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私たち、死んだらオパールになろうよ

ふと「海に行きたい、行かないと」と思い立ち、福岡県の糸島市に行ってきました。
生粋の福岡人である友人に案内してもらい、二見ヶ浦の美しい海岸へ。

一面青、青、青。
海の青は、空の青より少し濃いトーン。近づくと青いガラスが動いてるような透明度。いろんな青が目に飛び込んできます。

糸島は移住者が多く、現代的でカラッとした明るさがありつつも、どこか幻想的。すっかり虜になりました。

光に弱いからと持ってきたサングラス。日焼け対策の帽子と日傘。この光景にはどれも必要ないものでした。気がついたらすべて鞄に仕舞って、太陽を浴びながらじっと青を見つめていました。

二見ヶ浦
白い鳥居


海岸にはたくさんの美しい石や貝、シーグラスが。海岸での宝探しが大好きなので、勇んで砂浜に膝をつきます。

これまで屋久島や深島の海岸でも宝探しをしました。採集したものは全て大切に保管しています。
ちなみに、海岸の漂着物を採集・観察することを「ビーチコーミング」と呼ぶそうです。知らぬ間に何だか格好いいことしていたんですね。


宝探しに熱中していたら、隣にいた友人がふと、海岸にはいろんな「死」があるね、と言いました。
確かにそう。貝も珊瑚も流木も、死んだあとに流されて今ここにいる。波にのまれて削られて丸くなったりして。死んだあとも美しい。

木や骨が長い年月をかけて宝石になるのをご存知ですか?何百万年もかけてオパールになることがあるそうです。
私は最近それを知り、美しすぎて目眩が起こるようでした。

「死んだらこういう石や貝みたいな美しいものになりたいなぁ、宝石とか」
「オパールとかね」
「それいいね」
「死んだらオパールになろう」

心の奥底の隠れた場所からふいに飛び出してくる言葉があり、それらは得てして支離滅裂な形をしているのだと思います。
そして、案外そういう言葉が本質を突いているのかもしれません。

死んだらオパールになる。
そう決めると何故だか気持ちが楽になった私たちでした。

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