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集中力の持続時間とは?

集中力の持続時間とは、どのくらいの時間、我々が集中力を保つことが可能なのかということを指します。

その持続時間は、何に対して集中するか、また現在の状況によって変動します。

例えば、学習など座学の場合、その持続時間はおおむね15分程度だと言われています。

集中力の定義

この背景を理解するためには、「集中力とは何か」から確認することが大切です。

神経科学の観点から言うと、「集中力」は「注意」の観点から捉えられます。

注意には、「選択的注意」、「分散的注意」、「持続的注意」の3つの形が存在します。

「選択的注意」とは、多数存在する中から特定の対象だけに注意を向ける能力、「分散的注意」とは複数の対象に同時に注意を向ける能力、「持続的注意」とは特定の対象への注意を継続させる能力を意味します。

いわゆる「集中力」は、「選択的注意」と「持続的注意」の組み合わせた力であり、「特定の対象に対する注意力をどのくらいの時間維持するか」を示すものです。

集中力の計測

集中力、特に「選択的注意」の持続力を計測するためには、「クロックテスト」や「クレペリンテスト」が一般的に用いられます。

「クロックテスト」は、秒針だけが動く時計を見つめ続け、ある規則に従って動く秒針が一定のリズムを狂った時にボタンを押すテストです。

このテストは約2時間続きますが、ほとんどの人が1分すらもたないのが現状です。

一方、「クレペリンテスト」は、一列に並んだ一桁の数字を順番に足していくという単純な作業です。

このテストによれば、約7分後が集中力のピークで、その後は徐々に下降し、15分後には集中力はほとんどなくなります。

集中力の適用

勉強の際の集中力は、「クレペリンテスト」の結果に近いとされています。

そのため、集中力の持続時間は大体15分程度と言えるでしょう。

同じく、映像コンテンツの視聴も15分が限界と言われており、テレビ番組が約15分ごとにCMに切り替わるのも、この事実が反映されているのです。

集中力の秘密: 性質、やる気、そして年齢

ーーみなさん、集中力は一人ひとり違うと思いますか。

それはもちろん、全くその通りです。個々の集中力は性格特性、訓練の量、そしてやる気などによって大いに変わります。

例えば、ADHD(注意欠如・多動性障害)と診断されるお子様は、選択的な注意力、すなわち集中力が弱いとされます。

また、性格的に新規性や衝動性が強いお子様は、集中力が持続する時間が比較的短くなる傾向があります。

一方で、リスクを避ける傾向が強いお子様は、集中力の深さはそこまでないものの、持続する時間は比較的長いと言われています。

また、集中力に関する訓練をたくさん積んでいる方、または集中しなければならない事柄に対してやる気がある方は、集中力が高くなることが予想されます。

特にやる気が強ければ、一度集中力が途切れても、もう一度集中することが容易になります。

行動の開始と持続に関与する脳の部位、「線条体」がやる気に大いに関連しています。

線条体が活発に動いていると、良い結果がすぐに現れなくても「この行動を続けると良いことが起きそうだ」という感覚が生まれ、やる気が保ちやすくなります。

ーー年齢によっても集中力は変わるのでしょうか。

2015年に行われたハーバード大学とボストン注意学習研究所の研究では、集中力は年齢とともに改善し、ピークは43歳前後とされています。しかし、どの集中力のテストを使うかにより結果は変わるので、この研究が全てとは言えません。

ーー朝型と夜型、時間帯による集中力の違いはあるのでしょうか。

一般的に、高齢者は午前中、若者は午後から夜にかけて集中力が高まると報告されています。

ただし、これも一般的な傾向で、個人差があります。自分が最も集中しやすい時間帯を知るためには、一日のパフォーマンスを見つめて、自身の集中力グラフを作成してみると良いでしょう。

「集中力の鍵は『やる気』の向上」

集中力を向上する方法がありますか、と問われると、最初のポイントはやる気を高めることです。

ここで大切なのは、「行動によって快感が得られたか」です。

子どもが勉強をスタートし、しかし5分で飽きてしまったとします。

この場合、「5分でやめるなんてダメだ、もっと頑張らなければ」という叱咤は、やる気を上げる効果はほぼありません。

逆に、「勉強を始めたこと」「5分間もやり通したこと」など、既存の行動を肯定的に評価し、それを褒めることが重要です。

褒められることで、脳から快楽物質として知られるドーパミンが放出され、快感が得られます。これを「報酬効果」と呼びます。

たとえ5分間しか集中力が続かなくても、それが全くない状態よりもはるかに良いですよね。

そのため、常に褒める必要はありません。「よく始められたね」「頑張っているね」と時折、さらっと褒める程度が最適です。

毎回必ず褒めてしまうと、その報酬効果が徐々に減少します。

さらに、スポーツにおける集中力を向上させたい場合は、集中している子どもの写真を目に見える場所に掲示すると良いでしょう。

その写真を見ながら、「そのときの君の目の輝きが素晴らしいね」、「すごく集中していたね」などと褒めることで、その対象に対するやる気が高まりやすくなります。

効果的な学習環境の選択

「集中するためには静かな場所が最適」とされますが、実はリビングなど家族が集まる場所にもいくつかのメリットがあります。

自分が勉強している姿が自然と親の視線に入ることで、「自分が勉強していると認識されている感覚=報酬効果」が生まれます。

また、雑音の中で集中力を維持する訓練にもなります。

視線があると学習習慣が定着しやすくなります。

親が監視しているわけではなく、何かをしている最中に時折視線を送る、その程度がちょうど良いでしょう。

ただし、BGMを聴くことが集中力を向上させるかについては個々の好みによります。

ただし、歌詞がついている音楽は歌詞を追うことでワーキングメモリーが消費されるため、避けるべきです。

子どもの集中力を高める行動

スケジュールを立てることも、集中力を高める重要な手段です。

ここでポイントとなるのは、1つの科目を何時間も続けるのではなく、1つの科目を1時間程度に抑えることです。

なぜなら、分散学習の方が集中力が高まるからです。

スケジュールを作るときは、タスクへの時間配分だけでなく、具体的な行動もイメージしましょう。

特にオノマトペ(擬音語)を使って行動を表現すると良いです。「スッと立ち上がって、ダダッと机に向かい、ドンと椅子に座り、ガバッとノートを開き、ガツガツと勉強に取り組む」といった具体的なイメージを描くと、脳が活性化しやすくなります。

集中力を維持するためには適切な休憩も必これにより、いつも以上のやる気と集中力が湧き出てくることでしょう。

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