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詩が私を書いてくれるその日まで


ある痛みが、碧い蛇のように
ぐるぐると巻きついて
わたし、呼吸すらできなくなり
とても、とても、苦しいです

「助けて」の無声は、隣まで木霊するが
気づかれず、あなた、眠ったまま
安息の夢を見ているのかもしれないね
とても、とても、嬉しいです

あなたが寝静まったあと
いつも、わたし、詩を書いてきました
苦しいときは、苦しいと
嬉しいときは、嬉しいと

あなたが目を覚ましたとき
いつも、わたしには、微かな笑顔が
浮かんでいたのかもしれない
内なる魔物と戦い、負けなかったから

それでも、なぜか透明な涙は
いつも、流れてるのです
それは、あなたと一緒に買った
双子の天使のオブジェだけが知っていること

書けるうちは大丈夫です
見えない所やこの場所に、生を刻んで
己の呼吸を、確かめられるから
何も怖くないのです

でも

書けなくなったら
わたし、どうなってしまうのでしょう
隣で寝ているあなたに
大きな悲しみを与えないように

大自然と一体化するかのように
消えてしまうのでしょうか?

カムパネルラの様に、銀河の向うに
消えてしまうのでしょうか?

そのあとは、詩がわたしを書いてくれるのでしょうか?



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