#109 サンタモニカの思い出

サンタモニカといってもアメリカの都市のことではなく、古着屋のこと。久しぶりに原宿〜表参道を散歩したときに裏原と呼ばれる旧渋谷川遊歩道に古着屋サンタモニカをみつけ、店内に入った。

サンタモニカといえば、高校生の頃から20代前半までセンスのいい古着を求めてよく通った店だ。それは表参道のオリエンタルバザー(現在は移転)の並びにあった。ちなみに、オリエンタルバザーは日本の工芸品、和雑貨、骨董品などを扱う神社のような外観の日本らしさが溢れるお店で、表参道の顔の一つだったと思う。サンタモニカ表参道店は古着屋サンタモニカの1号店として1979年にオープンし、2023年にビルの老朽化で44年にわたる営業を終了したそうだ。高校生の頃にキレイめのアメカジ(キレカジと呼ばれていた気がする)が流行り、ラルフローレンを着ることがステータスになっていた。アルバイトをしていたものの、新品のラルフを気軽に買える身分ではなく、古着を買うことが多かった。このサンタモニカには、状態の良いラルフのオックスフォードシャツやポロシャツがあり、高円寺などの他の古着屋に比べると少し高かったのだが、サンタモニカで買うこと自体がオシャレ人の仲間入りをした気分になるので少し無理をして買っていた。その証拠に、サンタモニカのショップバッグは男子高校生のおしゃれアイテムだった記憶がある。

久しぶりに歩いた原宿〜表参道には、サンタモニカのように場所を変えた店もあれば、閉店した店も多く、なんだか様変わりした印象もあった。随分前になるが、ラフォーレの向かい側にアメリカンイーグルがあったものの2019年にブランドそのものが日本から撤退したことを思い出した。原宿にあったかどうかは不明だが、アメカジブランドだとその前にはオールドネイビー(2017年)、その後だとエディーバウアー(2021年)が撤退した。エディーバウアーは昨年、再上陸したが、全国で数店舗という消極的な展開をしている。どれもゲイに人気のあったブランドなのに、残念だ。しかし、日本に上陸してなくともネットショップで直輸入が気軽にできる時代になり、一方、上陸したとて人気が集中するとも限らない時代でもある。

たまには原宿や渋谷など若者の街にくるのも楽しいと思った。刺激を受けて少し若返った気がする。

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