貴女は
肌を重ねているのに孤独で、貪り尽くしているのに一つも手に入らなくて、見つめ合っているのに何も見えない。
ここにいるよ、そう言われれば言われるほどに孤独で寂しい。
どこかで取引しているのね。
これだけ気持ち良くて、体の奥底から快楽を貪っているから、きっと幸せになれるはずだろうと。
きっと同じくらい愛を差し出し合っているだろうと。
答えがNOだとわかっているから、いくらでも差し出せてしまう。
肉食獣が命をかけて食べるように、私を貪っている。
そこには永遠はなくて、次回はない。
今しかこの時しかない。
肌が離れた瞬間に、永遠に遠い。
見えなくなってしまうほどに遠い。
交わす言葉も通じなくなるほど遠い。
異国人というより異星人。
それぐらい、貴女は遠い。
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