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栄養食事療法№4 脂肪肝 編

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暑い日が続いています。アイス、清涼飲料水、アルコール、スポーツ飲料等をいつもより多めに口にしている、冷たい麺類をおかず無しで食べることが多い、等思い当たりませんか。
心当たりがある人は、糖質の過剰摂取があると考えられます。
今回は「脂肪肝」について取り上げます。

脂肪肝ってどんな状態?

食べ過ぎや運動不足によって、余分な糖質や脂質が中性脂肪に変化して肝臓にたまった状態です。
放っておくと肝臓の機能が悪くなって、肝硬変へと進行することがあります。アルコールの飲み過ぎによって発症する場合と、アルコールを飲まない人にも起こる場合があります。

アルコール性脂肪肝

1日のエネルギーのほとんどをアルコールからとっていて、体は低栄養状態にあります。この場合、絶対に禁酒が必要です。栄養状態が悪いので、バランスの良い食事を三食べ、良質なたんぱく質食品を意識して少し多めに食べます。

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非アルコール性脂肪性肝炎

non-alcoholic steatohepatitis(NASH:ナッシュ)

以前は、お酒を飲まない人の脂肪肝は肝硬変にまで進まないと言われていました。しかし、お酒を飲まなくても脂肪肝から肝硬変に進行してしまう場合があります。
自分の肝臓は飲酒しないから大丈夫、と思っているのは少しちがいます。

肥満症、糖尿病、脂質異常症、高血圧症などを合併しているケースが多々みられます。糖代謝や脂質代謝に異常を起こして、脂質の合成が亢進することで、どんどん肝臓にたまってしまうのです。
例えば、肥満症では体重の減量を、糖尿病では血糖コントロールを優先にすることが必要です。
厄介なのは、太っていなくても肝臓に脂肪がたまって、脂肪肝に気が付かないこともあります。

食べ過ぎによる過栄養や、生活習慣に問題がある場合が多いので、食生活習慣の改善は必須です。

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自分でできる生活習慣チェック

「脂肪肝は肝臓に脂肪がたまる病気だから、脂肪を取らないようにしよう」と考えている人が多いようです。脂肪の取り方だけではなく、糖質やアルコールにも注意をしつつ、生活習慣を見直すことが必要です。

生活習慣チェック項目。ひとつでも該当したら生活習慣を変えよう!
①太っている。特に成人後のベスト体重から10㎏も増えた
②腹いっぱいになるまで食べ、カロリーをとりすぎている
③夜食を食べる習慣がある
④毎日お酒を飲んでいる。飲酒量も増えてきた
⑤間食習慣があって、特に甘い菓子をよく食べる
⑥清涼飲料やスポーツ飲料をよく飲む
⑦人より早食いで、大食いの傾向がある
⑧好き嫌いがあって偏食している
⑨揚げ物などの脂っこい料理が好み
⑩特別に運動をしていないため、運動不足
⑪普段からあまり動かないほうだ
⑫不規則な生活をしている
⑬健康診断の結果で肝機能異常と判定されたことがある

食生活改善の方法

①適正なカロリーでバランスの良い食事
食べ過ぎで過栄養の人は、まず食べるエネルギーを制限します。
1日当たり標準体重1㎏当たり20~25㎉が目安です。ちょっと面倒だと思う人は「腹八分目」を実行するのも方法です。
食事内容は主食・主菜・副菜をそろえ、バランスを良好に保ちます。

②脂質はとりすぎないように
魚油やオリーブオイルは体に良い油ですが、多すぎると脂質代謝が不良となります。使用量が多くならないように注意します。
特にフライや天ぷらなど揚げ物料理が好きな人は、回数と分量を減らします。

③野菜類、きのこ類、海藻はたっぷり食べる
ビタミン・ミネラル・食物繊維が豊富で低カロリーです。糖や脂質の代謝に役立ちますので、野菜は毎食、きのこや海藻も毎食いずれかを食べると良いです。

④普段の活動量を増やす
できるだけ座っている時間を減らし、意識して、こまめに動きましょう。運動習慣の無い人は、ストレッチや散歩も有効です。少しずつ始めましょう。

⑤アルコールは適量とし休肝日をつくる
アルコールそのものにカロリーがありますので、飲み過ぎはよくないです。飲酒量は控え休肝日を設けて、肝臓を休ませてあげましょう。
ただし、アルコール性脂肪肝の人は禁酒が鉄則です。

⑥お菓子と果物は控えめに
自分の体にとって余分な糖分は、脂肪に代わって肝臓にたまります。
お菓子には砂糖(二糖類)が多く、果物の果糖(単糖類)は中性脂肪に変わりやすいので、どちらも控えめにしましょう。

まとめ
脂肪肝は、ほとんどが生活習慣に起因します。
言われつくしたことですが、適正体重の維持、規則正しい食生活、適度な運動を合言葉に!


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