住まなかった街も思い出になる。
年下のひとたちと飲むことになった。
会社を辞めてからは、とんとそういうことがなかったから、向かうときにはすこし緊張した。もちろん、ひとつふたつ下の友は多いけれど、十もちがうとなれば、
「大丈夫かしら……」
と不安になったりもする。文章を書くひとたちの集まりではあるけれど、話についていけるだろうか。
場所は赤坂で、ほどよく街も店内もがやがやとしていた。
「こっち、こっち」
と呼び寄せられテーブルにつく。
「どうも、どうも」
へらへらしながら見渡せば、どのひともなんだかとても眩し