
本を出版して、わかったこと。
2023年3月、わたしははじめてのエッセイ集『好きよ、トウモロコシ。』を出版させてもらった。
それから1年。
わたしの身の周りでは、今でもおもしろいことが次から次へと起こり続けている。
たとえばそれは、学生時代の友が13年ぶりにわざわざ本のイベントへ足を運んでくれたこと。
彼女は赤ちゃんを抱くお母さんになっていたのだけど、その笑顔は休み時間にきゃあきゃあと笑い合っていた高校3年のときのままで。
馬喰横山という地にまで突然やってきて、
「ゆかちゃん、本買いにきたよ!」
と言ってくれて。
なんだかあの頃に戻って、駆け寄って抱きしめたくなる、本当にそんな気持ちがしたものだった。
それから、10年前のよくわからない合コンでお会いしたお兄さんからも連絡をもらって、ラジオに出演することになったりもした。
(お兄さんはラジオのパーソナリティになっていた)
当時、新宿で開かれたその合コンにわたしは助っ人として呼ばれたために、知らない人ばかりの中で大層居心地が悪かった。
けれど、そのお兄さんのことだけは「かっこいいなあ」と思っていたから。
だから、10年ぶりにラジオのブースで話ができて、本の宣伝ができて、わたしはとてもとてもうれしかった。
「人妻になっちゃったんですねえ」と言われたときの、あの悔しさと言ったら。人生ではじめて「ちくしょう」と思った。それは、ここだけの秘密だけれど。
そんな具合に、本を出したことで、本が懐かしい出会いをたくさんたくさん連れてきてくれた。
そしてまた新しい出会いもたくさんあった。
これが、その「本を出してはじめてわかったこと」であり、「いちばん驚いたこと」なのだけれども、
本を出すと、毎日必ず何らかの形で感想が届く。
それは漏れなく、毎日だ。
InstagramやTwitter、サイトのレビュー、編集者さん伝いのメール……あらゆる形になって、書いた本の感想は途切れることなく毎日わたしに届くようになった。
これは、本を出してみないと本当にわからないことだった。
それをきっかけにつながったご縁もたくさんあり、それがわたしにとっていちばんうれしいことだった。
あまりにも嬉しいので、どうしても一部になってしまうけれど、twitterでいただいたものを中心に、それらを紹介したいと思います。
気づいたら2時間がたっていた/柏崎沙織さん

読んでみたら全然違った。/スタンダードブックストア・中川さん

貴重な体験の記憶が読んでいて楽しい。/あられさん

次の本を待ちわびる。/まこさん

気付けば没入してました。/イワイガワ井川修司さん

タイトルの意味を知ったときに感動した。/まりえさん

温泉に浸かっているような本/きょうこさん

タイトルに「そういう事か」/kouさん

1番良かった/Sho Mizutaniさん

人生が愛おしくなる。/きなこさん

これは絵はがきだったのか…/@natsukifmさん

昔の小さい頃の記憶が溢れ出した。/aya.さん

幸せな体験だった。/ナチョリブレさん

懐かしい記憶が呼び起こされた。/こぐまさん

眠りたくない夜みたいな気持ち。/ kirokudayoさん

仲のいい上司の話を聞いている感じ。/えりこさん

読み終わったらふわっと飛びたくなる/komomoさん

衒いのないあかるさと優しさ/別室さん

《ひとりじゃない》と思える/花田菜々子さん(蟹ブックス)
思春期といえば一般的には10代の頃を指すのだろうけど、実は20代のほうがずっと思春期なんじゃないかと思ったりする。自分の過去を振り返っても20代の日々はずっと不安で苦しくて、でもその一方で毎日のようにこの世界の美しさに驚き、感動していた。
ふだんはライターとして活躍する中前さんは本書『好きよ、トウモロコシ。』がデビュー作。気弱でたよりないひとりの女の子がゆっくり大人になっていく様子を子どものようにピュアな感受性で綴ったエッセイ集だ。詩人・茨木のり子の作品にも「大人になるということはすれっからしになるということではない、初々しさが大切だ」とあるが、そんな言葉どおりに、やさしさを失わずに生きる著者の姿に思わず涙ぐんでしまった。
もしこの春からの新しい生活にうまく乗ることができずに自信を失っているならこの本を手に取ってほしい。きっと《ひとりじゃない》と思えるだろう。
臨場感があった!/酋長さん

自分のことではないのに懐かしい/紀伊國屋書店吉祥寺東急店さん

春にぴったりのあたたかさ/古賀史健さん

旅先で買ったんだけど。/risaさん

心が動かされ、ほっこりした。/otowaさん

読書の楽しさを思い出した。/さどまちさん

一冊として全話が繋がっていた/喜多一馬さん

読んでる間どこかにタイムスリップ/hoi/OTO OTOさん

やさしい気持ちになっている。/Hiro-SHITさん

すーっと入ってきて読みやすい。/SYAOさん

心を潤わす。/ヨウさん

ずっと大切にしたい本になった。/Qさん

星野源に関するエッセイがあると聞いて/Satoshi Endoさん

これはわたしの物語ではないか…!/ⓦⓐⓟⓘさん

届けたい想いが ぎっしり詰まっていた。/不在性書店 BE ABSENTさん

お友達になりたい!と思った。/いくえさん

たくさんの人を思い出したくなる。/秋山康二郎さん

懐かしい感じがする本だった。/にこさん

自分の人生を愛おしく思い直せる。/西岡大貴さん

母に手紙を書きたくなった。/あかねさん

「かわいい」の魔法がかかってしまう。/きょんさん

親密なエッセイ。/〈のこのこ〉cafe・cakeさん

読み進める度に心を鷲掴みにされる。/ryさん

これ、わたしのこと?」と感じた。/のんさん

本が好きだったことを思い出した。/さおぴさん

涙出ちゃって。/小笠原ゆきさん

ゆったり読むのに最高/ムラタハリコさん

大切にしたい1冊に巡り合った/あおさん

あったかい味わい。/aya_honmonoさん

本がぽかぽかしている。/はんだあゆみ(ぢーこ)さん

以上、twitterでわたしが見つけられた、ネタバレになっていない&noteにうまく貼り付けられたご感想たちです。
読んでいただき、ご感想まで投稿いただいて、本当に本当にありがとうございました。
そして、Instagramも同じように貼り付けようと思ったのですが、そちらは100件を超えているので、もし見てくださる方は、こちらのリンクからご覧になっていただければと思います。 →Instagramの感想

また、読書感想文をnoteに綴ってくださった方々もいらっしゃいます。
すべて読ませていただいています、本当にありがとうございます。
そして2024年5月、この本の重版が決定しました。
手に取ってくださったひとりひとりのみなさん、そして売ってくださった書店のみなさん、編集者のべっくやさんのおかげです。
本当に本当にありがとうございます。
この先も1冊でも多く、読んでくださるみなさんのもとへ旅立っていきますように。ますます宣伝も、執筆活動もがんばっていきます!
(途中から、文体が変わってしまった!)
2024年5月31日 中前結花
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