課題の多い133兆円市場 “小売業界”を支援 若手の視点が重宝される環境でビジネスをイチから創る
当社での職歴を教えてください
私は当社の親会社である三菱商事から出向しており、MCデータプラスに在籍して5年目です。
新卒で2018年に三菱商事に入社し、「リテイルサポート部(※当時)」という小売企業様をマーケティングで支援する部署に配属され、店頭サイネージの動画プロモーションやポイントカードでの販促支援を提案していました。
そして、1年目の10月にMCデータプラスに出向になりました。ビジネスが生まれる現場に行けると思い、非常に嬉しかったですね。自らの手でビジネスをつくり、プロダクトをつくるスキルを身に着けられると。
ただ、プロダクト開発のバックグラウンドや知見が一切なかったため、入社して最初の2年はエンジニアメンバーとともに自身でプロダクトのコーディングをしていました。トライ&エラーでとにかくコードを書きまくりましたよ(笑)。 2年間は長いような気もしますが、様々な小売企業様のプロジェクトに参加でき、あっという間でした。その中で小売企業様との商談に参加し、直接ニーズを把握する経験値を積んでいきました。
自らコーディングの場に入ったことでプロダクト開発の解像度が上がりました。エンジニアさんがどういう観点でプログラムを書くのか、どこにボトルネックがあるのかを知るのは非常に重要です。開発現場を把握していないとお客様の要望を受けるべきか否か、スケールしそうか否かの判断がしづらいからです。
課題の多い133兆円※市場 小売業界の魅力
リテイル事業本部がサービス提供する小売業界について教えてください
大きな市場、課題の多さ、若手への期待感が魅力です。
小売業界は、いわゆるスーパーマーケットやコンビニ、各種専門店など、我々生活者が商品を購入する身近な業界です。
小売業界は市場規模が133兆円を誇る巨大な産業です。その中で大きな規模を誇るのは食品小売のスーパー/GMSとコンビニエンスストアで、スーパー/GMSが年間販売額32.1兆円、「コンビニエンスストア」12.2兆円です。
そんな食品小売業界ですが、近年は経営課題に直面しています。
・人口減少とコロナの巣ごもり需要の反動による売上減
・他の小売や飲食店などとの競争が激化に起因する客数の減少
・人手不足や各種コスト増加による原価・販管費の上昇
などです。
こうした多くの課題に対して支援できるのはとても魅力的です。
自分がスーパーマーケットで買い物をする度にこの業界の支援をしていると感じられる身近さもありますね。
また、小売業界では自分のような20代、30代の意見がとても求められます。
商談先は小売企業様の経営企画部、販売促進部、マーケティング部などです。そこは40代、50代の方が多く、若い方でも30代後半です。私のような今後の日本の消費を担う若手の意見は貴重なのだと思います。小売業界の経営層は危機感がある中で若手からの新しいアイデアを欲しているのを感じます。
小売、メーカー、消費者を繋げるプラットフォームでより良い購買体験を
どのようなアプローチで小売業界の課題を解決しようとしていますか?
当社は、小売業界に携わる人や小売業界のお客様である各地域にお住まいの生活者を幸せにするための2つのITサービスを提供しています。
それが、分析サービス「cacicar(カシカル)」と、きせかえ家計簿アプリ「recemaru(レシマル)」です。
私は、「cacicar」のプロダクトマネージャーを担当しており、ビジネス、プロダクト双方を推進しています。
「cacicar」は、小売企業様の客数減少という課題に対して、各小売企業様が保有する膨大なビッグデータを分析し、お買い物をされるお客様に魅力ある情報をお届けすることで既存のお客様の維持・シェアアップ、または既存業務の効率化、省人化をサポートしています。
例えば、「cacicar」の「BI (Business Intelligence)」は、ビッグデータの集計技術を応用して、売上増減の要因などを特定します。小売企業様が店頭の売上高を要素分解し、前年の実績や類似店舗の実績と比較し、販売戦略を練ることが可能です。
さらに、小売企業様がもつ店頭の販売データをメーカー様もアクセスできる機能を持ち合わせています。これによりメーカーさんは小売企業様のデータをもとに小売企業様に自社商品の提案の仕方を変えたり、商品開発に役立てたりすることができます。
いわば小売企業様とメーカー様を繋ぐプラットフォームと言えます。
他にも、「cacicar」の「MA(Marketing Automation)」は、小売業界に特化した1to1マーケティングソリューションです。1to1マーケティングとは、「顧客ひとりひとりに合わせたマーケティング」という意味です。「cacicar MA」は、「誰に・何のクーポンを配信するのが最も効果的か」 を膨大な何十万通りのデータから短時間でAIが自動的に算出します。従来のクーポンのバラ撒きに頼ることなく、既存のお客様の維持・シェアアップ、販促業務の効率化、省人化を実現します。
例えばスーパーマーケットが扱うSKU(最小商品数)は月間で数万~数十万点になります。店頭を訪れる我々生活者は出会えない商品も出てきます。そこで1to1マーケティングによって、商品に出会えなかったことによる機会損失を減らし、それぞれの趣向にあわせて商品提案・マッチングで顧客体験を向上します。
従来小売企業様が実施していたマーケティングは誰にどんなクーポンを発行するかを1つ1つ手作業で行っていました。ターゲットの30代男性でも居住エリア、年収、趣味嗜好や価値観などで欲しているものが異なります。1to1で販促を行わないと生活者が本当に欲している情報を届けることは難しいと思います。
当然、小売企業様にとって最も重要なのは売り場、商品力です。生活者は最終的には売り場に赴き、商品を見て購入するかどうかを決めます。今後もお客様に強く支持されるのは、売り場、商品力が強い小売企業様だと考えています。そのために、「cacicar」で分析したデータを商品開発、店舗開発、売場作り、販促活動等に役立てていただくことで、小売業界の更なる発展をサポートしたいと考えています。それが、ひいては生活者が欲しい商品と出会い、買い物体験をより豊かなものにしていくことに繋がると思います。
業界有数の5,400万人分の購買データでできること
「cacicar」の強みはどのような点でしょうか?
導入企業が増えたことでお預かりするデータの量が膨大になりました。延べ5,400万人分の購買データを取り扱う、業界でも有数のプラットフォームに成⻑しました。大規模データを取り扱うためには高度な技術力/データサイエンス力が必要で、それを実現している事が「cacicar」の強みです。それだけでなく、複数の小売企業様の経営層と関係を構築しており、各社が抱える経営課題に向き合う一方、マーケティング部や店舗等の現場最前線の方とも直接コミュニケーションを取れる環境にあります。それゆえ小売業界全体に目線を上げてマーケットインの発想でプロダクトを開発・改善できる事が他のIT企業には無い強みです。
「cacicar」はこれまで初期顧客からのフィードバックに基づき、0→1でメニューをブラッシュアップしてきました。これからは1→100の拡販フェーズです。すでに導入企業様は国内大手のコンビニやスーパーマーケット、各地方で影響力あるスーパーマーケットなど9社を超え、全国規模でデータを網羅しています(2023年9月現在)。他にもトライアルで試験導入中の企業も多く存在します。
このフェーズになって見える景色も変わってきました。点ではなく、面で捉えることができます。
今後、生活者向けに情報を届けるアプリケーションが拡充できれば、さらに効果的になります。生活者と小売企業様、メーカー様を結ぶ一大プラットフォームを「cacicar」目指していきたいですね。
自らの意見をプロダクトに反映でき、ビジネスをイチから創る経験が可能
入社後、どのような成長ができたでしょうか?
プロダクトはまだまだ自分の考えを反映できる余地があります。自分がこうしたいという想いを実現でき、高速でPDCAを回していく段階です。
私はほぼ新卒で入社し「cacicar MA」の根幹となるAIモデルの作成などを任せてもらいました。クーポンを発行するレコメンデーションのロジック、効果検証のためのフレームも自分で決めて実装しています。
現在、プロダクトが直面しているのは、小売企業様の個社ごとの要望をどう落とし込むかという点です。個社要望に応えたいけれども、プロダクト全体像としては対応できない要望が出てくるので、これをどう解決するか。悩ましいですが、非常にやりがいがあります。
私は入社して5年間でビジネスそのものをイチから創る経験ができています。
ビジネスとは、プロダクトの設計、開発、プライシング、営業、契約書の作成、与信、請求までの一連のプロセスです。開発だけ、営業だけの経験ではないんです。これを5年間で経験できたことは大きいと思います。
まだまだ別のプロダクトを新規で立ち上げる構想もあるので、これから入社される方はどのロールも経験できます。
一番好きな当社のバリューは?
「DO FAST,LEARN FAST」です。
プロダクトマネージャーはスピード感が求められます。自分の仕事観として「明日やればいいか」とはせずに、早く取り組むことを意識しています。
特に「cacicar MA」の立ち上げ期は、週に2回お客様との定例会を実施し、打合せの中でフィードバックいただいた内容を2、3日で改善するというようなスピード感で動いていました。常に内心ドキドキしながら仕事をしている感じは、まさに「DO FAST,LEARN FAST」ですね。
負荷がかかることは嫌いではないので、業務負荷などはあまり考えないです(笑)。
一気通貫の買い物体験の実現へ
今後の目標は?
「cacicar MA」を進化させ、生活者にリーチさせるところまでプロダクトを拡充していきたいと考えています。現状の機能はデータ分析と商品レコメンドまでなので、生活者が使いたくなるアプリをローンチできれば、チラシの代替やレシピ提案などもできます。そうなれば、より一層快適な買い物体験を提供できますし、小売企業様に対してどの方面からもご提案ができるようになります。
直近1、2年くらいで達成したいですね。
※矢野経済研究所の調査資料「2030年の小売市場の展望」
https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/3269
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