生まれ変わってもゲイがいい

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最近の記事

#119 亡き友をしのぶ

彼の訃報を聞いたのは、安室ちゃんの引退を記念して訪れた2018年9月の沖縄だった。帰りの空港で搭乗待ちをしているとき、珍しく彼の元彼からの電話が鳴った。何が不穏な気がして電話に出ると、彼の急死を告げる内容だった。あまりにも突然のことで、しばらく受け止められなかった。 彼とは20代前半の頃、今でも親しい友人を返して知り合った。当時、2丁目のclub&bar ARTY FARTY(移転前の路面店だった頃)が週末の集合場所だった。彼とはそこで仲良くなり、週末はいつも一緒に過ごし、

    • #118 50代の遊園地

      ゲイ友と共通の女友だちの3人で久しぶりに会うことになった。女友だちには9歳の娘がいて、父親がゴルフで不在だからと子ども連れとなり、僕はパートナーを連れて行った。僕と女友だち、その娘とは時々会っているが、ゲイ友と女友だちは2〜3年ぶりでその娘とは赤ちゃんのとき以来。そして、ゲイ友と僕のパートナーは初対面だった。 子どもがいるのでランチで集まることになり、浅草のサルバトーレを予約していた。カジュアルイタリアンだから気にすることもないが、集合するなりキャッキャと騒ぎはじめ、パスタ

      • #117 10年たっても仲間

        前の職場の同僚が他界した。久しぶりに電話が来たかと思ったら彼女の旦那さんだった。旦那さんの話では、2年の闘病の末、49歳の誕生日を前にして亡くなってしまったという。あまりにも急だったので今でも実感がない。 彼女の訃報を聞いて、他の同僚たちと連絡を取り合った。当日仲が良かった同僚はみんな退職しており、10年以上会っていない。旦那さんから直接連絡があったのは彼女と仲の良かった女性と僕の2人で、それぞれ知らせたい人に連絡した。お葬式が終わった後だったが、まだ納骨前だということで、

        • #116 40代からのゲイ友づくり

          友だちはライフステージとともに変化する。学生時代からの友だちも、社会生活が長くなると疎遠になったり、子育て期に入るとパパママ友だちが増え、子育ても落ち着いた40代後半〜50代はそれまでの友だち関係が続いているか、減ってきてくるのではないだろうか。ノンケの友だち達を見ていると、そんか気がする。 ゲイの場合はどうだろう。 ゲイデビューのタイミングにもよるが、もし学生時代からコミュニティに顔を出し始めるとしたら、先述した恋愛の出会いの場と同じで、僕の若い頃はゲイバーやサークル、

          #115 前髪系と短髪系

          Netflixの恋愛リアリティ番組『BOY FRIEND』に出演するネガティヴなイケメン君が「ゲイは前髪系と短髪系に二分される」と言っていた。自身は前髪系なのだと。他の出演者も前髪系と短髪系に当てはめていたが、単純に髪型だけで判断しているようではなさそうだった。短髪系は男性性を意識しており、体を鍛えていて、ホゲる人も多い印象らしい。いわゆるイカニモなのだ。 僕も20代前半でゲイコミュニティに参加するようになって、気がつくと自分も友だちも短髪になっていた。江口洋介に憧れて皆ん

          #114 無邪気って強い

          7月から配信スタートしたNetflixの恋愛リアリティ番組『BOY FRIEND』でスタジオMCをするドリアン・ロロブリジーダが天真爛漫な出演者をみて「無邪気って強い」と言った。 無邪気な人はモテるものだ。 ゲイの恋愛の場合、学校の同級生や会社の同僚の中から出会うことは稀だ。今はアプリを介した出会いが主流だと思うが、僕の若い頃は雑誌の文通欄や伝言ダイヤル、出会い系サイトなど少し特殊な方法か、バーやサークルなどのコミュニティが主な出会いの場だった。そんなコミュニティの中では

          #113 真夏のじゅもん

          東京で今年初の猛暑日を記録した7月5日にTUBEとDA PUMPのコラボ楽曲「真夏のじゅもん」が配信リリースされた。半年ほど前にはGACKTとコラボをしたTUBEが続けてのコラボだったので、もはや単独では耐えられなくなったのか心配になる。とは言え、今でも高音ボイスのISSAと軽快なダンスナンバーを歌っている前田(前ちゃん)に嬉しくなった。 そんなTUBEは来年で40周年を迎える。昨年の横浜スタジアムでのライブでは、来年の6月1日(TUBEデビュー日)はハワイでライブを開催す

          #112 移住を考える

          移住について考えてみた。過去にも何度か考えたことがあり、幼なじみが暮らすマレーシアやゲイに人気の沖縄がその候補地だった。マレーシアは当時、移住のハードルが低く日本の年金を受け取れる制度もあり、老後の移住先としても話題だった。しかし、徐々に資産条件が厳しくなり、今では150万リンギット(約5,100万円)以上の流動資産と100万リンギット(約3,400万円)の定期預金が必要になっている。お金持ち限定の楽園なのだ。そもそも、マレーシアに永く暮らす幼なじみが僕の移住を進めなかった。

          #111 会社との向き合い方

          一つ年上の女性社員が退職した。以前の組織体制の時に隣の部署だった人で、一緒に仕事をしたことはほとんどなかったが、飲み会などでは楽しく話すことがよくあった。今回、彼女が退職することは全く知らず、突然、送別会の幹事から連絡があってはじめて知った。彼女に会いたい気持ちもあったが、メールの宛先から分かる送別会に声がかかった人たちに久しぶりに会いたかった。 退職の理由が事前に知らされていなかったので、送別会では、彼女が僕のいるテーブルに来た時に詳しく聞いてみた。きっかけは、数年前に大

          #110 50代になってはじめたこと

          もうすぐ51歳を迎えようとしている。40代の頃は50代に向けて色々目標をたてていた。一つは叶い、一つは見送り、一つは考え直した。そして、50歳を迎えたときに、何か新しいことをはじめようと漠然と考えていたのが、あっという間に1年が過ぎてしまった。なので、何も考えなかった代わりに、新しくはじめたことを振り返ってみることにした。 分かってはいたが、大したことは新しくはじめていなかった。些細なことだか、腸活、ポイ活、趣味活をはじめたといえる。まず、腸活は、寝起きに白湯を飲み、朝食は

          #110 50代になってはじめたこと

          #109 サンタモニカの思い出

          サンタモニカといってもアメリカの都市のことではなく、古着屋のこと。久しぶりに原宿〜表参道を散歩したときに裏原と呼ばれる旧渋谷川遊歩道に古着屋サンタモニカをみつけ、店内に入った。 サンタモニカといえば、高校生の頃から20代前半までセンスのいい古着を求めてよく通った店だ。それは表参道のオリエンタルバザー(現在は移転)の並びにあった。ちなみに、オリエンタルバザーは日本の工芸品、和雑貨、骨董品などを扱う神社のような外観の日本らしさが溢れるお店で、表参道の顔の一つだったと思う。サンタ

          #109 サンタモニカの思い出

          #108 住民票に夫と記載する

          長崎に住む友人がInstagramに投稿した写真に、目を見開いてしまった。それはテレビのニュース番組に出ている自分を撮影したもので、一緒に暮らすパートナーと住民票らしき紙を持っている姿だった。なんと、彼の住民票にパートナーを記載し、続柄に夫(未届)と記載してもらったというのだ。 友人に詳しく聞いてみると、一緒に暮らすパートナーと住民票を合併することになり、届出をする際にパートナーの続柄を夫と記載することを希望したところ、まさかの対応をしてくれたのだと。異性間の場合だと、住民

          #108 住民票に夫と記載する

          #107 ブリーフをイロチ買い

          aussieBum(オージーバム)のブリーフを色違いで6枚購入した。ピンク、オレンジ、イエロー、グリーン、ブルー、パープルと、レインボーフラッグの6色だ。コットンキャンディというブリーフで、全6色なので、おそらくそれを意識したラインナップだろう。どれも発色がよく、ややグンゼ寄りの絶妙なシルエットでとても可愛く、ゲイ心をくすぐった。 男性用アンダーウェアの流行はゲイが牽引していると思う。かつてはトランクスが主流だったが、90年代初頭にカルバンクラインがボクサーブリーフを発表し

          #107 ブリーフをイロチ買い

          #106 褌の季節

          数年ぶりに浅草・三社祭を観てきた。たまたま浅草へ用事があってバスへ乗ったら、浅草に近くなった頃に今日は三社祭であることがわかった。この時期になると、毎週どこかしらの神社で祭りがあり、特に東京東エリアに移り住んでからはその風景をよく見かけるようになった。 祭りといえば神輿、神輿といえば褌だ。フェチというほどではないが褌姿を観るのが好きだ。はっぴを腰の低い位置で帯締めし、そこから褌を締めた下半身がチラチラみえるのがなんともいえない。しかし、今年は猿股や股引きを履いている人が多く

          #104 ショートパンツ丈のこだわり

          丈が短いショートパンツが流行り出したのはいつだったろうか。 昨年買ったGAPの6インチショートパンツが気に入ったので、今年はその色違いを買った。商品名にある6インチとは、股下の長さを示しており約15センチだ。いつからか、GAPでは股下長さを商品名にするショートパンツが出てきた。6インチはいわゆる痴◯丈と呼ばれるベリーショートのパンツで、GAPではここ数年販売している。曖昧な記憶だが、メンズでも過去に5インチのものがあった気がする。それが、今シーズンの新作ラインナップにはこの

          #104 ショートパンツ丈のこだわり

          #103 引越しの挨拶

          マンションの郵便ポストに封のされていない封筒が入っていた。中を見てみると、二つ折りにされた小さな便箋とそれに挟まれていた千円分のギフト券1枚だった。 差出人は先日隣に引越してきた二人からで、別の苗字が並んでいた。そこには、はじめましての挨拶と「このご時世ですので、直接のご挨拶は控えさせていただきます」とある。なるほど、僕らが留守だったからではなく、対面での挨拶はしない代わりに手紙をくれたのだ。 マンションの隣の部屋は新築当初は購入者が暮らしていたらしいが、手狭になったのか