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【企画】皆とコメントで作品を作ろう会Part1【まとめ/完結】

こんにちは、鶴城松之介です。

今回は先日企画した、『皆でコメントを使って作品を作ろう』で完成した作品をまとめていきます。

設定とお題は僕が決めましたが、その他は皆で作っていきました。

設定

お題:散髪
設定:右眼に謎を秘めた人達の話

登場人物

ピスタチオさんがまとめてくださったのを引用です。
ありがとうございます!

◆店主◆
床屋の店主。右目から癒しのビームを放つ能力者。その力を押さえるためにタモさんからもらったサングラスをかけていたが黒服の女との戦いの最中、割ってしまう。

◆客1◆
床屋を訪れた客。「左目に違和感のある人を見たら決して口にしてはいけない」との意味深な警句を店主に告げる。

◆黒服の女◆
右目から破壊のビームを出す女。兵藤会長がカイジに制裁を加えるために差し向けた刺客。フリーザにナンパされる。

◆おさむ◆
床屋を訪れた客。髭剃りの準備中に黒服の女が来店。彼女と店主の戦いを目撃する。スリランカにいるぼんちおさむはこの日本のおさむの影分身の一人である。のちの漫画の神様・手塚治虫。店主のビームで髭が伸びる。

◆七海◆
彼氏の佑を探しに来店して戦いを目撃する。店主が割れたサングラスを拾い集めるのを手伝う。

◆ぼんちおさむ◆
スリランカで紅茶の生産に従事する。日本のおさむの影分身の一人。日本のおさむに力を送ろうとするがテストで力を使い果たすも、その後、得意のギャグを披露し笑エネルギーを発動。

◆チャイ◆
スリランカでぼんちおさむとともに紅茶を生産する。ぼんちおさむの笑エネルギーに吹き飛ばされる。

◆兵藤会長◆
黒服組織帝愛グループの長。カイジに制裁を加えるために黒服の女を刺客として放つ。

◆フリーザ◆
店主と黒服の女の戦いの最中、突如床屋に訪れた謎の人物。黒服の女を口説いてデートに連れ出す。メルカリでタモリがサングラスを出品していたという情報を店主に告げる。

本編

散髪屋さんで

店主「お客さんを何人も散髪してしたけど じつはおれ世の中に何人か…たしかに!何十人か何百人かに1人に、目からビーム出てる人見たことあんだよ。それな!大概右眼なんだ。てゆうか右眼からビーム出てんのおれ見たことあんだよ。何回か」

客「ほーう…右だけと言うのは不思議ですね。では左はなにをしているのでしょう」
店主「さあ、左のことは気づかなかったなあ。とりあえず俺が知っているのは、右眼の話だけなんだよ」
客「それは良かった。もし左眼に違和感のある人を見かけたら決して口にしてはいけませんよ」

客は鏡越しに店主の右眼を見て言った。

店主「ん、なんで俺の右眼を見てるんだい?」
客「いや、店主さんはなんで室内なのにサングラスしてるのかなぁーって思いましてね。」
店主「あぁ、昨日カミさんにボコボコに殴られて両目ともタヌキみたいになってるからだよ笑」

そんな店内に、黒服にサングラスの女が入ってくる。

女 「あら、見かけないお客様ですね」
店主「ほら!お客さん、あの女だ、右眼からビーム出す奴!あんた今日も鏡に穴開けに来たか!?」

振り向く勢いで店主のサングラスがカラァンと落ちる。

そんなやりとりをそっと眺めている、蒸しタオルを口元に当てられたまま、散髪用の椅子に横たわっている男、おさむ。

おさむ「(おいおい,何やら始まりそうな予感がほとばしっているが、大事なことを忘れちゃいないか?…そう、俺の口元の蒸しタオルのことさ。すでに俺のヒゲは十分ふやけて、剃られる時を待っているってのに。…いかん、むずがゆくなってきた。しかし、口元を覆われている俺には喋ることさえままならん!くぅ!)」

おさむ「ぶえっくしょん!」

耐えきれずおさむは大きなくしゃみをもらした。蒸しタオルは吹っ飛び店主と女の間に落ちた。
店主と女は同時におさむを見た。

このクシャミをした男、おさむこそ のちの手塚治虫である。

見つめられたおさむは、思わずあの言葉を言い放つ。

「アッチョンブリケ😱」

そう、ブラックジャックに登場するピノ子の口癖は、この時に生まれたのであった。

おさむを見つめる店主と女の右眼からは、怪しい光がもれ出しているようだった。
女と店主。その合間にひらり、と舞い降りた蒸しタオル。
それが「眼(主に右眼)からビームを出す人間」同士のプライドと生存、それに鏡の穴を賭けた、今はまだ一般人のおさむを巻き添えにする、熾烈な戦いのゴングとなった。

そう、店主こそがまさに眼からビームを出す人間であったのだ。

店主は、カマをかけて、他のビーム人間を客の中からあぶり出そうとしていたのだった。
しかし、女が入ってきたことで、突然の展開になってしまったのだ。

身体を女に正対させ,店主は右足をわずかに一歩踏み出した。

ピシッ

空気の軋む音。
張りつめる緊張感。

店主がさらに踏み出した足に力を込める。

ビキッ、ビキキッ!

割れるような音が店内に鳴り響く。

おさむ「おいちゃん!踏んでる!踏んでるって!!」

店主の足元には粉々に粉砕されたサングラスが無惨な姿を晒していた。

眼からビームを出す人間は引かれ合う。そして出会った時、どちらかが必ず倒れることになる。

状況は店主にやや有利だった。地の利もある。そして、店主はすでにサングラスを外している。奥さんからボコられてパンダになった目を隠す意味以外に、眼からビームを出す人間は自分の「力」が暴発しないよう特殊なサングラスを装着して生活している。

ビーム。それは光や電子、電波の束。
目から出るビームは実に特殊で遺伝性、特異性...種類は様々なものがあった。
店主のビームはほんのり温かい。白というよりかはオレンジ、マッサージの際に患部を温める。それはそれは職に恵まれた才能であった。

攻撃するものでなく癒す力。
それを知っているのは店主とおさむ。

女「あなたには一体どんな力があるのかしら」

目元を手で押さえる店主をよそに、女もサングラスを外そうと
手を掛ける
なぜか女性の手は震えていた…。
そして女性は口を開く

女「あなたは、この戦いになにか意味があると思うの?」

そして、店主は口を開く

店主「アッチョンブリケ ポッポルンガプピリットパロ」

と言って、両手を大きく掲げる店主。
その意味はこうだ。「戦うことが我らの宿命だ」破壊と癒し。同じ能力を持ちながら相反する力を有した場合、どちらかが倒れるまで戦わずにはいられない。女が鏡に穴をあけたのは、店主がどちら側の人間か見極めるためだった。女は戦うつもりだった。しかし、女は店主の右眼を見た途端、負けるかもしれないと悟った。こんなことは初めてだった。

女「宿命ならば従うまでだわ。」

女は店主めがけてビームを発射した。

店主「ああ!」

店主は、その場に素早い動きでしゃがみ込んだ。
髪をかすめるビーム。
店主の背後にあった壁に、また一つ穴が生まれ、微かな煙が立ち上っている。

店主「なんてことだ!」

店主は、足元にあるサングラスのかけらを必死に集めている。

店主「タモ、タモさんに、もらった大事なサングラスが…!いいともが終わるって時にプレゼントしてもらったのに!」

かけらを胸に咽び泣く店主を冷やかな目で見つめる女。

佑くんを探しに この店に少し前に来てた佑の彼女七海が顔を出す。

七海「タモリさんのサングラス!!店主さん大事にされてたのに(இдஇ; )」

サングラスのかけらを一緒に拾い集めた後、七海は女に向かって訪ねた。

七海「佑君はどこなのよ!!」 
女「私が知る訳ないでしょ~よ・・・・」

おさむ「あぁ…」

忘れ去られていた客は、小さな呻きを上げた。
皆は気付いていなかった。店主のビームを浴びた客に起きた、小さな変化に。

一方その頃、スリランカでは…

チャイ「紅茶の生産が追いつかんぞ!おさむ、聴いてんのか?おさむ!」
ぼんちおさむ「聴こえる…。日本のおさむが…危ない…!」

おさむの髭は目に見える早さで伸び続ける。店主のビームで癒され、血行が良くなったからだ。
その髭は床にまで達する。

おさむ『私の影分身の一人スリランカのおさむよ、君の力が必要だ。急いで戻り私に力を戻してくれ!』

おさむは、強い思念を影分身に送った。

ぼんちおさむ「…??聞こえる 日本のおさむが…ん?? 力を与え...テステス.. test(´°ω°)しまった !!テストで力を使い果たしてしもうた… 悟空から皆の元気玉をもらってくれ...」

チャイ「おさむ〜 おさむ~ 」

気を失ってるおさむをチャイが、チョップしてるではないか…Σ(゚д゚;)

スリランカぼんちおさむ「おっ!おっ!おっ!おっ!おっ!おさむちゃんでーす!」

チャイはまさかギャグが飛び出すと思わず
チョップしようとした身体もろとも
おさむの笑エネルギーに吹き飛ばされた

客「(私はこのまま放置され続けるのだろうか…)」

サングラスを踏まれ、泣き続ける店主。
眼からビームを放つ女と、それに食ってかかる女。
隣では、床に届かんばかりに髭を伸ばした男が何やらブツブツと虚空に呟いている。
(カオスでしかない…)

その時、黒服の女の背後、この店の外の商店街で、妖しい色の光が明滅しているのを、客は鏡越しに目にした。

一方その頃、黒服組織帝愛グループの長、兵藤会長は不敵な笑みを浮かべていた。

「クックックッ、カイジ、とうとうお前の居場所を突き止めたぞ。お前の様なクズには制裁あるのみじゃ。」

そう、黒服の女は、帝愛グループから放たれた刺客だったのだ!

まさにその帝愛の刺客の背後
怪しく光る青白いの光
客は懐かしさと恐怖に身体を震わせた
思い出した
彼はこの光を見たことがある
左眼に違和感のある者の放つ光
そう、その光と類似して...
いや、まさにその光だったのである

客「奴が!奴が来た!」

フリーザは言い放った。

フリーザ「私の戦闘能力は53万です。」

と。

フリーザ「眼からビームを放つ女…帝愛のねーちゃん、あんたのビームに俺はハートを撃ち抜かれちまった。カイジとかいう小僧ほっとけよ、どうせパチンコで全額すってつかまんのは時間の問題だからさ、それより俺とキャッキャウフフしようぜ。あわよくばおっぱい文字数」

男はそこまで言い切ると、帝愛の女の肩に腕をまわし、店から連れ出してしまった。そして振り返って言った。

フリーザ「あとさっき見たらメルカリでタモリさんがサングラス出品してたぞ。ライバルが現れないうちに落札したほうがよくね? 本物か知らんけどw」

すでに帝愛も、帝愛の末端組織であるスリランカの紅茶工場も、すべてにフリーザの手は伸びていた。世界各地に散らばったギニュー特戦隊により制圧されていたのだ。

右眼からビームを出す者達は、店主を除き既に駆逐またはナンパされていた。右眼のビームは、右眼使いによってそれぞれの特性があるが、フリーザは伝説のスーパー右眼マンを恐れ、癒やし効果の店主以外を早急に始末したのである。一部は虜にされてしまった。
これで世界の右眼からビームを出す者同士の闘いは終わったかに見えた。

しかし、突然、おさむに異変が起きた。影分身であるぼんちおさむが急に消失し、おさむの左眼に異変が起きたのである!

そう、おさむは輪廻眼に目覚めていた。

左眼だけでなく
全身が金色に光り輝くおさむ
おさむは全てを無に返す
伝説の『0㌔カロリー』を左眼に宿した
食べたものも食べてないことにする
受けた攻撃も受け流す
そもそも左眼の噂なんて
なかったことにする
そう...恐れていたあの能力...

おさむの伸びた髭はうねうねとし、全身にまとわりつく。グングン、グングンと体大きくなり、通常の二回りほど巨大化したおさむが言った。

おさむ「目を覚ませカイジ!私の左眼の力《0キロカロリー》でフリーザの戦闘力を0にした、帝愛の女を連れ戻すのだ」
客「う、ああ、ああああああ!!」
おさむ「思い出せ、兵藤会長にされた仕打ちを。思い出せ、あの女に渡さなきゃいけない物を。フリーザは、それを恐れてる」

今まで放置され続けていた客、カイジはよろめいて床に転がった。
カイジは余りの借金を抱え、逃れるため自らの記憶を消していたようだ。
その記憶が今、蘇る。

カイジ「床がキンキンに冷えてやがるっ…!!」
おさむ「ほらよ、チャイの紅茶だ。あの女をスーパー右眼マンに変えるんだ。フリーザはこれを恐れてる、私の左眼が光ってるうちに!」

左眼の光ったおさむはカイジに紅茶を渡した。その紅茶はおさむの左眼が光ってる間のみ効果を発する。
スーパー右眼マンに進化させる紅茶だ。

これは左眼の力をスリランカに封印したおさむと、その力を引き出す店主の特殊な右眼が揃って初めて条件がそろう。

あとはスーパー右眼マンの最後の生き残り、兵藤会長の娘である黒服の女に飲ませるだけだった。
フリーザはそのことに気が付いていたのか、彼女を連れ去ってしまう。

カイジ「待て、フリーザぁぁぁぁぁ」

フリーザは路上で膝をついていた。

フリーザ「どういうことですか?力が……でない?信じられません、私の戦闘力は53万ですよ」
女「私は、何を」
フリーザ「ちくしょーーーー!!洗脳も出来なくなってしまったではないですか!」

帝愛の女は我に返ったように戸惑っている。

カイジ「あんた、この紅茶を飲んでくれ!悪魔的だぜぇ」
女「そんな得体のしれないムグ」

カイジは無理やり喉に流し込んだ。女はみるみる輝き覚醒する。スーパー右眼マンへと。
崩れ落ちるフリーザ、女は奴を踏み潰した。

洗脳が解け、危機を感じたためだ。
踏み潰しながら女は言う。

女「正体を現しな」
フリーザ「クゥ、キエェェェェイ!!」

白い体が肌色になっていく。髪の毛も出てきて、そこには全裸の男が横たわっていた。

七海「……佑君?……佑君!佑君探したのよ!なんで裸……この女ぁ!」
女「そいつのことは知らねぇ、去りな小娘」

フリーザ、奴の正体は佑と呼ばれる少年だった。佑の浮気を疑う七海は帝愛の女に向かって敵意を剥き出しにするが、威圧され失禁してしまう。

七海「でもいいの、佑君は持って帰る……」

カイジ「あんた!」
女「なんだい、ガキ」
カイジ「俺はカイジだ、あんたに渡すものがある」

カイジはポケットからくしゃくしゃになった手紙を出した。女はそれを読んで怒り狂う。

女「兵藤のジジイ!!!」

兵藤が父親だと知ったからの怒りではない。女の母親が兵藤に捨てられたことが手紙に書かれていたからの激しい怒り。

手紙には書かれていた『どの女の事かな、捨てたもんはゴミだクズだ消えてしまえばいい』兵藤はそう言っていたと。

女「母さんのことかーーーーーー!!」

帝愛の女の髪の毛は逆上がり、地面をひび割れさせた。

女「カイジ、あんたをあのジジイに勝たせてやる、着いてきな」
カイジ「おう、頼もしいなおばちゃん!」

カイジと帝愛の女は、兵藤会長の元へと。
七海は気絶する全裸の佑を自宅へと。
巨大化したおさむは、その場で髭を伸ばしたまま眠りについた。
店主は髭を剃り、呟いた。

店主「その左眼、頂きますね。クク」

店主はフレームだけのひしゃげたサングラスをかけて左眼を光らせた。

おわり

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