Mattias

本職、看護師

Mattias

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最近の記事

貴女は

肌を重ねているのに孤独で、貪り尽くしているのに一つも手に入らなくて、見つめ合っているのに何も見えない。 ここにいるよ、そう言われれば言われるほどに孤独で寂しい。 どこかで取引しているのね。 これだけ気持ち良くて、体の奥底から快楽を貪っているから、きっと幸せになれるはずだろうと。 きっと同じくらい愛を差し出し合っているだろうと。 答えがNOだとわかっているから、いくらでも差し出せてしまう。 肉食獣が命をかけて食べるように、私を貪っている。 そ

    • モルヒネ

      眠ってもいいよ。抱いててあげるから。 久しぶりに会った大好きな人と抱き合いながら、SEXの後の気怠さに微睡みながら、 彼女の顔を見ていた。 そう、相手は女性。 お互いダブルワークで、寝る間も惜しむ忙しさ。 不意に、彼女が寝息を立てて、私を抱く手から力が抜けた。 眠ってもいいよ。抱いててあげるから。 SEXが良かったはずなのに、 いつしか、抱き合うことの方が数倍良くなっていた。 肌を重ねると、たちまち溶ける。 肌を重ねると、吸い付く。

      • やっと手に入ったもの

        夫との結婚生活が終わった。 離婚届の中にメモ用紙が挟まっており、床に落ちた。 "15年間ありがとう" 私がずっと欲しかった言葉だった。 欲しくて欲しくて、求めて求めて、苦しくて苦しくて、離婚まで持ち込んだ言葉だった。 力が抜けて、涙がほろほろ流れて止まらなくなった。 変わってしまったと思っていた彼は、何も変わっていない、私が愛した人のままだった。 よかった 婚姻制度には当てはまらない私たちだったけど、愛して欲して、傷つけて罵り合った私たち。

        • 女同士の快楽

          元カノに会った。 かれこれ25年ぶりの再会。 彼女は、中性的な出で立ちで現れ、整形したらしく、綺麗な顔立ちでそこにいた。 元々、可愛かった彼女だったから、尚更、綺麗でびっくりした。 そして、立派なビアン へと成長を遂げていた。 私の初めてのオンナだった彼女。 その肌触りも、すっかり過去のこととなり、感触も忘れていたけれど、手を繋ぎ、ハグをして、記憶はあっという間に戻された。 ヘテロセクシャルなはずなのに、唇が、肌が、女を覚えていた。 これに

        貴女は

          結婚してみる、人間の面白さ

          社会人となり、バンドも辞めて、ひょんな事から看護学生になった私だったが、仕事は思いのほか楽しく面白く感慨深いものだった。 プライベートでは、同棲を経て入籍もした。父が手紙を持って職場まで来てくれて、師長の手を介して私の元に届けてくれた。事実上の結婚の許しが記されていた。私は師長室で嗚咽をあげて泣き、19歳の誕生日に籍を入れて、ケニーの妻になった。 病院内での看護助手をしながら、看護学生をやるという日々の中で、人が死ぬところを見た事がなかった私は、衝撃も受けたし、また、生

          結婚してみる、人間の面白さ

          代わりになるもの

          ジョニーは、私との事は何事もなかったのように、いつも通りみんなと一緒に遊ぶ事が続いた。 私もどこかでもう一度ジョニーとSEXしたいという思いは握りつぶしていたのだろう。なぜなら、2度3度と体を重ねる事で、私の中の彼はただの男へと落ちぶれて行きそうだったからだ。 婚約している彼女がいるのにも関わらず、6歳下の女子高校生に手を出す彼は、きっと他でも同様の事をしているだろうと、容易に想像できた。その時点で、彼は私の中で十分に落ちぶれていたのだ。 キスをしてSEXをして、あれほど幸せ

          代わりになるもの

          陳腐なロストバージン

          そんな16歳のある日、クラスメイトの友人の男の子と遊ぶことになった。私からしたら子供の男の子たちだった。3人でバイクで家まで迎えに来た。向かった先はホテルだった。バイクにたやすく乗った自分がバカだと気づいたが遅かった。その名前も知らない男の子たちによってあっけないlost virginを迎えた。 何も気持ちよくないし、愛されてもいない、何より、名前も知らない初対面の3人だった。オナニーでオカズにしていたようなものは、一切そこにはなかった。 悲しいとかいう感情はなかった。 期待

          陳腐なロストバージン

          初めてのオトコ

          なんとか高校生になり、バンドとバイトに明け暮れる日々を送っていた。学校にはたった1人だけ、ナンシーという友達だけがいたのだった。他の連中とはほとんど言葉を交わさなかった。ただ、当時、チーマーと言われるような男の子や、スカートをやたらに短くし、ルーズソックスを履いているような女の子とは、なぜか気が合い、話す事はあった。バンド活動も本格的になり、1つ年上の男たちと組むようになった。他校だったし、私以外は男だったので、これまた楽しい日々が巡り巡っていた。学校にはほぼ行かないか、行っ

          初めてのオトコ

          忘れている記憶

          最近読んだ本 『夫のHがイヤだった』 まるで、昔の自分が蘇るような感覚 読み終えて、涙が流れた 無理やり自分から捨てたようなロストヴァージン、愛されていることを確かめるためのSEX、体を開くことが愛されていることだと勘違いしていた自分、などなど、鮮明に思い出した そういや、過食嘔吐もやってたね 痩せて綺麗になれば愛してもらえると思ってたね でも、痩せすぎて気持ち悪くて愛してもらえなかったね 結局は、誰かの何かが欲しくて仕方なくて

          忘れている記憶

          いい子から反社会的少女へ

          中学生になり、私はソフトボール部で活躍するようになった。彼氏もできた。学級委員もやった。勉強もそこそこできた。そして、モテた。明るくて友達も多くて、運動も勉強もできた私は、文字通りのいい子だった。 先輩からも後輩からも好かれて、休みは友達と遊んで楽しくやっていた。 タメの彼氏は、ジャックという子で、生まれつき片方の耳の穴が塞がっているという奇形を持ち合わせていた。しかし、ジャックは、どことなく大人っぽくてオシャレだった。細身の制服を着るようなセンスを持っていた。そして、ロック

          いい子から反社会的少女へ

          快楽なしの初恋

          男を本気で好きになったのは、小学校五年生の時。同じクラスのマイクだった。野球少年で細身で端整な顔立ち。野球やってるのに色白で、今思うと、彫刻みたいな雰囲気だった。 だけどマイクは、なかなかの女たらしだった。私以外にもあと2人にラブレターを送り、好きだよ、と、愛の言葉を囁いていた。 当時、『ホットロード』というヤンキーの恋愛マンガが流行っており、物語の中で、主人公が腕に彼の名前を彫るというシーンがあった。私も手首にマイクの名前を彫った。人を好きになるっていう事が、痛みを伴い、永

          快楽なしの初恋

          体の覚醒

          小学校四年生の時、私の中のホルモンが動き出した。自分の脳みそでは説明ができない体のスイッチが入ったのだった。 胸が明らかに他のどうしようもない変化によって、痛みを伴い膨らんでいった。 乳首が敏感になり、自分が女なのだと思いっきり叫んでいるかのような体の変化が起こったのだった。 そこで、私は、脳みそと体のアンバランスさを感じていた。 脳みそはまだまだ甘えたい欲望に満ち、体は真逆に大人へと進化していっていた。このチグハグさが、心地悪くて、何故だか自尊心を傷つけられているような、自

          体の覚醒

          罪悪感と快楽と

          私の母は教育者だった。そして敬虔なクリスチャンだった。つまり、性に真逆の存在だったのだ。 従って、私は神様からの預かりものと言われていた。一時的にお母さんがお預かりしているの、と。子供心にこの言葉に私は傷ついた。でも傷ついている事は表に出さず、笑っていた。 そして、私には2つ下の妹がいて、母はそれ以外に2人の子を預かっていた。私は名前を呼ばれるのではなく、"お姉ちゃん"という役回りになっていた。お姉ちゃんは、頼り甲斐があって、お母さんの右腕的存在で、素直で従順でなければならな

          罪悪感と快楽と

          オナニーへの罪と罰

          しかし、オナニーでのオーガズムに酔いしれながら、どこかで後ろめたく、自分は他の子と違っているんだという自覚もあった。 私はいい子でいなくちゃいけなくて、オナニーは気持ちはいいけれど、決して親には知られてはいけない事だという自覚はあったのだ。 だからこそ、隠れてやるオナニーは蜜の味だったのかもしれない。 オンナの顔を親に見せてはいけない…そんな事を小学生ながらに思っていたのかもしれない。 そんなわけで、オナニーの蜜の味は、私だけのたった1人の秘め事だった。

          オナニーへの罪と罰

          オナニーの告白

          私が初めてオナニーをしたのは、小学生中学年だったと記憶する。 テレビでいやらしい場面が出てくると、私の心臓がバクバクし、ヴァギナがジンジン熱くなるのを感じた。 そしてふと、私もあんなふうに気持ちよくなるのかな⁇やってみたい!という思いが湧いたのだった。 布団の中で、パンツの中に手を入れて、ヴァギナを触ってみる。不思議なほど自然に手が伸びた。どこをどんなふうに触ったらあんなふうに気持ちよくなるのか、私は私自身のヴァギナで実現したのだ。そして、クリトリスの存在に気づく。あ!なんだ

          オナニーの告白

          性の目覚め

          私の性の目覚めは、記憶を辿ると、自分が女の子だと自覚した年少さんの頃だと確信する。 好きになったトオル君にキスしたのだ。それは、好きな人の唇に触れたいという、明らかな性欲として記憶している。私にとっての初めての異性だった。もちろん手も繋ぎたい、というより肌に触れていたいという想いだった。 当時の私は、スカートを履き、三つ編みをし、オンナ丸出しだったのだ。色気を意識した年少さんだったのだ。もちろん、他の子達は子供で、まったくもって話題は合わない。だけども、私は平気だった。こ

          性の目覚め