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「離婚しようよ」脚本も役者との親和性も最高オブ最高

私はむかしから言葉フェチなので、クドカンのことも大石静さんのことも、それはそれは尊敬している。『いだてん』の時は、クドカンと同じ時代を生きていることに天に感謝した。ちゃんと大人として、ある程度の知識を持って経験も重ねた上で、クドカンや大石さんを味わえる、この至福。同じ時代を過ごしてきて、『あまちゃん』の1980年代いじりのような、むかしを面白がることもできるし、『セカンドバージン』という言葉を作り上げる凄さも理解できる。

『離婚しようよ』は、政治に言葉を壊されたことへの怒り、言論の府である国会のあまりの凋落への絶望と軽蔑とを、まさかのエンタメで笑いとして昇華している。それをもってしてもなお、あの「募っているけど、募集してはいない」と言った政治家のことは決して許さないけれど。バカじゃないの?と思ったあの腹の底からの怒りが、まさか

「チューはしたけど、キスはしていませんかあ?」

という台詞になるなんて🤣

こんな神業、クドカンにしかできない🥺

せっかくの世界配信だけど、

「白チュー堂々路チュー」
の面白さは、やっぱり日本語ならではだよなー。

1話からちょいちょいコンプラいじりや政治家いじりも入ってる。

「10年後、
私はいくつになっているんだろう。
10足せばいい。44です。」

のポエム構文は、明らかに小泉進次郎。

(いま、小泉進次郎、って検索したら、
次に出てくる言葉は、迷言集だった)

Twitterでも名前を検索にいれたら、たくさん検索される言葉が次々と出てくるのも、今っぽいなあと思った。

あと

「ないないないでしょ、あんな夢みがちな雰囲気バカ。
いいの、顔だけです」

も、そうかなのかな?

政治家の答弁の原稿もだけど、国会や国会ウォッチャーのツイートを見るまで、まさか政治家があんなに漢字読めないとは知らなかった。こんなところにまでふりがないるの?って、申し訳ないけどバカなの?って思った。義務教育でやっているところにまで、ふりがながあるのを見て、こんなことも分からない人が法案審議しているのかと思うと、目眩がしてくる。

そういうとこも、ちゃんと脚本に入れてきてくれてるとこも、最高に胸がすく思い。

マリトッツォのくだりとか、日下部さんのところとか。

あとは、国民のみなさまに誤解を与えたならお詫びしますみたいな、こっちの理解力不足みたいなちっとも謝罪になってない言い回しにも、普段腹が立っているから、

「気を悪くしたなら 謝るよ」

の台詞も効いてるなあぁぁと思った。
気を悪くさせてるのは、おまえなんだよ
(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾

「個別の事案にはお答えできませんかあ?」
もそう。本当に腹立つ。説明できないこと、やってんじゃねえ(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾

「平和党とおなじ。大事なことは、はぐらかす。マジ、サイテー」

国会答弁、ほんとに酷い。元国語教員的には絶対許せない。
聞かれたことに答えていない。
答えている風に難しい言い回しをしているだけで
中身ゼロ。
許せん(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾


クドカンの妄想か、中2で止まってる男子の脳内かな、って思うモノローグも、好きすぎる。それに対する桃李くんの芝居がまたよすぎる。この2人が、ガチっとかち合う感じ、たまらん。たとえば、


「なにこれ?ノースリーブ選手権?
ちょいちょい かき乱さないでよ〜

二の腕フェチのぼくには 
うーん 甲乙つけ難い
肌のハリ部門ではゆいだけど
印田さんの柔肌も捨て難い

ウソだろ!おい!
あんたはいいよ 出さなくて!」


「マスゴミめ。品性も知性もないくせに
こっちのやじ馬根性を刺激する絶妙な見出し

後悔するの分かってるのに 
つい 読んじゃうんだよなあ。
敵ながら あっぱれだ」


もう、本当おもしろすぎる。
男子って、こんな感じなのかなあ。
。。。と、本日ノースリーブのわたしが
書いております。

桜蔭学院からの東大の学歴がエロいとか、三俣っていう苗字とか
いちいちそういう厨二病っぽいとこも可笑しい。

タイトルで遊んでるとこも大好き。

キミスイ🤣
巫女ちゃん🤣(音楽も絶妙に寄せてきてる)
愛の不整脈🤣
余命4.50年の花嫁🤣
女狐の皿🤣

役者の当て書きだから、出演作や代表作と絡めてきてるのも、ズルい。

恭二が松山の夜景を見ながら

「あ、今 星が流れた
あ、また流れた」

の台詞とあのバックショットは、
狡い狡いズル過ぎます(好き(*´Д`*))

日本のドラマの輝かしい金字塔、東野圭吾作品の双頭のひとつ『流星の絆』じゃないですか‼︎
(因みにもうひとつは、言わずと知れた『白夜行』)

「去年なんてガールズバーも行ってないよ」

は、「ゆとりですが何か?」を想起させる。
ドラマニアにまにまの台詞、うれしい☺︎

あ、分かるー、っていう名言もたくさん。

「怒りの波状攻撃。3年前のことも3分前のことも
無差別にぶつけてくる」

「夫婦なんてね、終わってからですよ」

タバコのフレーバーっていうフレーズは、もうそのワードだけで
宇多田ヒカルに直結するのは、我々が同じ時代を生きている証だなと
思う。

最初に…をつけて、会いたいな、ってラインしてくる女のあざとさに対して

ブオーン!
ブオーン!って、車でかっ飛ばしてくる描写も秀逸すぎて笑った。

「会って、お茶して、帰る。それだけならまだ浮気じゃない
何の問題もない」

っていう理論と理屈は、私も自分に言い聞かせたことがあるので
苦笑いしながら見たw

「お前は 今夜 眠れる獅子」

「この人にとって私なんか 役名もないチョイ役なんだって」

「3年ぶり2度目の不倫が・・・」「そんな甲子園みたいに言うな」

そして、そしての恭二沼。

「心配すんな。オレ、できないから。」
「しないとダメな人?
好きだよ、でも。すごく好きだ」


「君だってオレといる時は、ただの女でいろよ」

「別れてくれ、ってオレ言った?」

「ゆいの空いてる時間、全部」

「作業があるんだ。今日は帰って
オレの空いてる時間を全部あげるとは言ってないよ」

はわわわわわわ(*´Д`)

しないとダメな私でも、恭二ならいいかなと思わせられる
色気が画面からこちらに溢れ出てきてた。
教員やってるときは、先生のわたしとして「はじめまして」の人とは
やっぱり壁や薄い膜があった。女教師じゃない、ただの素のわたしとして
見てほしいっていう意識があった。
だから、やっぱり学生時代からの友達は、一緒にいて心地いいんだよな、ってこと、恭二の台詞でよみがえってきた。
ただの女でいろよ、の台詞は、絶対に大石静さんの言葉だ。

あんなにも甘やかに時を過ごし、濡れた目でみつめ
求めてくれたにも関わらず、
背中を向けて、振り向きもせず
ここにわたしがいるのに、あたかもいないかのように
作業再開する恭二の、この二面性というかギャップというか
ジェットコースターみは、、、、、、恋愛ジャンキー的には
たまらなかった。(ドラマ的に。リアルだと、もうやだ。)

この話を視聴した夜は、下からの煽りのスモーキーな画面での
恭二のアングル込みの美しさが瞼に焼き付いて
なかなか眠れなかった。

親の七光りプラス巫女ちゃんの七光りで合計十四光り、っていうのも
可笑しかったし
秘書の早乙女さんがいう坊っちゃん、っていう呼びかけが
早い時点で、松山を舞台にした『坊っちゃん』だったからかー、と
分かった時も、だから愛媛だったのか、と。
そういえば、こないだ新聞販売店のポイントが貯まって
引き換えたのが折り畳み傘で、なぜか夫がオレンジ色の傘を指定して
なんでこんな派手な色を???誰も使ってないし!!って思っていたのだが
これからあの傘は、男っぷりの上がった大志くんに差しかけられた、という
妄想を引きずりつつ、雨のお供になってくれそうだ。

「いいこと?私は正妻で大志の母。
選挙で一緒に頭を下げ、勝ったら一緒に万歳できるのは
私だけです。
あちらこちらの女とは 格が違うのよ」


ここも大石さんの描く女だなあと思う。
よそに女を作ること、女遊びも男の甲斐性、みたいな時代に
正妻としてのよりどころはココで、プライドの塊の核の部分だと感じた。

「腹いせに男を作る気持ち、私にはすごく分かります」

わたしもよく分かります。男つくるうんぬんじゃなくても
夫がお金を遣ってゴルフだ釣りだって遊んでいると
腹いせに、同じくらい遊んでやろう、買い物してやろう、って
思っちゃう( ̄▽ ̄)ハハハ

脚本を書いたのは、もうずいぶんと前なのに、時代の方から
作品に寄り添ってくれてきちゃうこと、ってままあるんだけど
今作も、そういう場面があった。

真っ黒の黒塗りの収支報告書、そして
「しかも出してきた領収書、お土産のスイーツが一人あたり2万円ですよ
どんなお土産ですか?」

こちらも、言わずと知れた、総理の息子のイギリスでの観光名所での写真三昧とお土産爆買い。エルメスとかのネクタイ、だっけか。
あんな無能に税金が流れるとか、だめでしょ。ふつうに考えても。

「見るからに文化人枠」

いるよねー

「慰謝料は結婚年数×100万で500万
プラス浮気による精神的苦痛に対して100万
これまでの貢献に対する慰労金が300万」

( ^ω^)・・・何かのときには、参考にしよう。。。

あのナイトプールはどこだろう?この夏、行ってみたいw
怪しさと胡散臭さ全開のナルシ―さんと古ちんさんに会いたいw

「胡散臭い私が盾になりますよ」
「ヤクザまがいの恫喝
なんというタチの悪さと手際のよさ!
誰も損させない幕引き」

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