性の目覚め

私の性の目覚めは、記憶を辿ると、自分が女の子だと自覚した年少さんの頃だと確信する。
好きになったトオル君にキスしたのだ。それは、好きな人の唇に触れたいという、明らかな性欲として記憶している。私にとっての初めての異性だった。もちろん手も繋ぎたい、というより肌に触れていたいという想いだった。
当時の私は、スカートを履き、三つ編みをし、オンナ丸出しだったのだ。色気を意識した年少さんだったのだ。もちろん、他の子達は子供で、まったくもって話題は合わない。だけども、私は平気だった。これが私なんだ、他の子が幼いだけだと疑わなかった。
しかし、家では私は聞き分けの良い子だった。良きお姉ちゃん、ムスメだったのだ。すなわち、女を出せなかったのである。
そのジレンマは小学生になっても拭えなかった。

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