓場と化していた。勤務していた学校には図書室が二つあり、一つは、まあ生徒たちの遊び場で人目もあったが、もうひとつの方は教室もない4階にあり、廊下を通る子も少なかった。 そこで本を探してほしい、と生徒に頼まれて勤務1年目の私は1gの猜疑もなく向かった。図書室にその子と入った途端、抱き締められた。一瞬、

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          教え子たちとの、あんなこととかこんなこととか

          「離婚しようよ」脚本も役者との親和性も最高オブ最高

          私はむかしから言葉フェチなので、クドカンのことも大石静さんのことも、それはそれは尊敬している。『いだてん』の時は、クドカンと同じ時代を生きていることに天に感謝した。ちゃんと大人として、ある程度の知識を持って経験も重ねた上で、クドカンや大石さんを味わえる、この至福。同じ時代を過ごしてきて、『あまちゃん』の1980年代いじりのような、むかしを面白がることもできるし、『セカンドバージン』という言葉を作り上げる凄さも理解できる。 『離婚しようよ』は、政治に言葉を壊されたことへの怒り

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          田沼武能 「人間讃歌」

          むかし、ライターもどきだった頃、素敵な上司がいた。髪が艶々で、歌舞伎鑑賞が趣味で、美食家で華やかなお洒落。デスクと2人で名店に○をつけてくれた銀座の地図は宝物だ。 「このナイフだと、トマトのサンドイッチでも、ぐしゃっとならずにスパッと切れる」と薦められたブレッドナイフは今も健在だし、 幻のタルトタタンは美味しかったし、名入り月餅は、次男誕生時の内祝いとして大好評だった。 その月餅は、彼女が通う歯科医のプロデュースのものだった。名を清薫洞、という。 「あの田沼武能さんの奥

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          田沼武能 「人間讃歌」

          映画「怪物」 怪物だーれだ?ネタバレあり

          前情報なしで観てきた。 瑛太も、子どもたちも、見え方が映画の最初とラストでまるっきり変わる。 Twitterを見ていたら、親、子ども、教師の誰もが怪物だった、という感想が多かった。 それを見た時、この坂本さんの脚本は、壮大な社会実験なんじゃないかという気すらした。 私には 「男らしくしろよ」 「あの先生、○○らしいよw」 「出た?」 「普通の家族を持って、、」 「おまえ、あいつのこと好きなんじゃないの?」 「あそこはシングルマザーだから」 「モンスターペアレント」 「み

          映画「怪物」 怪物だーれだ?ネタバレあり

          『金曜日のあたしたち』濱野京子作

          気候危機✖️恋愛 これでもか、これでもかというほど、事実としての危機的状況が描かれるにつれ、読者もどんどん自分ごととして引き寄せられていく。 第一志望の学校に受からなかったことに対するネガティブな気持ち、励まされた言葉に対する思い、いかにして今いる場所を自分の居場所にしていくか、なっていくかがリアル。中学受験する、小学6年生にもぜひ薦めたい。 濱野京子先生の作品は、今の日本社会に生きる子どものために書かれていると強く感じるので、使命感にも似た気持ちで子どもに届けたくなる

          『金曜日のあたしたち』濱野京子作

          2023年 課題図書12冊

          低学年向け 『それで、いい!』 ポプラ社 作 礒みゆき はたこうしろう絵 自分軸と他人軸について考えさせられる話。 『よるのあいだに… みんなをささえるはたらく人たち』 BL出版 文 ポリー・フェイバー  ハリエット・ホブデイ絵 中井はるの訳 自分に見えていないものは存在しないかのごとく振る舞う大人が 目につく昨今だが、そうではないことが可視化されている。 幼い時から、このような絵本に親しみ、見えていないところへの 想像力が養われていれば、先述のような人間は少なくなって

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          2023年 課題図書12冊

          白川郷にて

          高校の修学旅行で五箇山の合掌造りの民宿に泊まったことがある。コキリコ節を教えてもらった夜は楽しかったし、トイレが水鉄砲🔫だったのが、本当に衝撃的だった。のどかで、でも当時の高校生には、すごく地味に感じて、なぜキラキラした観光地に行かないのかすごく不思議だった。でも、今思うと、あれは本当に得難い体験で、あんな素朴なままの集落の暮らしを体験できたのは、貴重だった。確か、もと旅行会社にいた世界史の先生が、うちの学年にいたから、あんな渋くて価値のあるコースになったんだろうなあ。 ド

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          辞校式と図書室

          うちの自治体は、基本学校司書は3年で異動という不文律がある。なので、ある程度は覚悟しながら働いてきた。 コロナ禍前は、内示が出て、保護者にも事前に連絡がいき、子どもたちはお手紙などを用意する時間があり、最後は花道を通って、声をかけたり握手したり、花束をもらったり、背中トントンしたり、とレッドカーペット帰りの時の人のように囲まれて、別れを惜しむことができていた。 今回は、前日夜の急遽の一斉メールだったので、おそらくお忙しい保護者の方は見逃しているし、子どもに伝わっていないこ

          辞校式と図書室