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自分にしか出来ないことが出来るように

僕にとっては宝物

今現在、自宅のカギには、ボロボロで薄汚れたドラえもんの人形のキーホルダーが付いています。大切な人から貰ったから、大事にしている訳ではありません。自分で購入したものです。

成功するまで、死んでも働けという信念を持っていた為に、自分自身を追い込み過ぎた結果、過去に精神を病んでしまいました。その結果、夢も家族も家も財産も何もかも失ってしまったのです。

これ以上失うものが、無くなってしまった僕は、生きる意味さえもつことができませんでした。長い間、人生のどん底を、病院のベットの上で過ごしました。

ようやく前を向いて生きようと再出発しようと、人生の再出発した場所は、夜は酔っ払いたちが、深夜深くまで、何を歌っているのか分からない雑音を響かせているスナックが目の前にあるアパートでした。

もちろん、お金が無かったために、部屋には家具はなく殺風景でした。そんな時に雑貨屋さんで、ふと目に止まったドラえもんのキーホルダーが、僕の心を引き留めてくれました。

まだ、何もかも上手くいっていた頃、子供たちと毎年、映画を観に行っていた、ドラえもん。そんな過去に未練がまだまだ残っていて、過去に楽しかった思い出もあったんだよって、そのドラえもんのキーホルダーが語りかけてくれているようでした。

家に帰ったところで、孤独を感じるだけで、癒しはありませんでしたから、帰宅しようと自宅の鍵を開ける時に、そのドラえもんのキーホルダーだけが、いつもが慰めてくれていたように感じていたのです。

そんな思い出が詰まったものなのです。

まわりからは、いい加減に違う新しいものに変えたらと言われるのですが、僕は、適当に誤魔化しています。

これと同じようなことが人生にはあると、僕は思うのです。

それは経験です。

意味のないものは何もない

ある人には、必要ないものであり意味のないものだけど、それが、必要な人にはかけがえのないものであり、価値があるのです。なくてはならないものになるのです。

時に人は、自分にとって必要ないからといって、それを他人にとっても必要ないと判断してしまうことはとても乱暴であると思います。

自分の中にも、そういった暴力的なことが起きてしまいます。他人から、価値観を押し付けられてしまって、受け入れてしまう経験はないでしょうか。それって誰もが経験してきたことではないでしょうか。人は結構そういう意見に弱い。それは、受け入れた方が、とても楽だからです。

僕自身。それを経験した本人だからです。

僕が、料理人だったからです。専門学校を出れば、調理師免許を手にすることも出来るし、有名なお店でも、運があれば就職することも出来ました。大学に行かなくても、料理人になれた訳です。当然、僕は、大学受験をしなくても済むから、自分は勉強は苦手だから、料理人の道に進めば、勉強は必要ないものになる。そう思い、勉強から逃げたのでした。

料理の世界の先輩たちは、料理だけが全てだと断言して、たまに大学を経て料理の道に進んできた人達をあざ笑い馬鹿にしていました。僕も、それを受けいれていました。その方が楽だったからなのは間違いなかったからです。

そうやって、育ち優秀とされた先輩たちは、みんな満を持して、夢である自分のお店を多額の借金と共に、期待に溢れて出すのだけれど、どれも3年くらいすれば、赤字で首が回らなくなり、閉店を余儀なくされるばかりでした。

僕も十数年本当に苦しかった修行を経て、都会の片隅にオシャレなレストランのシェフに就任することが出来たのだけれども、出来ることは料理しかありませんでした。

誰もが、経営の勉強をしていなかったのです。美味しい料理さえ作り上げることが出来れば、お店は繁盛すると思っていたのです。ある人は、リーダーとして難を抱え、ある人は、経営に対して難を抱えていましたし、ある人は時代の流れに逆行していました。どの人の料理も確かに美味しかった。しかし、それ以上は何もなかった。

そんな中、今でも僕が尊敬している方がいます。その方は、大学出身で、トップ営業マンを経て料理の道に進まれました。その方のお店はいつまでもお客様で溢れていたし、コロナ中でも生き残っていらっしゃいました。料理人になるための専門学校もつくられました。

その方は、色んな経験から、その方にしかできない方法でお客様に笑顔を届けていたのです。そう、他の料理人たちが必要ないといっていて馬鹿にしていたことを、一生懸命に努力してきたからです。

何もこれは、勉強が必要であるという問題ではないのです。昨日は、自分の好きを優先させることを話しましたが、それだけを優先させ過ぎてしまうと、その後の人生で出会うことを蔑ろにしてしまいがちになるようです。

何でもかんでも否定をしないで

今の自分には意味がない価値がない。そう決めて自分に意味があることだけ選択していくことでは、自分のなりたいことでは成功することはないでしょう。自分にしかできないことが出来ないのだから。そこで競り合っているライバルたちと同じ事しか出来ないのです。

自分のやりたいことで生きていくために、誰も知らないような世界をたくさん知っておくことが大切なのです。今の自分にとって必要ないよときっぱり切り捨てずに、必要ないからこそやっておいたら道が開けるものだ。そういう視点で選択肢を選んでいければ、人生はもっとワクワクできるし大きくかわるものだと思います。

そうなのです。ドラえもんのキーホルダーのように、人生の中で自分だけの宝物を見つけることこそが、自分にしか出来ないことが出来るようになれるものなのです。今、あなたがしていることに、無駄なことは何ひとつありません。


最後まで読んでいただきありがとうございます。
メルシー



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