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2022

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#恋愛

小さな腫瘍

小さな腫瘍

カメラロールの写真を消す作業は、
頭の片隅からひとつずつ記憶が消え去っていくようで、
少し胸が苦しかった。

身体のどこかに居座っている小さな腫瘍のようなそんな硬い記憶が、
自分の人差し指の操作によって抹消された。

呆気ないものだった。

思い返してみれば、君との思い出なんてこれっぽっちも思い出せなかった。

君との日常は確かにここに存在していたはずなのに、
思い出は薄っぺらかった。

怖い思い

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短かかった髪を伸ばそうと決めたのは、君への当てつけだったのかもしれないね。

短かかった髪を伸ばそうと決めたのは、君への当てつけだったのかもしれないね。

短かかった髪を伸ばそうと思ったのは、
なんとなく大人の女性に近づきたかったからで、
君の好みとかは別に関係なかった。

耳に少し髪がかかるくらいのショートボブヘアーを数年間貫いていた私は、
髪を伸ばすべきか悩んでいた。
「髪を伸ばすか迷ってる。」
そう呟いた私に、彼は
「絶対長いのも似合うよ、見てみたい。」と言った。

今思えば単純だった。ちょろかった。
あの頃、私は彼に好意を抱いていたから。

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