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あなたはミニマリスト?マキシマリスト?それともセンチメンタリスト?

カナダに来たばかりの頃、部屋に何も写らないブラウン管TVがあり、大家さんに交渉を重ね、ついにテレビを繋げて貰った。

沢山あるチャンネルの中、私を虜にしたのは「HGTV」という放送局。このチャンネル、「Home & Garden Television」の略で、なんと、24時間365日、おうち関連のTVショーを流し続けるテレビ界の奇跡。不動産の売買から、リノベーションあれこれ、インテリアコーディネート、etc...もう楽しくてしょうがない。

特に好きな番組は「Fixer Upper」というシリーズで、ホームレノベーションを専門とするChipと、デザイン&デコレーションを専門とするJoannaの夫婦が、ボロボロのお家を価値あるお家にして「魅せる」という、そう「劇的!ビフォーアフター」アメリカ版。

私は、日本のものをあまり観たことがないのですが、アメリカ版は予算やその他の価格がオープン。「こういう事すると、これだけのお金が掛かるんだなぁ」というのを教えてくれます。また、トラブルも包み隠さず放送。例えば害虫とか。そんな所も割とリアル。

Joannaは街をプロデュースしたり、自身のブランドを持っていたりマガジンを出したり、料理本を出したり、すごい。(ただのファン)

Chipの方は、オチャラケ具合が実父を思い出す。二人の漫才のような掛け合いも楽しくて、私は好き。

この番組が好き過ぎて、カナダに来てまで危うく引きこもりになりそうだった。いや、引きこもりにはならなかったけれど、家にいる時は常にこのチャンネルを見ていた。そんな事もあって、お家の用語「backsplash」「subway tile」など、あんまり使い道のない言葉にやたら詳しくなったりした。ありがとう、HGTV。

番組名でもある、このFixer Upperという言葉は、こんな感じで日常的(?)に使われていて、「状態の良くないお家を直して価値を上げる」という意味。トロントで知り合ったとある家族は、自分で直すのではなく(多少はやっていたけれど)業者に頼んで古いお家を住みながら改装し、高値で売って、という事を何度かやっていた。とても儲かるらしい。

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最近まで住んでいたアパートも今の家も、テレビが繋がっていないので最近はこのチャンネルはご無沙汰。

が、私のリノベーション愛はとどまる所を知らず、YouTube上で素晴らしいチャンネルを見つけてしまった。しかもトロントのYouTuber。

それが「Sorry Girls」

なんでソーリーか?⇨「カナダ人だから(すぐソーリーって言う)」という自己紹介ビデオ。

私はDIYの動画はあまり見ておらず、彼女達のroom makeoverビデオが好き。

そして、Kelseyは最近、一軒家を購入!大々的に改装し、一階と地下を彼女一人の住まいに、二階を1ベッドルームのアパートメントにし他人に貸している。

住宅価格沸騰中のトロント市内、こうしたアイデアはよく聞く。恐らく一般的なのは、一軒家の地下をアパートメントとして改装し、貸し出す方法。
アパートやコンドだと、1bedroomやワンルームを選ばず、2LDKや3LDKなどを借りてルームメイトを募集したり、友達と住むことが節約的で若い世代には人気かと。

ちょっと前には、トロントのダウンタウンで暮らしていた20代の四人が、トロントのミッドタウン高級住宅街の”豪邸”に引っ越したニュースが(私の中で)話題になっていた。

Shoeboxとも呼ばれる狭いが激高なダウンタウンの家賃(1ベッドルームの家賃平均は2018年の当時、$1,995。日本円で163,102円)に嫌気が差して、こちらの一軒家に引っ越して来た彼ら。4人で割ると家賃は$1,050、日本円にして85,880円。豪邸は5bedroomsに4バスルーム、暖炉が一個以上…ワオ。

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話をSorry GirlsのKelseyに戻そう。一軒家を購入した彼女。

私はまず、彼女らの職業、YouTubeオフィシャル(verified)のYouTuberって儲かるんだな…と思うと同時に

恐らく同世代である彼女が、同棲や結婚という道を選ばず、一人で家を買って、一人で生活する、という選択をした事が誇らしかった。彼女、パートナーはいて、彼は別に住まいがあるよう。すごくかっこいいな、と思いました。

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さて、表題の話に入っていきます。ミニマリスト。私は全くその気配がない生活をしているのですが(服好き、靴好き、かばん好き、ピアスとブレスレットも好き)そのアイデアには興味があり、ミニマリズムについてのあれこれを観たり、読んだりして学んでいます。

恐らく、ミニマリズムを知ったのは、その昔、この映画を観たから。おススメです。

近年、上記の映画を元に作られた「100日間のシンプルライフ」というエンターテインメント作品もあるそう。こちらは観ていないんですが。

この、倉庫に持っているものを預けるという行為、実は自分もやった事があります。カナダに、ワーキングホリデービザでやって来た際、私は一年だけ滞在し、帰国後はまた、日本で生活する予定でした。なので、一年の間、自分の荷物(一人暮らしをしていたので、白物家電もあった)を貸し倉庫に保管していたのです。結局、カナダで暮らすことを決めたのでそれらの家電は売渡したり、ゴミ処分したり。ミニマリズムとは全く関係ありませんけどね。

そして、沢山の荷物が実家で眠っています。更に、去年、一人暮らしの前アパートから、引っ越しを手伝ってくれたパートナーが大量の荷物を車に詰めながら言った。「これ、テンポラリー(一時的な滞在)で住んでいる人の荷物の量じゃない」そう、マキシマリズムの生活をしている私。

でも、ミニマリズムには引き続き興味があり(何回言う…)特に好きなインフルエンサーはこの方。Matt D'Avella

私はこの方の、非ミニマリストのパートナーと暮らしが本当に好き。

なんというか、強い信念がありながらも相手を尊重する…こう、パートナーシップとはこういう事なのかな?とまで考えさせてくれる。

ところで、このスッキリとした食器棚の様子、実にうちのキッチンに似ている。パートナー父は多分ミニマリスト。尋ねた事も宣言されたことも、本人が自覚しているかも謎だけれど。そう、生活スタイル、生き方なんですよね。

このMattたち、元NY在住。そしてこの間まで、反対側のカリフォルニアに住んでいた。そして最近「なぜ我々はカリフォルニアを離れるのか」というビデオをアップしていて、驚いた。

国をまたいでのお引越しってすごく大変だから、そして家族を思う気持ちも分かって、年末すごく心を動かされた動画の一つ。

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この話が最後。

中盤でご紹介したSorry Girlsの動画で、興味深いタイトルを見つけた。

Apartment Therapyというサイトが出した「80人のデザイナーに聞いた、2021のおうちデザイン、インテリアはどうなるか」みたいなマトメに意見するというビデオ。

主に、トレンドについて話しているのだけれど、この導入文にやられた。

Home may be where the heart is, but during the pandemic, for many of us it’s become where everything is.  -上記サイトより抜粋

このパンデミック期間はおうちが心の拠り所というより、殆どの人には、おうちが「全て」になったよね。(筆者意訳)

ステイホーム=そう、もう、お家が全て。

居心地を格上げしたくなったり、家族との衝突やノイズを避ける為の仕切りや個室が余分に必要になったり。

これらの話は、トレンドを飛び越え、2021年こうしたら住みやすいんじゃない?というアドバイスとしても必読である。メディテーションエリアが流行るんじゃない?とか、本当、そう思う。軽いエクササイズも出来たら最高よね。

インテリアをミニマリズムでいくか、マキシマリズムでいくかって所は、特に信念がなければ、もう本当好みでしかないと思うが、個人的にはミニマリズム派。物持ちでも、物は隠して、すっきり生きたい派。

デスクの上がごちゃごちゃしてると落ち着かない人と、ごちゃごちゃしてないと落ち着かない人の違いかな。私は完璧に前者。整理整頓が好き。

そんな中、動画のコメント欄に興味深いメッセージを見つけた。

Excited that maximalism is becoming a trend again because while I don't think minimalism is bad or one needs to buy more things to be trendy, I'm a sentimentalist and a collector by nature and I would love to see the idea of cherishing belongings and not throwing things out enter the design process. I think it ties in nicely with the trends of cosiness and environmental awareness. Great video Becky, I'm excited for future videos inspired by these trends!

「マキシマリズムがまたトレンドになると聞いて嬉しい。でもミニマリズムがダメとか、流行に乗る為に物を買い込むことが良い、という訳ではない。

私はセンチメンタリスト。コレクターでもあるけれど、ものを捨てるのではなくて、元々ある持ち物を大切にする、という考え方。この考え方が、快適さと環境問題への意識の両立に繋がっていくと思う。」(筆者意訳)

2020年は、物の価値が変化した年だったと思う。普段なら毎日使うものが突然用なしになったり、オンラインワークやスクールの為にパソコン周りを充実させたり。

身近な所で言うと、去年の3月以降は服を一着も買わなかったが、年末に「欲しいな」と思うコートを見つけた。いつもなら割とポーンと買っちゃうのだけれど「外、行かないしな…」と最後の最後まで悩んだ。セールにならないのでこのまま私の心から忘れられていくのかもしれない。…実は今も待っているので、お安くなったら買っちゃう…かも…でも同じ値段なら、読書やサブノートとして使えるiPadを買おうかな、とか。

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トレンドに左右される事なく、既に持っているものを大切に、同時に環境問題も視野に入れ、心地よく生きる。私は、ミニマリストに憧れるセンチメンタリストかもしれない。この考え方が、2021年の私の生活の基盤になるような気がする。

あなたは今年、どんな家で、誰と、どんな暮らしをしていきたいと思いますか?物との距離を、どうはかっていきたいですか?

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