#106 褌の季節

数年ぶりに浅草・三社祭を観てきた。たまたま浅草へ用事があってバスへ乗ったら、浅草に近くなった頃に今日は三社祭であることがわかった。この時期になると、毎週どこかしらの神社で祭りがあり、特に東京東エリアに移り住んでからはその風景をよく見かけるようになった。

祭りといえば神輿、神輿といえば褌だ。フェチというほどではないが褌姿を観るのが好きだ。はっぴを腰の低い位置で帯締めし、そこから褌を締めた下半身がチラチラみえるのがなんともいえない。しかし、今年は猿股や股引きを履いている人が多く、褌を拝むことがあまりできなかったのだ。

褌の歴史は古墳時代からあるそうで、江戸時代などでは仕事着の役割も果たしており、浮世絵には仕事をする男性の多くに褌姿をみることができる。そして昭和初期まで男女ともに下着として一般的に使用していたようだ。それが、洋服の浸透とともに下着としての褌は廃れ、祭や相撲などの一部の場面でユニフォーム的な使われ方に変わってきたようだ。

話を戻すと、僕をはじめ、ゲイの多くは褌姿が好きだ。昭和のゲイ雑誌「薔薇族」には褌姿の男性のイラストが多く登場していた。外国人からみると褌姿は下品に思うらしいが、日本では下着だけではない褌文化なのに、祭りですら見かけなくなってしまうのは残念だ。昨年、終了してしまった裸祭りの「蘇民祭」も、表向きには継承者の不足としているが、褌姿の男性がもみくちゃになる様子が下品だと苦情を言う人が目立ってきたことも大きく影響しているのではないか。先日のレインボープライドでも、一部のブースで行われた緊縛ショーを批判する人がいたようだか、それを含めてゲイ文化なのでは?と思う。

今年の夏は浴衣を着て花火大会に行きたい。その際は褌を締めるとしよう。

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