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最近の記事

【MeWSS論文コラム】 学会発表からのケースレポート論文 その1

 今回から2回くらいに渡って、学会発表した内容をケースレポートとして論文投稿するまでの流れと注意点を書いていきたいと思います。  前回のコラムで、学会発表したものと同じ内容を論文発表しても、一般的には二重投稿にはならないと書きました。しかしこれは、雑誌によって考え方が変わります。さらに全ての雑誌がケースレポートを受け付けているわけではありません。適切な投稿雑誌を決めることはとても重要です。  日本人患者さんのケースレポートだし、びっくりするほど珍しい症例でないのであれば、投稿

    • 【MeWSS論文コラム】 学会発表した内容を論文にしたら二重投稿になるか?

       とある学会に参加していたとき、学会発表したものと同じ内容の論文は二重投稿と見做されるというご講演がありました。 私の知らない間にジャーナルのポリシーがそんなに大きく変わったのかとショックを受け、早速まずはChatGPTに聞いてみたところ、確かにそういうジャーナルは増えているとの回答! many reputable medical journals adhere to the principle that presenting data at a scientific mee

      • 【MeWSS論文コラム】 英文ケースレポートについて

         随分前ですが、ちょっと変わったシステマティックレビューを書いたことがあります。とある治療薬が世界で使われるようになって2−3年経ったころで、その薬に伴う副作用が報告されたケースレポートを網羅的に集めてレビューしました。英語で書かれた文献を対象としてその数は100を超えましたが、残念なことに日本からの報告が一つも入らなかったのです。  論文の書き方セミナーで質問を受けていると、日本の臨床医の先生方はケースレポートをあまり好んでいないのかな、と感じる場合があります。これは私の個

        • 【MeWSS論文コラム】 学会英文誌投稿のすすめ

           投稿雑誌について考えるのは、結果が出てからでいいと思っていますか?間違っているとはいいませんが、なるべく早くから考え始めることをお勧めします。研究デザインも、投稿雑誌によってどこまで頑張るかが違ってきますので、研究のプロトコールを策定している段階から考えるのがベストです。  投稿誌を決める因子としてよく言われるのはインパクトファクターIFですが、初めての投稿からこれにこだわりすぎるのは、いいこととは言えません。雑誌を選ぶのにはいくつかのポイントがあります。 (1)商業誌か学

        【MeWSS論文コラム】 学会発表からのケースレポート論文 その1

          【MeWSS論文コラム】 総説論文について

           前回はシステマティックレビューを取り上げ、これが多くの場合原著論文として扱われると述べました。原著論文が未発表のオリジナルな研究結果だけを発表するものであるのに対し、総説論文は公表された研究結果のみを扱うものであり、その位置付けは全く異なります。  過去一般的に「総説」と言われてきたものは、ナラティブレビュー(narrative review article)と言われるカテゴリーに分類され、主に研究者個人の意見を述べるために書かれるもので、そのベースとなる文献を引用しつつ論

          【MeWSS論文コラム】 総説論文について

          【MeWSS論文コラム】 システマティックレビューの作成

           システマティックレビューを書きたいというご相談をよく受けます。手持ちの症例の数に限りがあり、それを増やすのには何年もかかるが、システマティックレビューなら今すぐにでも論文が書けるだろう、ということのようです。症例報告とシステマティックレビューを組み合わせた論文を掲載する雑誌も近年増えており、オリジナリティーが高ければアクセプトのチャンスは比較的高いとも言えます。 多くの科学系雑誌はシステマティックレビューを原著論文として扱っており、ガイドラインに沿った方法論と書き方、テーマ

          【MeWSS論文コラム】 システマティックレビューの作成

          【MeWSS論文コラム】 rejectからの進め方

           Rejectというのは、論文アクセプトまでのプロセスの一つでしかありません。査読コメントをもらってのrejectからは得るものがたくさんありますので、目一杯有効活用して進んでいきましょう。  まずは、rejectメールが来てもあまりガッカリしすぎないでください。全く落ち込まないのは無理な話ですが、心が折れてやる気がなくなってしまったら今までしてきたことが水の泡になってしまいます。これまで費やした時間や苦労を思い出して、1週間くらい心を休めたら、再び元気出して次に向けて動き

          【MeWSS論文コラム】 rejectからの進め方

          【MeWSS論文コラム】 投稿作業とカバーレター

           ほとんどの英文雑誌では、ウェブサイト上の専用システムを通して投稿します。原稿作成途中、なるべく早いうちがいいですが、一度ダミーの情報を入力して、投稿の練習をしてみてください。投稿に必須な項目の中に、著者が全く想定していなかった情報が要求される場合があり、その情報を得るのが難しくて結局その雑誌への投稿を諦めた事例も経験しています。COIも場合によっては書類へのサインを共著者にお願いしなくてはなりませんので、早めに対応し始めた方がいいでしょう。こういった作業は原稿作成と同時進行

          【MeWSS論文コラム】 投稿作業とカバーレター

          【MeWSS論文コラム】タイトル、アブストラクト、そしてIntroductionの書き方

           論文を読んでもらうためには、いうまでもなくタイトルはとても大切です。しかし字数制限やガイドラインの推奨もあり、選択肢はそれほど多くはありません。  STROBEなどのガイドラインでは、タイトルに研究デザインを入れることが推奨されています。ほとんどの雑誌で、タイトルはword数ではなく文字数で制限をかけていますので、case-controlやdatabased とstudyを組み合わせるだけで14〜17字使うことになります。フォローアップ研究の期間など必要な情報を入れると、結

          【MeWSS論文コラム】タイトル、アブストラクト、そしてIntroductionの書き方

          【MeWSS論文コラム】Discussionで書くこと

           一般的に推奨されているDiscussionの構成は、次のとおりです。  (1)主な結果の概要 (2)先行研究との比較 (3)結果の解釈・想定と異なった結果に対する考察 (4)limitation 最初に読む査読者もこの構成を念頭に置いて読み始めるので、違う組み立てになっていると混乱して読みにくいと感じてしまいます。  ただし、異なる構成を求めている雑誌もありますので、まず投稿する予定の雑誌の規定をよく読んでください。  Resultsで述べた事柄を一つ一つ、その順番に解説し

          【MeWSS論文コラム】Discussionで書くこと

          【MeWSS論文コラム】著者要件

           共著者はどうやって決めていますか?  基礎研究では、論文に載せる図表や結果の数値を実際に実験で出した人を、貢献度を考慮して入れる、という考えが一般的かと思います。  治験など大規模な臨床試験の場合は関与する人の数が多いため、前もって定義を決め、関係者と話し合っておくことが重要です。研究結果が出る前に、研究推進委員会などで論文の著者について決めておくように、ガイドラインで推奨されています。  後ろ向きの観察研究の場合はどうでしょうか? 元となるデータがその施設やグループ共有の

          【MeWSS論文コラム】著者要件

          【MeWSS論文コラム】論文作成のスケジュール

           Outlineが出来上がったら、次はいよいよ論文ドラフトの作成です。その前に、全体のスケジュールについて書いてみようと思います。  今論文を書いている、もしくは書こうとしている先生方は、論文作成開始から最初の投稿までどのくらいの時間を見込んでいるでしょうか? 一般的にかかる時間は最短で6ヶ月、多くの場合1−2年です。 さらにアクセプトまでを考えると、数年がかりというお話も珍しくありません。アクセプトされるまでにいくつもの雑誌に投稿し、苦労するのは精神的にもなかなかしんどいの

          【MeWSS論文コラム】論文作成のスケジュール

          【MeWSS論文コラム】Outlineの作成

           「観察研究論文の進め方」で、Outlineの骨格を作りました。 ここであらためて、Outlineとは何かを考えつつ、その完成まで持っていきたいと思います。  Outlineとは、箇条書きで書かれた論文の原稿です。その目的は論文の「内容」を固め、かつそれを共著者に理解してもらうことにあります。一方論文ドラフトは、投稿できる状態に近い論文の草稿で、雑誌のスタイルに合わせて作ります。Outlineと論文ドラフトとは、文章の形が箇条書きであることや、スタイルや章の順番などが違うくら

          【MeWSS論文コラム】Outlineの作成

          【MeWSS論文コラム】観察研究論文の進め方 その2

           「その1」では、Discussionの最も主張したいところまで書きました。次は、Discussionの続きとIntroductionの作成です。著者や研究実施者の考えや言いたいことを表現できる部分になります。 (4)Discussionの骨子:Discussionの書き方については、近いうちにもっと詳しく説明する予定なので、ここでは骨子の考え方をご紹介します。  Discussionには推奨される構成があります。まずはこれに従って骨子を作ってしまいましょう。  最初の段落に

          【MeWSS論文コラム】観察研究論文の進め方 その2

          【MeWSS論文コラム】観察研究論文の進め方 その1

           論文アクセプトに最も影響を与えるのは研究デザインなのですが、ここではこれは言わないことにします。この投稿の読者として想定しているのは、すでに結果が出ていてこれから論文を書く方々です。その場合デザインは確定し倫理委員会からの承認も取得済みなので、いまさらそれを言われても、ですよね。このコラムの別の機会に、論文のことを考えた研究デザインについて、あらためて論じたいと思います。  データ取得して予定した解析も終わった状態だと仮定して、初めて論文を書く方には以下の順番で進めていただ

          【MeWSS論文コラム】観察研究論文の進め方 その1

          【MeWSS論文コラム】査読コメントは怖くない

          論文投稿して、StatusがReview Processになる、どのようなお気持ちですか? 3週間(状況によっては2−3ヶ月)後、メールでdecision letterが送られてきます。Subjectに[Major revision]とあると、どうでしょう?Rejectではなかったことでとりあえずほっとひと安心ですが、査読コメントを見るのは怖いですか?楽しみですか? 著者の中には、査読コメントを読んで「こんなにダメ出しされるとは」、「この査読者はアクセプトしたくないんじゃない

          【MeWSS論文コラム】査読コメントは怖くない