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両手に抱えられない思いと花束とIKEAの袋7つ分の本と私物(辞校式の余韻のなかで)


10年弱に及ぶ職を辞することにした。

本当は、今の学校図書館に異動してきて
まだ1年なので、このままいたかった。
だが、今年度から扶養から外れることになり、
そのくせ勤務日数も勤務時間も増えず
勤勉手当がつき時給が少し上がるとはいえ
手取りが減ることは確実なので
大学生2人同時の学費負担に
このままだと耐えられそうにない。
苦渋の決断。

同じ職種の先輩方は
「人材の流出」だと心を傷めてくださり
自分たちに、何かもっとできることがあったのではないか、と自分を責め


それでも、新天地での活躍はまちがいないよ、
どこでもあなたならやっていけるよ、と
あたたかく、リジョンヒョクの肩幅並の
太平洋のような広い深い心で
送り出してくれた。

研修の最後に、ひとこと挨拶をする時間を設けていただけた。

調べる学習コンクールで、全国大会にいって
それで賞を取った子が、
受賞できたのは、図書の時間のわたしの話や
並行読書のおかげだと再会した時に話してくれたけど、
そのことには作品中でひと言も
1行も触れられていなかったよね?
と責めた話で笑いが取れてよかった←

だけど、確かに蒔いた種は
自分たちが見ていないところで
少し先になっても、確実にあちらこちらで
芽吹いているのだと信じさせてもらえるような
奇跡的な再会だった。

大人になってから、こんなにも仲良くなれる
ものかと思えるほどの、価値観の合う素敵な
同期に支えられ、助けられてきた。
育児の先輩でもあり、たくさんのことを
教わった。あのLINEグループは、これからも
優しくつながっていく。

辞校式当日は、職員室に行ったら
既に机上は、担任の先生方からの贈り物で
いっぱいだった。たった1年しかいなかったが
授業支援ができたこと、調べ学習をICTと併用して学校図書館でできたこと、若い先生方への励ましと共感、ベテランの先生方への愚痴聞きと労い、児童の情報の共有、、自分にできるかぎり、誠実に真摯にしてきたつもりだったので、それが伝わっていたのかと思うと嬉しい。

司書教諭は、クラスに招待してくれ
子どもたちからの色紙と贈り物を
用意してくださっていた。
もう少しご一緒したかった。愛のある先生。

朝からかわるがわる、いろんな子たちや卒業した6年の子たちや保護者の方が来てくれて、結局何の残務もできないまま辞校式に。

入場時に1年生たちがちいさい手を
伸ばしてくる。ああ、もう泣きそうだった。

お話は、いつも話してるのと同じだけど、
みんながたからものだということ。
みんなは本の主人公だということ。
そこに、私はちらっと登場させてもらえて
うれしかったこと。
主人公だけど、その本には、
きっといいことばかりじゃなくて、
ピンチもいやなこともあること。

それでも、そんな時に、学校図書館には、
力になってくれる本があること。
これまでに読んだ本の言葉が、
助けてくれることがあること。

金子みすゞの詩にある
「見えぬけれどもあるんだよ
見えぬものでとあるんだよ」
とあるけれど

その言葉どおり
学校から離れる先生たちは
みんながこれからも元気で大きくなってくれることを願ってる、そんな気持ちがあることを
話した。

最後の花道は、
あるベテランの先生が、ひとり一本ずつ折り紙の花をクラスの子に持たせていて
誰かに渡すように言っていたみたいで
一気に囲まれて、文字通り両手で抱えきれなく
なって、落としては拾い、また落としては拾い、前の先生のあとをついていくのが困難になってしまうほどだった。

このうえなくありがたいけど、手紙やプレゼントを用意しようにも思いつかなかった子や
きちんと並んだまま遠くから名前を呼んでくれながら、大きく手を振ってくれる子たちに
何もこちらからできなくて、
ごめんね、という気持ちにもなった。
レッドカーペットで神レベルのファンサができるスターたち、すごいわー。
コツを教えてほしい←

職員室でのお別れセレモニーも、司会も楽しく、すごくあたたかく、ラストは
先生方がアーチを作ってくださり、その中をくぐらせてもらった。あたたかいなあ。。

そのあと異動退職する7年生でランチに出かけ

ゴーダチーズトッピング🧀

戻ってから、IKEAの大袋7つ分の本などを車につめて、帰宅。

毎回、毎回、異動のたびに、
ありがたすぎるくらいの熱量の感謝と愛を
いただくのだが、今回もすごくて

この右にもフラワーアレンジメントのカゴが

お手紙の言葉やその熱さが、圧のように
覆い被さってきて、ちょっと帰宅してから
1時間動けないほどだった。

ありがたいけど、次のことをまだ考えられそうにない。

でも、来週引継ぎ。

情緒がヤバい。

あ、そういえば、辞校式で、わたしの挨拶の前に、わたしが席を立って台の前まで歩いている間、急に子どもたちがザワザワして
「ヤバイ」「ヤバイ」って言ってた。


語彙ーーーーー‼︎‼︎‼︎


くっそ!たった1年じゃ、適切な表現が
ぱっと出るまでには至らなかったかー
😂


でも、またそのあとの放課後
私の薦める本を貪り読み続けた3人の女子が来て

「先生は、
『わたしたちの人生っていう本に、出させてもらえてうれしかった』って
話してくれたけど、私たちの方こそ
先生、出てくださってありがとう、の
気持ちでいっぱいです😢」って

言ってくれて


染み入りました。

堀米薫さん、工藤純子さん、濱野京子さん、
いとうみくさん、佐藤まどかさんの本などを重点的に読んでくれた子たち。

ぜひ、お友達にもおすすめしていってほしいし、次の方にもたくさん話しかけて
わたしとは違った角度からの本を薦めてもらって、視野をさらに広げていってほしい。

やだー。
書いてたら情緒が落ち着くかと思ったけど
また泣きそう。

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