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「退職」と「出発」を決めました。

この度、4月30日付で休職を頂いていた会社を退職し、『minne』『minneとものづくりと』を正式に離れることとなりました。
お世話になったみなさま、本当にありがとうございました。

2016年に入社し、在籍していた期間は4年と少し。
ですがこれは、わたしにとって、これまでの職場の中でも最も長い期間で、
そして、その期間のすべてを『minne』というサービスを担当して過ごしました。

『minne』が好きで好きで、仕方がありませんでした。
それ以外は二の次、三の次。
ここ数年は、そんな生活を送ってきた気がします。
そこまで気持ちを注ぎ込めるサービスと出会えたこと、そして、そんなふうに費やせたこの期間は、この先のわたしにとっても、きっと、何度となく振り返り、
「よくもまあ、あんなに夢中になれたなあ」だとか、
「本気で取り組むって幸せだったなあ」だとか、
そんなふうに思い返すような、
かげがえのない時間になることと思います。
繰り返しになりますが、本当にみなさん
何から何までお世話になり、ありがとうございました。


「大好きなものから離れる」ということは、
ずいぶん大袈裟かもしれませんが、
自分のなにか、一部を失うような、そんな気持ちがします。
ゆっくりと時間をかけ、充分に念入りに距離を取ったつもりでしたが、
やっぱり、今はまだ、胸や肺のところにぽっかりと穴でもあいたような心地でいます。

けれど、まずこの急な「休暇」を頂いたことは、
たくさんの方に迷惑をおかけしたものの、
勝手ですが、本当に良かったと心から思っています。

睡眠も食事も、身のまわりの環境も、
ずいぶんおざなりにした生活を送ってきました。
そして、振り返ればいつもわたしは、
「何が悪かったのか」「何が足りなかったのか」と、そればかりを考えて生活していたように思います。
達成できない目標に縛られ、
不甲斐ない自分を責める。
いつも責められているように感じてしまう。
そんな毎日の中で、やがて、心も体も擦り減り、
然るべくして、故障が出てきました。
そして昨年12月から、長い休暇に入ることとなったのでした。

それからは、少しの時間がかかりましたが、
しっかりと食べ、しっかりと眠るようになった毎日。
自分が好きなものを選んで取り入れ、
自分を少しでも嫌な気持ちにさせるものは手放す。
それの繰り返しを、淡々と真面目にやってきました。
そして、
「いちばん拘っているものを、一旦忘れてください」
という指導をもらい、それに一生懸命従うことにしました。
わたしにとって、やっぱりそれは
『minneとものづくりと』というプロダクトでしたから、これほどの苦労はありませんでした。

「考えるな」と言われて、考えずに済むようなら、そんなに楽なことはありません。
大好きな人に嫌われ失恋しているような気持ちが、ずっとずっと続く感覚にも近いかもしれません。

けれど、体や心が回復するにつれ、
ここ数年のわたし自身が、
いかに拘りが強く、刺激に弱く、偏った状況にあったか。
そんなことが、徐々にわかるようになってきました。

そして、いくつもの病院に通い、体の悪かったところも、順番に治してもらいました。
先日、その中でもいちばん大きな手術を行ったのですが、そのおかげで、ちっとも原因のわからなかった頭痛や、目の前の景色の揺れ、目眩などもずいぶんと収まりました。
今は、とても健やかに気分良く毎日を過ごすことができています。

そうして、自分自身に残ったのは、
シンプルに、「文章を書いていきたい」ということでした。
さらにもうひとつ、思うことは、
今が人生でいちばん幸せだということです。


そして、早いもので5月になりました。

特に直近で、再就職などは全く考えていません。
今お声がけ頂いている仕事や、
近ごろ始まった連載、新たに始まる連載など、
目の前の仕事をひとつひとつ丁寧にやっていければと思います。
そして、身近な人や自分自身を大切に、
じっくり時間を過ごしていくつもりです。
もちろん、書籍を出版したいという夢もありますし、
エッセイ・コラム・取材記事の執筆や、
サイトや書籍のライティング、
コンテンツ企画のお手伝いなどはいつでも受け付けておりますので、
どうか気軽にいつでもご相談ください。
そちらは、また別でも纏めて告知もしたいなと思っています。

また、これからの長期的な挑戦ですが、
いろいろと考えましたが、わたしはやっぱり
「ものづくり」というものが本当に好きなんだと思います。
良いものを書いて、作り手さんや作品を紹介をする……
というのも、もちろん今後続けていきたいことのひとつではありますが、
しっかりと、良い仕事を重ねた上で、その先に、
わたしには、

自分自身の名前で、「影響力」ではなく「濃度の高い信頼力」を集めたい。


という目標があります。
そうすることで、素晴らしいものづくりや、素晴らしい作り手さんについて、「あの人が良いと言うのならー」と信頼して興味を持ってもらえたり。
「手を取り合う、価値のある人だ」と作り手さんにも感じてもらえたり。
そんな、一緒にひとつ階段をのぼれるような仕事ができる、
おもしろい書き手になることが、
わたしの「やりたいこと」なのだと思います。
世の中には、本当に素晴らしいものづくりが沢山あります。
そしてできれば、リアルな場でも
そんなことがいつか実現できるよう、今、一生懸命考えているところです。

これからも、
文章を綴り、お笑いを見て、ドラマを見て、ラジオを聞いて。
素敵な作り手さんの作品をたくさん買い、個展に出かけ……
そんな毎日を過ごすことは、まったく変わりません。
そして、また1人のファンとして『minne』を今後も、
本当に応援しています。

これまで関わってくださった、沢山のみなさま
本当にありがとうございました。
そして、どうかこれからもよろしくお願いします。

ご縁があれば、ぜひまた一緒にたのしい仕事をさせてください。
もちろん、プライベートのお誘いや、
なにかお手伝いできることあれば、いつでもご連絡ください。
Twitter✉️でもなんでも結構です。
関わり方は変わりますが、
この4年の歳月が消えることがないことを祈っています。

ここまでやってこれたこと、
そして身心の具合をここまで回復させることができたことは、
すべて周りの人たちのおかげでした。
少しずつお返ししていけるよう、
真摯に、ひとつひとつ頑張っていきたいと思います。

では、またいつでも会いましょう。

2021年5月1日 中前結花

(イラスト:ちえちひろ)

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