メロウ野郎

ミニベロあれこれ(おもにブロンプトン)で東北各地やたまに海外を旅したり、好きな音楽や本…

メロウ野郎

ミニベロあれこれ(おもにブロンプトン)で東北各地やたまに海外を旅したり、好きな音楽や本のことをぶつぶつ語ったり。 山形の街と宮城蔵王の森の小規模二拠点居住。

マガジン

  • ふくしま里みちサイクリング

    福島はいいぞおじさん「会津はいいぞ。阿武隈山地もいいぞ。たまに浜通りもいいぞ」

  • 夢で鳴ってた音楽

    別アカウントでやってた音楽記事と、今後の音楽記事のアーカイヴ。

  • やまがた里みちサイクリング

    低山あり、高山あり、森や盆地、温泉、味のある町や村、それらを縫って流れる何本もの川。じつは山形県は東北のドイツと呼ぶべきサイクリング天国なのだ。ふだんゆるい感じで走っている田園ライドのかずかずを。

  • A day in the life

    クラウドの写真アルバムから「◯◯年の今ごろここにおったで」と出された旅の日々の断章。タイトルはサージェントペパーズ。

  • いわて里みちサイクリング

    のどかな里山風景の南部、ディープな山と渓谷の北部、そして最近海外でも人気の盛岡。ちょっと遠いけど何度も行きたくなる岩手県。

記事一覧

福島交通軌道線のちんちん電車に会いに行った件

福島交通といえば今もJR 福島駅から飯坂温泉を結んで走る路線だ。しかしかつては、その他にも福島市内と周辺の保原、梁川、霊山といった小さな町を結んで走った軌道線すな…

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最近のTiny Desk Concert〜チャカ・カーン / ルシアーナ・ソウザ / おとぼけビーバー

本屋さんのようなセットで大御所から新進気鋭まで、あたかもインストアライヴの如きすぐ目の前感が味わえるYoutubeチャンネル、Tiny Desk Concert.。 最近はどんなんかな…

18年ぶりの須賀川はウルトラの街 及び18年前のポタリングとラーメン (福島)

福島県の仕事で郡山あたりまではわりとよく行くが、それ以南はなかなか機会がない。というか昨今ではあんまり遠くの仕事は受けないし、白河の関のあたりまで行くと朝廷軍と…

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(音楽noteと合併しまして) フランソワーズ・アルディを偲ぶ

これまでこことは別に、更新頻度激少かつフォロー1桁の限界過疎アカウントで音楽の話をしてたのですが、ログインの切り替えがめんどくさいし、こっちに統合することにしま…

メロウ野郎
2週間前
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銀山温泉で嘆いたりその背後の山をe-bikeで走ったり

山形の観光界では今や山寺立石寺と並ぶ人気の銀山温泉。 古い造りの旅館が谷あいの川沿いに建ち並ぶ風景はすこぶるフォトジェニックであり、民は我も我もとSNSに投稿するた…

メロウ野郎
2週間前
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山形の街の詩情を伝える写真サイト「山形の街並み」

山形の町には、なんともいえない詩情がある。 空襲で焼かれなかったので、古い建物が多く残っていたり、町割が昔のままだったりする。そのことに由来する前時代的ノスタル…

メロウ野郎
3週間前
6

三春で昼休みを散歩する 2017. 5(福島)

A day in the life 7(今回は自転車無し) 福島県の三春。滝桜で有名だ。梅、桜、桃の三つの春の花がいちどきに咲くので三春という。スリー・スプリングス、ドライ・フリ…

メロウ野郎
3週間前
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岩手県岩手郡岩手町で岩手三昧ポタ 2006/2009 (KHS F20)

(A day in the life 6) 岩手の中の岩手 岩手県岩手郡岩手町と言うと、岩手すぎて却って信用できない感じだが、そういう自治体がある。ちなみに宮城県宮城郡宮城町とい…

メロウ野郎
1か月前
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更埴とかあのあたりの千曲川ポタリング(長野 2007. 6:Giant MR4)

( A day in the life7 ) 年に1〜2回オシゴトで長野に行ってたころの話more. 山がちな長野県ではあるが川沿いは走りやすい。この時は更埴のホテルに泊まっていて、千曲川…

メロウ野郎
1か月前
6

長井市と南陽市(山形) e-bikeで廃村、廃寺、廃キャンプ場を巡る廃なポタ

はじめに さきに長井周辺をポタリングした際に訪れた伊佐沢地区。 交差点にある標識には大石という集落が記されていた。 しかしGoogleマップで見ると大石という地名は見…

メロウ野郎
1か月前
5

岩手県で右往左往、盛岡〜軽米〜釜石2009. 5 (A day in the life 5 )

(A day in the life 5) 今回も自転車は無し、あと2泊3日の話だからDaysですけど、まあ堪忍してけろ。 仕事旅に明け暮れていたころ、5月にやたら岩手県にいたという話は…

メロウ野郎
1か月前
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世界のエクストリーム運輸Youtubeチャンネル 「ありえない道 (Les Routes de l'impossible」

諸君、わたしは辺境が大好きだ。 アジアで、アフリカで、東欧で、いつかはやばい国のやばい道を走ってやばい町を訪ねる旅をしてみたいと思いつつ幾星霜、しかしいつの間に…

メロウ野郎
1か月前
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春のちょいポタ その8 川崎町をいま一度見直す(宮城)

はじめに 宮城県柴田郡川崎町。 西は山形県、東は仙台市太白区に接する広大な山林(蔵王の御釜も、蔵王町のように思えるが実は川崎領だ)、それらに囲まれた真ん中辺の小…

メロウ野郎
1か月前
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登米と米谷ポタ、そして仙北鉄道のこと(宮城)2014.5 ブロンプトン

(A day in the life 4 ) どこまでも田んぼまた田んぼの宮城県北。 あまり大きな町はなくて、築館、瀬峰、佐沼、米谷(まいや)、登米(とよま)といった小規模の町が散…

メロウ野郎
1か月前
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岩手・大迫から宇瀬水牧野サイクリング 2009.5 KHS F20

(A day in the life 3) 旅仕事の時代、毎年5月は半分近くを岩手県で過ごしていた。だいたいは盛岡に滞在して、仕事はあらかた昼で終わりだったので午後は近郷の野山にサ…

メロウ野郎
1か月前
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春のちょっとポタシリーズ7 長井と最上川とレトロ駅舎と(山形)

はじめに 山形置賜、最上川のほとりにある長井は好きな町のひとつだ。その周辺の田園風景も自転車向きで、これまで何度も訪れてはポタっている。 しかしこれまではついつ…

メロウ野郎
1か月前
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福島交通軌道線のちんちん電車に会いに行った件

福島交通といえば今もJR 福島駅から飯坂温泉を結んで走る路線だ。しかしかつては、その他にも福島市内と周辺の保原、梁川、霊山といった小さな町を結んで走った軌道線すなわち路面電車の路線が存在した。 他都市の例に漏れず、モーターライゼイションの波に抗しきれず1971年までに廃止となった。 廃止後の車両は何台かが保存展示されていたが、そのうちの一両1116号は保原(ほばら)市民センターにある。かつて福島から来た路線はここ保原から梁川と掛田(霊山)に岐れて延びていた。 しばらく老朽化

最近のTiny Desk Concert〜チャカ・カーン / ルシアーナ・ソウザ / おとぼけビーバー

本屋さんのようなセットで大御所から新進気鋭まで、あたかもインストアライヴの如きすぐ目の前感が味わえるYoutubeチャンネル、Tiny Desk Concert.。 最近はどんなんかなと思ってのぞいてみたらいきなりチャカ・カーン! 御歳71でこの迫力。ルーファス時代70年代の曲も、角○敏○がパクった「Through the fire」も余裕で歌いこなすパワーに恐れ入る。ふだんなに食ってるんだろう、やっぱ肉かな。 コーラス隊のヒョウ柄トリオお姐さんたちの存在感も強烈だ。 わ

18年ぶりの須賀川はウルトラの街 及び18年前のポタリングとラーメン (福島)

福島県の仕事で郡山あたりまではわりとよく行くが、それ以南はなかなか機会がない。というか昨今ではあんまり遠くの仕事は受けないし、白河の関のあたりまで行くと朝廷軍と武力衝突の可能性もあるので油断がならない。 そんなであったから郡山の南、須賀川の町を訪れるのも18年ぶりであった。なぜ18年ぶりとわかったかというと2006年に近郊をサイクリングしている写真が出てきたからであり、前回はその時であったことを思い出したのである。 円谷タウン須賀川 須賀川はわが国の誇る特撮の神にしてゴ

(音楽noteと合併しまして) フランソワーズ・アルディを偲ぶ

これまでこことは別に、更新頻度激少かつフォロー1桁の限界過疎アカウントで音楽の話をしてたのですが、ログインの切り替えがめんどくさいし、こっちに統合することにしました。これまでの音楽関係の記事と合わせて今後はマガジン「夢で鳴ってた音楽」にほうりこんでいきます。 まずはこちらでの1回目。 フランスの歌手、フランソワーズ・アルディが亡くなった。享年80歳。 (仏語では訃報でquitter la terre=地上を去るという表現がよく用いられる。すこぶる詩的だ)。 わが国では1

銀山温泉で嘆いたりその背後の山をe-bikeで走ったり

山形の観光界では今や山寺立石寺と並ぶ人気の銀山温泉。 古い造りの旅館が谷あいの川沿いに建ち並ぶ風景はすこぶるフォトジェニックであり、民は我も我もとSNSに投稿するために訪れる。加えて近年ではインバウンドなんたらで海外の観光客も我も我もに加わってどっと押し寄せ、オーバーツーリズムも憂慮されるテーマパーク状態になっているとも聞く。 山形市民であるわたしはといえばしかし、銀山を最後に訪れたのはもはや20世紀の昔だ。その後の銀山といえば、外人女将で有名だった某旅館の、景観にそぐわな

山形の街の詩情を伝える写真サイト「山形の街並み」

山形の町には、なんともいえない詩情がある。 空襲で焼かれなかったので、古い建物が多く残っていたり、町割が昔のままだったりする。そのことに由来する前時代的ノスタルジアが漂うのはもとより、昭和末期から平成はじめ、わたしが学生時代を過ごした時期のこの町の空気の抒情感もまた変わらずに在る。あちこちの建物は建て替わって新しくなっても、それは変わらないのだ。 大学を出て以来、いろんな町に住んだし、仕事で東北中の町を訪れて滞在してきた。しかしこんな詩情タウンは他に無い。セイシュンの思い出が

三春で昼休みを散歩する 2017. 5(福島)

A day in the life 7(今回は自転車無し) 福島県の三春。滝桜で有名だ。梅、桜、桃の三つの春の花がいちどきに咲くので三春という。スリー・スプリングス、ドライ・フリューリングス、トロワ・プランタンだ(しつこい)。 この日は移動中の昼休みに立ち寄ったのだった。町を見渡す公園のベンチで弁当を広げた。 食後に散歩した。 目抜き通りである国道は拡張整備されて沿道の建物も新しいものが多いが、古く味のある建築も残っている。 さらに裏通りにもいい感じの建築がちらほら残っ

岩手県岩手郡岩手町で岩手三昧ポタ 2006/2009 (KHS F20)

(A day in the life 6) 岩手の中の岩手 岩手県岩手郡岩手町と言うと、岩手すぎて却って信用できない感じだが、そういう自治体がある。ちなみに宮城県宮城郡宮城町というのもあったが今は仙台市になってしまった。 岩手町は沼宮内を中心とする一帯だ。いわて沼宮内なる新幹線の駅もある。新幹線が停まるほどの用事もなさそうなねむたげな町だが、盛岡から八戸まで停まらないのもなんか不義理だし、途中の沼宮内と二戸に駅を作ってみた。そんな感じである。 その辺は、何があるかというと

更埴とかあのあたりの千曲川ポタリング(長野 2007. 6:Giant MR4)

( A day in the life7 ) 年に1〜2回オシゴトで長野に行ってたころの話more. 山がちな長野県ではあるが川沿いは走りやすい。この時は更埴のホテルに泊まっていて、千曲川沿いのサイクリングロードを上山田温泉まで走りにいった。 途中の八幡という町にビジネスホテルがあった。 3階建てだが大浴場もあるからルートイン並みだ。 ビジホの既成概念を覆す外見に驚くが、だが待ってほしい。「商人宿」の英訳とすれば至極正確なのではないか。 ちなみに現在、2018年撮影の

長井市と南陽市(山形) e-bikeで廃村、廃寺、廃キャンプ場を巡る廃なポタ

はじめに さきに長井周辺をポタリングした際に訪れた伊佐沢地区。 交差点にある標識には大石という集落が記されていた。 しかしGoogleマップで見ると大石という地名は見当たらない。付近には洞雲寺跡という謎の史跡が記されているのみだ。 不思議に思って手もとの昭文社県別マップルを見てみる。2010年版の古いやつだ。そこには上下ふたつの大石集落に加え、杢ノ沢、須刈田というGoogleマップに記載されていない集落名も書かれている。洞雲寺も「跡」が付いていない。当時は現住の集落だった

岩手県で右往左往、盛岡〜軽米〜釜石2009. 5 (A day in the life 5 )

(A day in the life 5) 今回も自転車は無し、あと2泊3日の話だからDaysですけど、まあ堪忍してけろ。 仕事旅に明け暮れていたころ、5月にやたら岩手県にいたという話は前に書いた。 この年のこの時など、金曜まで岩手県内で仕事して、週末挟んで月曜はまた岩手県という日程だった。こういう場合日曜の夜はホテルに前泊する。 となると土日に仙台に帰る意味がわからない。待つ人がいるわけでもなかった。 であるからこの時は、土日も岩手県に潜伏して消息不明のヒトになってしま

世界のエクストリーム運輸Youtubeチャンネル 「ありえない道 (Les Routes de l'impossible」

諸君、わたしは辺境が大好きだ。 アジアで、アフリカで、東欧で、いつかはやばい国のやばい道を走ってやばい町を訪ねる旅をしてみたいと思いつつ幾星霜、しかしいつの間にか齢を重ね、そのような無茶をする気力も度胸も衰えてしまった。 そんなわたしが最近ハマっているフランスのYoutubeチャンネルがこれである。英語字幕付(無いのもある)。 現在シーズン12まである(→プレイリスト)。 たぶん同コンテンツの英語版。こちらは米国のチャンネルBest Documentaryの中のリスト。

春のちょいポタ その8 川崎町をいま一度見直す(宮城)

はじめに 宮城県柴田郡川崎町。 西は山形県、東は仙台市太白区に接する広大な山林(蔵王の御釜も、蔵王町のように思えるが実は川崎領だ)、それらに囲まれた真ん中辺の小さな盆地から成る。フィンランドのパン、カルヤランピーラッカに似ているといつも思う。ちなみに真ん中の部分はグラタンぽく見えるがただの米(粥)で見た目ほどおいしくない。 上り山形道をクルマで走るとその盆地を俯瞰できる。その地形を見るたび線路を敷いて鉄道模型を走らせたいと思う。ということは自転車で走るのにも向いた地形だ。

登米と米谷ポタ、そして仙北鉄道のこと(宮城)2014.5 ブロンプトン

(A day in the life 4 ) どこまでも田んぼまた田んぼの宮城県北。 あまり大きな町はなくて、築館、瀬峰、佐沼、米谷(まいや)、登米(とよま)といった小規模の町が散在する。名前からして米どころぽい。 それらをつないで1968年まで走っていた軽便鉄道が仙北鉄道だ。もちろん米の輸送にも大きな役割を果たし、国鉄瀬峰駅まで米を運んでいた。 この日はその廃線跡を雑に辿るポタリングだった。 線路跡はあらかた車道に吸収されてしまったが、一部は短い区間ながら自転車歩行者専

岩手・大迫から宇瀬水牧野サイクリング 2009.5 KHS F20

(A day in the life 3) 旅仕事の時代、毎年5月は半分近くを岩手県で過ごしていた。だいたいは盛岡に滞在して、仕事はあらかた昼で終わりだったので午後は近郷の野山にサイクリングに出かけたものだ。 この日出かけたのは、花巻の西の山中にある旧大迫町だった。 付近は葡萄畑と牧場が広がる高原であり、ちょっとヨーロピアンな風景だ。地元産「エーデルワイン」ブランドの製造元でもある。 ここから西に登っていくと広大な牧場が広がる一帯、宇瀬水牧野がある。そこまで行って周回す

春のちょっとポタシリーズ7 長井と最上川とレトロ駅舎と(山形)

はじめに 山形置賜、最上川のほとりにある長井は好きな町のひとつだ。その周辺の田園風景も自転車向きで、これまで何度も訪れてはポタっている。 しかしこれまではついつい市街の西側に偏ってしまうきらいがあった。そこでたまには最上川の東側の一帯を探索してバランスをとろうと思い立ったのである。 その辺りを走るのは初めてではないが、前回走ってからはもう何年も経っている。ずいぶん久しぶりな気がする。 大まかなルートは、川沿いの道をたどって南から東へ走り、東側の伊佐沢地区を北上してループを