〖作詞〗『壁と坂』
『壁と坂』
作詞 : S0U
最新式の 掃除機ロボット
壁に当たれば 方向変えて
嫌なことから 逃げ続ける
それが私の 処世術
進路を変えた その先も
結局 新たな壁があり
その度 ぐるぐる回るだけ
人一倍 時間をかけて
到着したのは 同じ場所
傷つくのが 怖いから
報われないのが 怖いから
抗う事に 理由をつけて
必死に 下を向いていた
壁の高さを 知らないために
アップデートも 出来ないままに
世間は数字を 刻んでて
身体は徐々に 錆び付いた
傷は1つも 無いくせに
首は左右に 振れるだけ
指はギシギシ 音がして
脚部のギアが 嵌らずに
立ってる場所から 動けない
悲しくなって 涙が溢(あふ)れ
悔しくなって 涙が溢(こぼ)れ
動かぬギアに オイルのように
染みていく
遠い昔に 止めた時間と
錆びた身体が 少し動いた
固定された 首元の
可動域を 無理矢理広げ
軋みながらも 拳を固め
動かぬ脚を 交互に前へ
逃げるのではなく
向かうために
辿り着いた 白い壁は
それはそれは 高いもので
悪い癖が 出そうになるが
初めて壁に 抗って
拳を 強く叩きつける
硬く高い 2色の壁を
軋みながら 傷みながらに
叩いていたら
少し傾き 坂になった
壁であった坂を前に
大胆不敵に ニヤリと笑う
「なんだ これなら越えられそうだ」
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